ヒメオニハゼの飼い方

ヒメオニハゼの飼い方

標準和名:ヒメオニハゼ
学名:Tomiyamichthys alleni Iwata, Ohnishi and Hirata, 2000
分類:スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ハゼ亜科・オニハゼ属
大きさ:体長5cmくらい




ヒメオニハゼの分類

ヒメオニハゼは、これまで紹介してきたダテハゼの仲間と違い、オニハゼ属という別属の魚になります。

オニハゼ属は現在12種が有効とされていますが、未記載のものも多いようです。ホタテツノハゼやオニツノハゼなどはホタテツノハゼ属とされていましたが、現在はオニハゼ属に統合されているようです。

ヒメオニハゼの特徴

▲ヒメオニハゼの背鰭棘は少し伸びる

オニハゼ属の代表的なメンバー種の、体長10cm、全長12cmを超えるオニハゼによく似ていますがそれよりは小ぶりな種で、大きくても5cmほどです。第1背鰭の数本の棘が伸びるので、これが伸びないオニハゼと区別できます。

共生するテッポウエビ

▲オニハゼ属の小型種はコトブキテッポウエビを好むものが多い。

大型種であるオニハゼはパートナーとしてニシキテッポウエビを好むのですが、これと対照的に、小型種である本種は小型のテッポウエビである、コトブキテッポウエビ(ランドールピストルシュリンプ)と共生しています。

水槽ではニシキテッポウエビなど別の種類のテッポウエビの仲間と共生するかもしれないですが、まだ確認はできていません。

生息する海域

▲高知県柏島の海。

高知県幡多郡大月町の柏島で採集された個体をもとに2000年に新種記載された種です。海外では西太平洋に生息しています。日本においては柏島のほか静岡県や琉球列島にも分布しているとのことですが、他の共生ハゼと同じく、日本で採集された個体は販売されることが殆どありません。

観賞魚店で見られるものは基本的にフィリピンやインドネシアなど東南アジア産のものです。

入手方法

極めてまれに観賞魚店に入荷しますが、小型共生ハゼに強い店でないとなかなか入手することはできない種です。あまり見られないので個体の選び方を述べるのは難しいのですが、スレ傷があるものや鰭が溶けているものは選んではいけません。鰭膜が若干破れている程度は問題ないことが多いです。

ヒメオニハゼに適した水槽

▲いくつかのサイズの砂を用意したい

小型種なので30cm位の水槽でも長期飼育できますが、水質の安定を考えると、やはり45~60cm水槽が欲しいところです。勿論水槽サイズだけではなく、ろ過装置も重要な要素です。

砂については他の共生ハゼ同様です。パウダーサンドと大きめの粗いサンゴ砂を混ぜてハゼと共生するテッポウエビが巣穴を掘りやすいようにします。

オニハゼ属の魚はダテハゼの仲間以上に飛び出しやすく、私も何度かそれでオニハゼ属の魚を死なせてしまいました。フタはオニハゼの仲間を飼育するのに必須のものだといえます。できれば細かい隙間もプラスチックの板をカットしたものなどで塞いでおくくらいの慎重さが求められます。

やや深場に生息している種ですが、水温はカクレクマノミなど他の熱帯性海水魚の多くと同様の25℃で大丈夫です。これより水温が上がるようなら水槽用クーラーを導入して対処するとよいでしょう。ゼンスイ クーラーZC100-aは小型水槽向けの数少ないクーラーです。

口がかなり大きいわりには温和な魚です。餌は他の共生ハゼ同様に配合飼料が向いています。ペレット状の沈降性のものは共生ハゼ全般に使うことができるのでお勧め。コペポーダやイサザアミなどの各種冷凍餌なども食べますが、水を汚しやすいので与えすぎに注意が必要です。

基本的には配合飼料をメインにして、冷凍餌はたまに与えるくらいで十分です。

他の魚との混泳について

大きな口をしている割には案外臆病です。小型ヤッコ、クマノミやスズメダイとの混泳は注意するべきです。できればこれらの魚はヒメオニハゼが落ち着いて縄張りを主張するようになってから入れてあげたいものです。

大きめの水槽であれば遊泳性のハゼやカエルウオ、ハナダイ、テンジクダイの仲間など、さまざまな魚との混泳を楽しめます。ただしエビやハゼをいじめたり、捕食したりするような魚とは一緒に飼育することはできません。

他の共生ハゼとの混泳について

▲写真の個体は90cm水槽でヒレナガネジリンボウ、クビアカハゼと混泳していた

同属魚類とは争うこともありますが、他のダテハゼの仲間や、ヒレナガネジリンボウなどとは一緒に飼育することが可能です。ただしダテハゼ属といっても、ニチリンダテハゼのような大型種と一緒に飼育するのは止めた方がよいでしょう。

混泳は出来れば60cm以上の水槽で行いたいものです。理由は単純で、60cm水槽だと比較的広い底の面積を確保できるからです。また複数の共生ハゼや他魚をいれると水も汚れやすくなりますので、水質の安定という意味でも60cm水槽をお勧めします。

サンゴ・無脊椎動物との相性について

共生ハゼ全般にいえることではありますが、サンゴを捕食したりすることはないものの、イソギンチャクなどに食べられてしまう恐れがあります。イソギンチャクとは一緒にしないように注意しましょう。

逆に大型の共生ハゼはごく小さな甲殻類を捕食してしまうことがあります。アカシマシラヒゲエビ(スカンクシュリンプ)、ホワイトソックス、ペパーミントシュリンプ、モエビの仲間などは問題ありませんが、オトヒメエビや大型のカニは本種を捕食する恐れがありますので避けます。







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