ニッソー クロスミニ~超小型オーバーフロー水槽で海水魚飼育

クロスミニ(Cross Mini)は超小型のオーバーフロー水槽です。6.5リットルと非常にコンパクトな水槽ではありますが、海水魚を飼育することが可能なのです。しかしながら、オーバーフロー水槽といっても大変小さいので、この水槽で海水魚を飼育するのには注意しなければならないポイントがあります。今回はこの水槽で実際に海水魚の飼育を行い、上手く飼育するためにはどのようなところに注意しなければならないか、ご紹介します。

クロスミニとはどんな水槽?

クロスミニは株式会社マルカンが「ニッソー」ブランドで販売している超小型オーバーフロー水槽です。高さは44cm、幅と奥行きはそれぞれ20cm、水槽部の容量は6.8リットルと非常にコンパクトですが、この水槽でも海水魚を飼育することができます。ただし、このクロスミニで海水魚を飼育するのには注意が必要です。「淡水・海水共用」とされていますが、あまりにも水槽のサイズが小さく海水魚の飼育はやや難しいからです。そのため初心者にはあまり向いていない面があります。これについてはまた後述します。

なお、ボディカラーはホワイトのみです。従来はブラックのものもあったのですが、現在はホワイトのみがカタログに掲載されています。このほか釣り具メーカーの「ガンクラフト」とのコラボ商品も販売されていました。今回購入しレビューをしてみたのも量販店で販売されていたガンクラフトとのコラボモデルになります。

クロスミニの水槽

▲手作りのアクリル水槽で透明度は高い

クロスミニのうち、水槽、つまり生物を飼育して観賞する部分はメーカーによれば幅と奥行きが200mm、高さは230mmで、水槽部の水量はおよそ6.8リットルです。一つ一つ手作りのアクリル水槽で透明度が高いのですが、アクリル水槽のデメリットとして傷がつきやすいので取扱いには注意が必要です。

クロスミニのろ過

▲クロスミニのサンプ

クロスミニのろ過槽は観賞する水槽の真下にあります。ほかのオーバーフロー水槽同様にサンプ(水溜め)にろ過槽を設けて多くのろ材を入れられる方式です。水槽右奥のオーバーフローパイプから水がサンプに落下します。

しかし、一般的なオーバーフロー水槽と異なり、手を入れて管理するのは難しいところがあります。一般的なオーバーフロー水槽ではサンプの部分に手を入れてメンテナンスをすることも容易ですが、クロスミニのサンプは水槽と一体になっており、サンプに手をいれるには水槽の部分を外さなければならず、作業するのは難しくなってしまいます。クロスミニにはウールマットが付属し、実際に我が家でも使用していますが、ウールマットにはゴミが付着しやすいのでサンプから頻繁に出して洗浄したいものです。しかしサンプを手に入れることが難しいクロスミニではそれを行うことが難しいので、ウールマットを入れないのがよいかもしれません。

なお、オーバーフロー水槽の仕組みについてはこちらの記事もご参照ください。

クロスミニのポンプ

▲循環ポンプによる水流

クロスミニに付属しているポンプは毎分7リットルほどの流量の水流ポンプです。ポンプが故障したら同様なポンプを購入し取り付ける必要があります。毎分7リットルでもこのくらいの大きさの水槽であれば十分水はまわるのです。

購入する前に考えておくこと

フタは付属しない

クロスミニにはフタが付属していません。ですから、フタを別途購入する必要があります。フタをする場合は同じくニッソーのクリアメイト200ガラスフタセットを使用することを推奨されています。このほか老舗海水魚店である「日海センター」などによるサードパーティ製のフタも市販されていますが、我が家ではアクリル板を使用して自作しました。魚を飼育するのであればフタは必須です。特にカエルウオなどを飼うなら水槽にフタをしっかりするのはもちろん、オーバーフローパイプの上にもアクリル板などでフタをする必要があります。

照明も付属しない

クロスミニには照明も付属しません。そのため照明は別途購入することになります。海水魚飼育であれば安価なLEDでも問題がないでしょう。スポットライト的なメタハラもあるのですが現在は各社製造をやめつつあることや、水温の上昇を招くなどデメリットもあります。またメタルハライドランプは高温になるので、熱に弱いアクリル水槽にはあまり適していないかもしれません。

ひび割れに注意

Amazonでクロスミニのレビューを見ていると、「ろ過槽部の前面にひび割れが」とか、「耐久性に難あり」とか、「ろ過槽部に4cmのひび割れ」なんていうレビューが見られます。無理に力を入れたり、輸送中の破損が原因のようですが、説明書の通りの使用方法をしてもひびが入ったなんていうケースがあります。

ガラス水槽の割れと同様、アクリル水槽もひびが入ると使用不能になってしまいます。素材の都合上熱にも弱く、殺菌のためか熱湯を入れてだめになってしまったという話も聞きます。アクリル水槽は確かにガラスのような割れは起こりにくく、軽くて扱いやすいですが、その反面このような問題が発生しやすいということは頭に入れておいたほうがよいでしょう。また水槽もサンプも丁寧に扱うことが重要です。

クロスミニのろ過槽や水槽にひびが入ってしまったら、スペアのろ過槽や水槽が販売されていない現状、廃棄処分にするしかありません。購入して届いたらまずはひびがはいっていないかチェックし、ひびが入っているようであれば購入したお店に連絡するようにします。

ろ材は別途購入する

専用ろ材として活性炭やリングろ材、ウールマットが付属しますが、ろ材は別途購入することをおすすめします。

先ほども述べたように、ウールマットは物理ろ過の役目をしますが、汚れはマットに蓄積されてしまうため、メンテナンスしにくい(後述)クロスミニでは使用しない方がメンテナンスがしやすいでしょう。生物ろ過用のろ材もあらかじめ海水魚用のものを購入するようにするとよいです。粗めのサンゴ砂や、海水魚用の多孔質ろ材を購入して使用しましょう。

ほかに海水魚水槽を回しているなら、そこからろ材を少しとり、クロスミニのろ材として使用することによって、早く水槽を立ち上げることができるのでおすすめといえます。

水温の調整

▲我が家の小型水槽はエアコンで温度調整

水槽の海水を冷やす時はクーラー、逆に水槽の海水を温めるときにはヒーターをそれぞれ使用しなければならないのですが、とくにクーラーは小型水槽用のものが入手しにくいという、小型水槽で魚を飼育する上で大きなデメリットがあります。こういうときはゼンスイ「テガル」などを使用し、水温の調整を行うようにしましょう。テガルであれば、夏に水温を冷却したり、冬に水槽を温めたり自由自在…ではありますがテガルはペルチェ式冷却装置ですので、過度に期待するのは禁物といえます。室内用のクーラーなどを使用して周囲の温度を低く保つとよいでしょう。

クロスミニはアクリル水槽ですので、ヒーターの使用には制限があります。ろ過槽の中にアクリル水槽でも使用できる小型ヒーターをぶち込むか、上述の「テガル」を使用するようにします。我が家ではエアコンを使用して四六時中温度管理ができるところに設置しています。

メンテナンス

日々のメンテナンス

クロスミニは先ほども述べたようにアクリル水槽ですので、コケ掃除の際には注意が必要です。ガラス水槽用のスクレーパーを使用するとアクリル水槽を傷つけてしまうおそれがあります。そのため、アクリル水槽用のスクレイパーを使用することになります。「フレックス スクレイパー」などがおすすめです。

クロスミニは水量が少ないため、水質が安定しにくいというデメリットがあります。しかし水槽が小さい分、一度の水かえがすぐに終わるというメリットもあります。ナマコがサポニンを出したとか、サンゴが死んでしまい水質が急激に悪化した、など非常事態が発生、急きょ全換水が必要になっても、天然海水20リットル分を購入した場合100%換水してもまだ余ります。掃除も簡単ですからこまめに水替えを行い、常によい水質をキープするようにつとめるようにします。

ろ過槽の掃除

クロスミニの欠点としては、水槽をずらさないとろ過槽の掃除ができないことがあげられます。粗めのサンゴ砂やリング状のろ材を用いた生物ろ過を行うようにしましょう。ウールマットは使用していますが、ウールマットにはゴミなどが付着しやすいことを考えると使用しないほうがメンテナンスが楽かもしれません。

クロスミニでの海水魚飼育の実際

▲クロスミニ水槽で飼育しているセンカエルウオ

結論からいえば、クロスミニでの海水魚飼育は可能です。しかし、安定したろ過能力を発揮するために、ろ材にバクテリアを共生させること、安定した水温を保つこと、魚の数を入れすぎないことが大事です。多くの魚は入れられないし、大きな魚も入れられないのですが、逆に大きめの水槽ではどこへ行ったか分からなくなってしまうような小さな魚を観察するのに最適といえます。

筆者はこの水槽でセンカエルウオというカエルウオの幼魚を飼育しています。夏に高知県のタイドプールで採集したものです。センカエルウオはカエルウオと異なりデリケートで、とくに配合飼料に餌付きにくい種ですが、この小型水槽でケアしながら飼育することにより、上手く配合飼料に餌付かせることができました。このほかに同じくらいの大きさのクロヤハズハゼと思われるハゼを飼育していますが、これも状態は良好です。

水はひと月に1~2回、水槽の半分くらいの量を好感していますが、まずまずうまく飼育できています。しかいs、これは魚の数が少ないからと、魚のサイズが小さいからで、これより魚の数が多くなると失敗する可能性もあります。とくに初心者は小型水槽に魚を入れてしまいやすいのですが、水槽サイズ故たくさんの魚を入れるのはやめましょう。

まとめ

  • ニッソーが販売している超小型オーバーフロー水槽
  • 水槽部の水量はわずか6.8リットルと少ない
  • 初心者にはあまり向いていない
  • 水槽部はアクリル製。軽いが傷つきやすいので注意
  • 一般的なオーバーフロー水槽と異なりサンプに手を入れて作業しにくい
  • フタや照明は付属しない
  • 購入したらまずひび割れがないかチェック
  • ろ材は付属するが別途購入するのが望ましい
  • ウールマットはゴミがたまりやすい。クロスミニでは使用しない方がよいかもしれない
  • コケはアクリル水槽専用のスクレイパーで除去する
  • 大きい魚や数を多数いれなければ十分海水魚飼育も可能
  • 小さな魚をじっくり観察するのに最適

この記事にコメントをする

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

海水魚を探す
サンゴを探す
フリーワード検索
    もっと読む