ネット通販で海水魚やサンゴを買うときのポイント・注意点

 

近年、わたしたちの「もの」の買い方は大きく変化しました。アマゾンや楽天などのECモールサイトが成長し、町の小売業者は苦戦を強いられるようになってしまいました。アクアリウムの世界でも、海水魚、淡水魚、サンゴ、水草、エビなど問わず観賞魚をインターネットの通信販売で購入することも多くなりました。とくに地方においては観賞魚店などがない場合などに重宝します。しかし、通信販売で海水魚関連のモノ、とくに魚やサンゴなどの「生体」を購入する場合には注意が必要です。

通信販売で買い物をするときの注意

特定商取引法に基く表示

正式には「特定商取引に関する法律」といいます。通信販売、訪問販売、電話での勧誘などのような、トラブルのもとになりやすい取引を対象にしています。ネットで魚や器具などを買うのも一種の通信販売になりますから、この法律に当てはまります。

通信販売で魚や器具を販売しようとしている業者は、間違いなく「特定商取引法に基く表示」をサイトに掲げ、「販売業者名」「屋号」「住所」「電話番号」「責任者名」「表示されている料金以外にかかる金額」「支払方法」などを表示する義務があります。このようなものを掲げていない業者では生き物や機材はもちろん、何一つとして購入してはいけません。

魚や器具の値段以外にかかる費用

魚や器具の値段をはらうだけで購入できるとは考えてはいけません。他に必要なのは送料、梱包料、消費税です。またこのほかに代引き(コレクト)なら代引き手数料、銀行振り込みなら振り込み手数料などがかかりますので、注意が必要です。「特定商取引法に基く表示」には必要な費用が掲載されているはずなので、かならずチェックします。

クーリングオフと死着

▲横浜・都筑区の「Kazika」で購入したハゼたち。元気に到着。

お店にはお店のプライドがあります。生き物を死なせないように手早く梱包したり箱の中にカイロを置く数や酸素の量、水の量など注意しているのですが、それでもごくまれに死んでしまうことがあります。その際、死んでしまった魚の写真を撮って、そのお店に連絡するようにします。

また魚など生きている生物の場合、その特殊性のためクーリングオフの対象にはなりにくいものですので、注文の際には注意が必要です。機材については初期不良のものは交換してくれることがあります。保証書などはちゃんととっておきましょう。

機材について注意しないといけないのは、50Hzのものと、60Hzのものがあるということです。エーハイムの外部ろ過装置や水中ポンプ、蛍光灯の灯具など、それぞれ50Hz用、60Hz用に販売されているものもあり、このような機材を購入する場合は注意します。

電話対応が可か

できれば電話でも注文の対応をしてくれるところが良いでしょう。電話で丁寧な対応をしてくれるようなところであれば、電話を通して色々なことを聞くようにしましょう。

初心者に通販をおすすめしにくいワケ

 

▲複雑な器具の使い方は観賞魚店の人に相談したい

インターネットの広告を掲載している私が言うのもなんですが、初心者の方は出来れば通販で魚や複雑な器具を購入するのは避けるべきです。というのも、初心者の方には、「先生」が必要だからです。その先生というのは、観賞魚店の店員さんや、ベテランのアクアリストであることが多いからです。

もしそのような「先生」が身近にいないようでしたら、今は便利な世の中ですのでFacebookなどのコミュニティで相談することもできます。もちろん当サイトのコメント欄に質問いただいても構いません。海水魚が好きな人もすぐに見つけることが出来るはずです。いずれにせよ実際に観賞魚店を訪問して色々尋ねることによって、疑問点や水槽の問題点の解決につながるでしょう。

また魚、サンゴの生体については、その個体の調子を自分で見られないのが難点です。眼で見られるその生体の情報は、すべてが通販サイトに掲載されている写真情報と文字情報で、自分の目で見られるようなものではありません。疑問があればEメールなり、電話なりして、通販サイトの運営者に尋ねてみる必要があります。それに応えてくれないようでしたら、そのサイトでは購入するべきではありません。

北海道・九州・沖縄の通販事情

北海道や九州、沖縄では冬期の通信販売が行えないことがあります。これはアクアリストがこれらの地域に住んでいる場合も、あるいはお店がこれらの地域にある場合でも同様です。これは航空機にカイロを乗せることが禁止されたためです。店舗によっては通信販売も可能ですが、保温容器を返却する必要があったり、死着保障がなかったりすることもあります。

偽の通販サイトに注意

バッグや靴、アクセサリなどの偽ブランド品を販売する通販サイトがあることは従来からよく知られて問題になっていますが、最近はなんと魚や水草、器具などを販売すると謳う偽の通販サイトまで登場しました。この偽の通販サイトも、文字の様子やフォントなどから考えると、偽ブランドを販売する多くの会社同様に、中国から発信しているようです。

