2020.12.07 (公開 2019.07.04) 水槽・器具
【初心者向け】人工海水のもと(塩)おすすめランキング
海水魚を飼育するのに必要な「人工海水のもと(塩)」にはさまざまなブランドの商品があります。「人工海水のもとなんてどれも一緒だろう」と思ってしまいがちですが、人工海水のブランドによって考え方が異なり、配合している成分にも微妙な違いがあります。今回は、どのブランドの人工海水が初心者におすすめなのか、ランキング形式でご紹介したいと思います。
※今回ここでご紹介するのは、初心者にも使いやすく、初心者向けの魚や飼いやすいサンゴに適した人工海水のランキングです。ここに掲載されていない人工海水のブランドは悪い、ということでは決してありません。「人工海水って何?」という方は、下記もご参照ください。
おすすめ人工海水ランキング
1位:デルフィス「ライブシーソルト」
私が海水魚を飼育するのに強くおすすめする人工海水は、デルフィスの「ライブシーソルト」です。我が家でもサンゴ水槽、海水魚混泳水槽で使用しています。デルフィスでは「どの生体にも最高品質の海水を使ってほしい」という想いから、あえて魚用の人工海水のもと、サンゴ用の人工海水のもと、というような分け方をしておらず、どのような魚、どのようなサンゴにも使え、安価で購入できるなどメリットが多い商品になっています。
初心者におすすめな理由はいくつかありますが、まずカルキ抜きの成分が入っていること。人工海水を溶かす水道水に含まれる、魚に有害な塩素(カルキ)を抜く手間を省くことができます。
次に、別売となりますが、専用のバケツや計量カップが用意されていること。これにより水道水に溶かす人工海水のもとの量を正確に測ることができ、初心者でも人工海水をつくりやすいといえるでしょう。
そして製造からパッキングまですべて日本国内で行っているので、国際海上コンテナなどで長期間運搬されることもなく、熱や湿気の影響を受けにくいのもメリットといえます。生き物に悪影響を及ぼすおそれがある固結防止剤も使用していません。
2018年10月ごろ成分が若干変更され、200リットル用(と200リットル用のものが3つ入った600リットル用)については長く親しまれてきたパッケージのイラストも変更になりました。25リットル、100リットル用のものはパッケージは従来のものとは変更されていませんが、中身は新しくなっています。
2位:日本海水(マリン・テック)「シーライフ」
マリン・テックのブランドを引き継いだ塩の専門メーカー、日本海水が製造・販売している人工海水「シーライフ」です。筆者は主に事務所の海水魚水槽で使用しています。
25リットル、50リットル、100リットル、250リットル、業務用714リットルと、水槽サイズにあわせ5つのサイズが用意されています。家庭の水槽では小分けにする必要がありますが、小分けにして保存しても微量成分が安定しやすいのが特徴です。ただしライブシーソルトと異なりカルキ抜きの成分は入っていませんので、実際に水道水を用いて人工海水をつくるのにカルキ抜きが必要になります。
デルフィスのライブシーソルト同様に日本国内で製造されています。シーライフをつくる工場は香川県坂出市の讃岐工場で、食用の塩なども製造しています。また、マリン・テックではシーライフの上に位置する「ヴィーソルト」という商品も販売しています。
3位:レッドシー「レッドシーソルト」
イスラエルのレッドシー社製の人工海水「レッドシーソルト」です。「レッドシー」(紅海)の名の通り、紅海の海水から製造しています。紅海はアフリカ大陸北東部とアラビア半島の間、砂漠の真ん中にある海で、河川の流入も少なく、水質が変わりにくいのがメリットといえます。外国製人工海水の中ではよく使われている製品の一つで、国内の多くの海水魚店で販売されており入手もしやすいです。
ライブシーソルト同様、海水をつくる際にはレッドシーソルト専用の計量カップ(別売)を使用して計測することができ、初心者でも作りやすいです。ただしライブシーソルトと異なり、カルキ抜きも必要になります。サイズは2kg(60リットル用)、4kg(120リットル用)、7kg(210リットル用)、22kg(660リットル用)の4つがあり、うち7kgと22kgのものはバケツ入りです。このほか業務用のより大きなサイズもあるようですが、よほど大きな水槽でないと、家庭水槽では持て余すかもしれません。生物に有害な物質や、固結剤などは含まれていません。
レッドシーソルトには上位の製品として、カルシウムやマグネシウムなどを強化配合し、サンゴ水槽に適した「コーラルプロソルト」という製品もあります。ただし、初心者が一般的な海水魚や初心者向けのサンゴを飼育するのであればレッドシーソルトでも十分と言えます。このほか、各種添加剤を加えて水質を整えるシステムなど上級者向けの水槽システムでもレッドシーソルトの方が適しているようです。
おすすめ人工海水のもと:3種比較表
製品 | ライブシーソルト | シーライフ | レッドシーソルト |
製造国 | 日本 | 日本 | イスラエル |
価格(100リットル) | 3200円+税 | 3360円※ | 120リットル用2940円※ |
カルキ抜き | 不要 | 必要 | 必要 |
計量カップ | あり | なし | あり |
上位製品 | なし | ヴィーソルト | コーラルプロソルト |
※2010年8月20日現在(コーラルフィッシュ Vol.27より)。