ユビワサンゴヤドカリの飼育方法~餌や混泳のポイント | 海水魚ラボ

ユビワサンゴヤドカリの飼育方法~餌や混泳のポイント

甲殻類の仲間のなかでも、ヤドカリの仲間は飼いやすいものが多く、海水魚飼育初心者でも失敗しにくいのでおすすめです。ヤドカリの仲間も種類が豊富ですが、今回は丈夫で飼いやすく入手も容易、そして鮮やかな色彩が特徴のユビワサンゴヤドカリを紹介します。

ユビワサンゴヤドカリはどんなヤドカリ?

ヤドカリは海にすむものと、オカヤドカリのような陸にすむものがありますが、クマノミなどの海水魚と一緒に飼育することができるのは海に住む種類に限られます。

海域に生息するヤドカリの種類は多いのですが、一般の観賞魚店で販売されているものは鮮やかな色彩のものや、コケを好んで食べるもので、種類は限られてしまいます。

ユビワサンゴヤドカリは脚が青と黒の縞模様になっている極めて美しい種類で観賞用として人気があります。本種はサンゴヤドカリの仲間でもよく流通ししかも安価で、これも人気の理由といえるでしょう。またハワイには青の部分がオレンジ色になるものが生息していますが、これもユビワサンゴヤドカリの地域バリエーションとされています。

ユビワサンゴヤドカリの生息地

▲タイドプールのサンゴについている個体。採集の際サンゴを壊さないように注意

日本では伊豆諸島以南の太平洋岸に分布し、とくに和歌山や高知沿岸など黒潮のあたる、枝状のサンゴが生息するような場所に多く見られ、地域によっては自分で採集することもできます。海外ではインド-西太平洋のサンゴ礁域に広く生息しています。

ユビワサンゴヤドカリ飼育に必要なもの

クマノミ、スズメダイ、小型ヤッコ、あるいはハゼの仲間など、一般的な小型海水魚を飼育しているのであれば特別な機材は必要ありません。サンゴヤドカリは海水魚飼育初心者にも向く無脊椎動物です。

貝殻

▲マガキガイに入っているユビワサンゴヤドカリ

ヤドカリの仲間は「宿かえ」を楽しむことができます。ヤドカリの「住まい」となる貝殻ですが、ヤドカリが成長するにつれて貝殻がきつくなってしまうことがあります。

ヤドカリのサイズにあった貝殻を入れておきましょう。貝殻が小さすぎるとヤドカリは入れない、または入りにくく、逆に貝殻が大きすぎるとヤドカリは入れず、入っても動きにくくなります。

貝殻が少ないのに多数のヤドカリを入れるのはあまり良くありません。貝殻の奪い合いがおこりやすく、貝殻を奪われたヤドカリは柔らかい身が露出し他の魚やエビなどに襲われてしまうこともあります。

フタ

サンゴヤドカリの種類はコード類やチューブなどをつたって水槽の外に出てしまうような種類もおり、フタはするようにします。

ユビワサンゴヤドカリの餌と添加剤

特にヤドカリ専用の餌を与える必要はありません。食性は雑食性で、一般的な海水魚向けの餌、とくに底に沈んだ残餌やコケを食べてくれますが、フレーク状の水に浮く餌はヤドカリにとっては食べにくい餌なので、沈降性のペレットフードを与えるとよいでしょう。

添加剤の中で特に添加したいのはヨウ素です。ヨウ素が足りないと脱皮不全などを起こしてしまうおそれがありますので、できれば添加したいものです。他にはビタミン・アミノ酸や微量元素などがあるとよいでしょう。もちろんサンゴ水槽で飼育するときは、そのサンゴにあった添加剤を添加する必要があります。

ユビワサンゴヤドカリの選び方

脚や鋏脚、触覚、あるいは眼といったものが欠けていないもの、よく這い回っているものを選ぶようにします。購入後水槽に入れてから「ユビワサンゴヤドカリが動かない」という悩みが多く聞かれますので、できるだけ元気な個体、水槽の環境もしっかり整えておきましょう。

ユビワサンゴヤドカリと他の生物との飼育(混泳)

▲ミヤケヘビギンポとユビワサンゴヤドカリ

ヤドカリだけを飼育するのも楽しいですが、ほかの生物と飼育するのも楽しいものです。しかしながら他の生き物と飼育する上で注意しなければならないポイントがあるので紹介します。

ユビワサンゴヤドカリと他のヤドカリとの相性

ユビワサンゴヤドカリはかなり気が強い性格で、他のサンゴヤドカリを襲ったりする恐れがあります。できれば他の強いサンゴヤドカリと飼育するようにします。シロサンゴヤドカリやスベスベサンゴヤドカリ、セグロサンゴヤドカリなどは同様に気が強めで一緒に飼育できます。一方ウスイロサンゴヤドカリ、アカツメサンゴヤドカリ(写真)などは温和なので注意が必要です。

逆にコモンヤドカリなど、大型になる種類と飼育するのはおすすめできません。もちろんオカヤドカリなど、水棲の種類でないヤドカリと飼育することも原則としてできません。

ユビワサンゴヤドカリと魚との相性

スズメダイやクマノミ、小型ヤッコ、チョウチョウウオ、ニザダイの仲間、遊泳性のハゼの仲間、カエルウオの仲間など多くの種類と一緒に飼育することができます。

注意したいのはベラの仲間です。イトヒキベラやクジャクベラの仲間、ホンソメワケベラの仲間などとは一緒に飼育できますが、大きなタキベラやイラの仲間などはヤドカリを捕食してしまうことがあり、避けたいところです。モンガラカワハギの仲間などもヤドカリを好んで食べますので一緒には飼育できません。逆にヤドカリの仲間は弱った魚、魚の死骸も食べてしまいますので気をつけます。

初心者におすすめできない生物 前は初心者の方がカクレクマノミと一緒に飼育するのに適した無脊椎動物をご紹介しましたが、今回は逆に初心者の方が...

ユビワサンゴヤドカリとサンゴとの相性

ユビワサンゴヤドカリはサンゴにはいたずらすることはありません。しかし、本種をふくむ大型のサンゴヤドカリがライブロックやサンゴ岩などによじ登ったり、それらの隙間におちた餌を探したりするなどすると、組み方や岩の大きさによっては若干岩組が動いてしまい、サンゴが落下してしまうこともあります。

サンゴは落下すると原則自力で元の位置に戻ることはできませんので、飼育者が落下してしまったサンゴをもとに戻す必要があります。放置しているとサンゴが死んでしまい、水質の悪化を招きヤドカリや他の生物も死んでしまう恐れがあります。

あらかじめ大きなサンゴ岩やライブロックなどにサンゴを活着させておけば、そのような事故は防ぐことができます。サンゴ専用の接着剤も販売されていますので、そのような商品を使うとよいでしょう。

サンゴを飼育するのに必要な要素は、清浄な海水、成長や健康維持に必要な成分、適した水温、海流を再現した水流、太陽光のかわりの照明......

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます