2020.04.29 (公開 2020.04.28) 海水魚の買い方
チャーム通販での死着保証について~海水魚・サンゴが死んで届いた場合の対応
通販で海水魚やサンゴを購入すると、たまに魚やサンゴが死んで届くということもあります。これが「死着」です。この死着は多くの海水魚店で保証の対象となっています。基本的には返金して補償してもらうのが安心です。なお、死着が発生するのは必ずしも海水魚店側に落ち度があるということはなく、道路やトラックの状況、天候、受け取り時間などにも左右されますので購入するときには注意しましょう。また緊急事態宣言による外出自粛が求められている今、通販の注文が平時よりも多く、通販でも海水魚やサンゴを買わないほうが賢明かもしれません。
死着とは
アクアリウムで通販を行うと、魚が死んで届いてしまうことがあります。これを死着といいます。死着は多くの海水魚店で保証対象となっています。ただし例外的なものもありますので、通販を利用する場合はしっかり確認しておきましょう。主に「通販について」とか「特定商取引法に基づく表記」などにのっているはずですので必ずチェックしましょう。
観賞魚店での死着保証の内容
死着保証は海水魚店により異なります。今回ご紹介する「チャーム」を含めた多くのお店が返金による対応となります。中には「リミックス」や「Kazika」のように同じ種の魚がいればそれを代わりに送ってくれるお店もありますが(返金対応もしてくれる)、基本的には返金対応のほうが望ましいでしょう。ちなみにチャームの通信販売についてはこちらをご覧くださいませ。
なお、ネット通販において魚やサンゴなどを購入する際の注意点はこちらをご覧ください
実際に死着保証をお願いしました
今回筆者は「チャーム」の通販にて、テンジクダイ科のウスモモテンジクダイという魚を購入しましたが、3匹購入したものの、残念ながらそのうち2匹が死んでしまっており、チャームの死着保証を利用することになりました。
必要な写真
死着保証を受ける際には写真が必要になります。どのようにして死亡したのか判断するためで、場合によっては死んでしまった魚を送り返さなければならないこともあるようです。補償を受けるには次にあげる3つのポイントをうつした写真が必要になります。
袋の中の魚がお亡くなりになっている写真
極めて重要な点として「開封前」の写真を撮影することです。開封したあとの写真では一切保証してもらえません。なお、生きている生き物がいるときは写真撮影後生きている個体を水合わせすればよいのですが、その場合は補償の対象外となってしまうので注意します。この写真では左に死んでいる2匹のウスモモテンジクダイのほか、右下方に1匹生きているウスモモテンジクダイがうつっていますが、これも水合わせした後、弱って死んでしまいました。
留め金
チャームでは輪ゴムより写真のような留め金を使用していることが多いです。この留め金の様子も撮影してほしい、とのことです。
ラベル
袋についているラベルです。IDや注文番号、パッキングした日付なども記録されています。
これら3つの写真を撮影してチャームのカスタマーセンターへメールを送付し、補償ができる内容であると確認されると、返金先の口座を教えてほしい旨のメールが来るので返信して終了です。なお到着後24時間以内という条件があります。チャームで魚やサンゴを買うと必ず保証書がついてくるはずなのでチェックしましょう。また箱の中で魚がビビっていて模様が変わることもありますが、これは落ち着いたら戻ります。またブダイやハギ、ベラなどは横たわって眠るので死着と勘違いされるケースもあるようです。
死着を防ぐためにできること
▲ウミアザミは意外と輸送に弱い
死着を防ぐためにできることとしては「迅速に受け取る」ことです。袋という狭い空間、しかもろ過されていない場所に閉じ込められているわけですから、迅速に受け取る必要があります。とくに盛夏や冬季などは水温の都合上、できるだけ早く受け取ってあげましょう。指定時間に受け取ることができないと死着補償の対象外になるケースもあります。また繁忙期や台風が近づいているとき、高速道路の集中工事が行われているときなど、物流が滞りやすいときには注文しないというのも対策のひとつになるでしょう。
また、現在は緊急事態宣言により外出自粛が求められています。そのようなときは通販で海水魚やサンゴを購入しよう、と思っている方もいるかもしれませんが、避けたほうが無難です。理由はインターネット通販への注文が平時よりも大幅に増加しているようで、チャームにおいても注文から発送まで4~14日を要しているとのことです。またタイムサービス便や山口便への配送は休止となっています。
またトラックの数にも限りがあるということです。チャームのほかにもさまざまな業態の通販が一気に増加しておりますがトラックに載せられる量には限りがあります。さらに運転手の数も少なく、便数も増やせないというのが現状のようです(そもそもこの問題は以前から指摘されてきたことですが)。ですから発送から到着まで時間がかかる可能性があり、外出自粛が求められている間は通販で海水魚やサンゴを購入しないほうがよいかもしれません。
なお、別の海水魚店では「もともと状態が悪い魚を通販で送っている」なんて疑惑が出ていたようですが、実際にそんなことがあれば死着補償などつけたら莫大な額の補償をしなければなりませんし、インターネットが発達した昨今そんなことをやれば悪いうわさがたって閉店に追い込まれるかもしれません。つまり、わざわざ弱った魚を通販で送ることはないようですが、急いでいるときなど水槽から魚を掬う際に乱暴に扱って傷つけてしまう可能性はあるようです。また、中には今回注文したウスモモテンジクダイなどのテンジクダイや、ウミアザミなどのようにどうしても輸送に弱い魚やサンゴもいます。そのような生物は通販で購入しないほうがよいかもしれません。
まとめ
- 通販で魚を購入すると魚が死んで届く「死着」がたまにある
- チャームなどでは死着保証を受けることができる
- 死着保証には条件があるので注意
- 袋開封前の死着した魚・留め金・ラベルの写真を到着後24時間以内にチャームに送る必要がある
- 迅速に受け取ることで死着の可能性を少しでも減らすことができる
- 繁忙期や荒天時などは通販で海水魚やサンゴを買わないほうがよいかもしれない