ウミキノコの飼育方法~餌・照明・個体の選び方

ウミキノコの飼育方法~餌・照明・個体の選び方

浅いサンゴ礁では様々なサンゴの仲間に出会うことができます。ウミキノコやその近縁種ウネタケはサンゴ礁の浅瀬で見られる普通種。ポリプが出ていないときは茶色っぽいかたまりで面白みに欠けるのですが、ポリプが開くと、美しいサンゴに変貌します。小さなウミキノコはポリプを閉じるとまさにキノコのような見た目になりユニークです。




ウミキノコの特徴

▲ウミキノコは八放サンゴ。ポリプの先端が8つに分かれている。

▲緑色が強い個体

▲ミドリイシが飼育できるような水質の水槽で巨大になったウミキノコ

ポリプを出していない時はまさに「キノコ」の様な形をしたソフトコーラルです。大きさはウミキノコの種類によって異なり、ウネタケの仲間やオオウミキノコなどの巨大になる種類もいます。色は白やベージュ、薄い緑などが多く、あまり派手なサンゴとは言えませんが、その面白いかたちや、ポリプを開いたら大変美しくなることから、人気があります。種類は色々あるのですが、大体が「ウミキノコ」として販売されていることが多いです。

科としてはウミトサカ科で、海水魚店でよく販売されているカタトサカや、ヤナギカタトサカと近い仲間の八放サンゴです。

ウミキノコ飼育に適した水槽

水槽

ウミキノコの仲間も種類は豊富ですが、小型の群体は小型水槽でも飼育はしやすいものの、オオウミキノコ、あるいはウミキノコに近縁なウネタケなどはかなり大きくなったりするので飼育には大きな水槽がよいでしょう。小さなものは35cm位の水槽での飼育も可能ですがいずれ大きくなることを考えますと、60cm位の中~大型水槽が欲しいところです。

適した水質

ミドリイシを飼育するような、ベルリンシステムに代表されるナチュラルシステム、つまり硝酸塩、リン酸・ケイ酸塩などがきわめて低い数値の水槽でも飼育できますが、それらが若干検出されるような水槽で飼育するとよいでしょう。

ただし基本的には丈夫で飼育しやすいソフトコーラルといえますが、ディスクコーラルやマメスナギンチャクなどと比べると過剰な蓄積に若干神経質な面もあり、サンゴ飼育のステップアップに適しているともいえます。ろ過装置は外部ろ過槽、上部ろ過槽などでも問題ありません。

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水流

▲水流専用の水中ポンプ、ハイドール「コラリア」を使って水流を作る。

水流は弱めからやや強めを好みます。小型の水中ポンプで水流を作りますが、ポンプから勢いよく出た水流が直接ウミキノコに当たるのは好ましくありません。強い水流が水槽面や壁面に当たり、拡散された流れをあてるようにするのが望ましいといえます。このほか水流をつくるポンプを制御するコントローラーをつけるのもよいでしょう。

好む光・照明と置く場所

▲ボルクスジャパン「グラッシーレディオ」シリーズはサンゴを飼うのにも安心のLED。

従来は蛍光灯よりもメタルハライドランプのほうがよいとされていましたが、最近は蛍光灯やメタルハライドランプよりもLEDでサンゴ飼育を楽しむことが多くなりました。

本種もLEDで飼育を楽しむことができます。弱い光でも飼育可能ですが、基本的には強い光を好みます。強力な日光が照らすサンゴ礁の礁湖などにもみられるようなサンゴですので、光がよく当たる場所に置くのがが望ましいといえます。メタルハライドランプや強い光を放つLEDライトであれば水槽の下の方に配置することも可能ですが、そうでないときはライブロックの頂あたりにおいておくようにします。

光の種類については強いブルーの光を放つLEDでも飼育可能ですが、白系のものがよいといわれています。

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水温

▲サンゴ礁域の潮溜まりにすむウミキノコ、あるいはウネタケの仲間。

他のサンゴ礁に生息する魚やサンゴ同様25℃前後が適温です。水が綺麗な水槽では少なくとも28℃前後まで耐えられますが、基本は25℃をキープするようにします。ウミキノコやウネタケの仲間はサンゴ礁域のごく浅い場所、水温が30℃にもなるような酷暑の潮溜まりでも見られる種類がありますが、水槽では厳しいでしょう。