偽通販サイトの特徴1. 「チャーム」や「ネオス」から画像や文章を盗む

偽の通信販売サイトで魚や器具を購入しようとすると、日本語が意外とまともであることに気が付くでしょう。そして画像も思いのほか綺麗。しかしよく見ると、説明の尾部にペット用品や生物を販売する通信販売サイト大手「チャーム」という文字が入っていることもあります。そして画像もよく見たらチャームの画像と同一の画像があったりします。これはチャームに限らず、ネオスなど他の業者の画像も使用していたりします。

簡単に言えば、日本語がまともで写真も綺麗なのはチャームやネオスから文章や画像をパクって来ただけです。どこかで見たことがある画像を使用しているサイトから生態やモノを購入するときは気を付けましょう。運営者の日本語能力は、会社概要などを見てみるようにしましょう。

偽通販サイトの特徴2. 住所が不定

日本では●●県(都道府)▲●市●○町…というように大まかな地域から住所を書いていくのが普通ですが、怪しいサイトでは日本の住所表記であっても番地、町、市、県の順に書いていくこともあります。

最も日本語でこのように住所を書いていくのですから違和感も大きいのですが。また東京に住所があっても郵便番号が明らかに東京のものでないものもあります。このようなサイトでは、絶対に個人情報を注文フォームに記述してはいけません

偽通販サイトの特徴3. ドメイン名が変

このようなサイトはURLも確認してみましょう。最近は「楽天市場」と見た目が全く同じ偽サイトが確認されるなど、正規の通販サイトと見た目がそっくりなサイトが確認されていますが、URLは全く同じものは作れないとされています。

また観賞魚系の偽サイトの中にはトップレベルドメインが「.win」とか「.pw」と言った安価で使い捨てが容易なものを使用している傾向があります。「.jp」「.com」「.net」ドメインのもので運営しているサイトを選びましょう。なお、最近は詐欺サイトでもhttps:を使用しているサイトがあるようで、「https:」の取得はあまり意味がなさそうです。

偽通販サイト その目的は?

偽通販サイトでは偽ブランド品を売ってお金儲けをしたいわけではなさそうです。一説によればメールアドレスなど個人情報の入手が目的ともいわれ、そうであればなおさらタチが悪いものです。

偽通販サイトで痛い目に合わないために

マリンアクアリスト向けの雑誌を見てみましょう。広告を出しているところに通販の案内が出ていることもあります。URLを確認し、そのようなサイトで購入するようにすれば安心です。しかし古い雑誌の広告では、もう店舗が存在していなかったり、あるいはURLが変更されているおそれがあるので、新しい雑誌を購入するのが安心です。

(2019年3月追記)偽通販サイト最近の動向

1.「やどかり屋」を騙る偽サイトについて

偽の通販サイトであっても、最近は日本語が上手くなっているものがあります。これは、正規の通販サイトなどから会社概要などの部分をコピペして貼り付けているだけですので惑わされないようにしましょう。この手口については、すでに大阪市天王寺区の海水魚店「やどかり屋」さんなどが被害にあわれているようです。詐欺サイトに書かれている住所や店名などもやどかり屋さんと同一ですから、Googleマップなどで住所検索を行っても該当する店名が表示されますので安心させようとしています。

くわしくは、「やどかり屋」さんのサイトの注意喚起をご覧くださいませ(外部リンク)。

2.「アクアギフト」を騙る偽サイトについて

最近は群馬県「チャーム」さんの画像を使用した偽サイトが減っているように思います。一方、大阪府の通販(楽天市場)メインのお店である「アクアギフト」さんの画像を使用している偽サイトが見られます。

アクアギフトさんの画像を使用している偽サイトであれば、まだ偽サイトかどうかを見破る方法があります。アクアギフトさんではオリジナルフード「スーパーボイル」を販売しています。魚の写真の下に送料の説明の図がありますが、その図の下に「スーパーボイル販売ページ」というものがあります。この「販売ページ」をクリックすれば正規サイトではスーパーボイルの商品販売ページへ行くのですが、偽サイトではスーパーボイルの販売ページに行きません。

ドメインは絶対にチェック!

これらの偽サイトはいずれもドメイン名に特徴があります。「.jp」とか「.com」、あるいは「.net」といったドメインではなく「.top」とか、「.xyz」といった安価なドメインを使用しているのです(2019年現在は.siteとか.clubというものも多い)。これらのドメインは「.jp」とか「.com」といったものと比べて安価で入手できます。ですから偽サイトか、正規サイトか見分けるのにある程度の参考になる可能性があります。Google画像検索ででてくる画像のなかには「.iq(イラク)」、「.br(ブラジル)」、「.mv(モルディブ)」など、国別割り当てのドメインが使用されているケースもあります。

今回偽サイトが確認できたのはふたつとも大阪府のお店でした。大阪のお店は関東と比べると割安に感じられるお店が多いから購買意欲もそそられてしまいますが、衝動買いは禁物です。これらのサイトにお金を振り込んでも商品は届きません。

まとめ

  • 初心者にはあまりおすすめしない
  • とくに機材はお店で購入するようにしたい
  • 特定商取引法に関する表示をきちんとしてあるかチェック
  • クーリングオフの対象にならない
  • 手数料がかかることもある
  • 偽の通販サイトに引っかからないように要注意

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