餌・添加剤

▲ブライトウェル アクアティクス社の添加剤4種。これとマグネシウムを添加すればほとんどの好日ソフトコーラルを飼育可能

▲餌を与えたいなら、このようなフィトプランクトンを与える。

ディスクコーラルと違い、餌を与える必要はあまりありません。もし餌を与えたいのでしたら、液状のプランクトンフードや、植物プランクトン(フィトプランクトン)の餌をごくたまに与えるだけで十分です。添加剤については、カルシウムについてはミドリイシほど高い数値は必要としませんが、ヨウ素やマグネシウム、ストロンチウム、微量元素などは添加しておくことをおすすめします。

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選び方

▲お店で販売されているウミキノコ。

▲サンゴ専用の薬浴剤。バケツが別途必要

茎の部分が折れ曲がっているもの、白い粘膜がかかっていて腐っているようなものなどは避けます。はじめてウミキノコの仲間を飼育するときは店員さんに見てもらい、大丈夫そうなものを購入するとよいでしょう。ポリプがふさふさ出ている個体がよいともいわれますが、気まぐれでポリプが出ないこともあり、ポリプが出ていないからといって必ずしも悪い状態とは言えません。もちろんお店に入ってきてあまり時間がたっていないものも購入を避けるようにします。

ウミキノコには寄生するウミウシや貝などがついていることがありますので、それらによる影響が心配なら薬浴をします。薬浴にはサンゴ専用の薬を使いますが、使用方法や量は守って使用することが大事です。なお、魚病薬は絶対に使用してはいけません

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魚や無脊椎動物との相性

▲ハゼの仲間はウミキノコをつつくこともない。

魚は多くの魚種と飼育することができます。スズメダイの仲間、ハゼの仲間、ハナダイの仲間、小型ヤッコの仲間、ニザダイの仲間、ベラの仲間、カエルウオの仲間など、多くの種類と組み合わせることができますが、チョウチョウウオや大型ヤッコなどと組み合わせるのは難しいです。クマノミの仲間と大型のウミキノコを飼育していると、クマノミの仲間がウミキノコの中に入る、なんてこともあります。

ウミウサギガイという巻貝の仲間にはウミキノコやウネタケに寄生するものがおり、それらのサンゴが大好物ですので、一緒に飼育することはできません。

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他のサンゴとの相性

▲ウミアザミとふれあっていたが大きなダメージはお互いにない。

ウミキノコの毒は弱いため、他のサンゴとの接触には気を付けなければなりません。ウミアザミの仲間など、おなじく弱毒のサンゴとであれば多少の接触は問題ない場合が多いです。

トサカの仲間でも、カタトサカやヌメリトサカなどの種類は毒が強いので触れ合わないように注意します。

増やしかた

▲ライブロックに固着していたウミキノコがちぎれ、そこから新しい芽が出てきたもの。

▲サンゴの増殖のための添加剤もある。ブライトウェル アクアティクスのリストア

ウミキノコは比較的容易に増やすことができるソフトコーラルです。大きくなりすぎた個体は、ハサミやカッターナイフなどでカットして、カットした破片をライブロックやサンゴ岩などに付着させることで増やすことができます。ハサミやカッターナイフは使用する前に水洗いするようにします。使用後も真水で洗い乾かさないとサビるおそれもあり、要注意です。

また、きちんと付着するまで時間がかかることもあり、むやみに動かさないようにします。

まとめ

  • キノコのような形が面白いソフトコーラル。
  • 飼いやすいが飼育水の水質悪化に注意する。
  • 強めの白っぽい光とほどほどの水流を。
  • ヨウ素、マグネシウム、ストロンチウム、微量元素を添加する。
  • 餌は与えなくても良い。与えるなら液状の餌かフィトプランクトンを。
  • 多くの魚と組み合わせることができる。
  • カットして増やすこともできる。
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