タネハゼの飼育方法~格好いいハゼだがほかの魚との混泳に注意!

タネハゼはハゼ科オキナワハゼ属のハゼで、体が細長く大きな鰭が特徴的で格好いいハゼです。これほど格好いいのに、地味な色彩のためかあまり販売されていることはないのですが、黒潮の影響を受ける地域では頻繁にみられるため、採集して飼育することができます。しかし、比較的おとなしい魚で同種同士の混泳もできますが、その一方でほかの魚に鰭などをつつかれやすいというところもありますので注意が必要です。今回はタネハゼの飼育方法をご紹介します。

標準和名 タネハゼ
学名 Callogobius tanegasimae (Snyder, 1908)
英名 不明
分類 条鰭綱・スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ハゼ亜科・オキナワハゼ属
全長 10cm
飼育難易度 ★★☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドM(※最初は切り身など)
温度 25℃
水槽 45cm~
混泳 おとなしい性格で性格の強い魚との飼育は不適
サンゴとの飼育 サンゴとの飼育はおおむね問題ないが似合わない

タネハゼって、どんな魚?

▲タネハゼ

タネハゼはスズキ目ハゼ科オキナワハゼ属の魚です。岩礁やサンゴ礁域というよりも、内湾の砂泥底、河川が近くにあるような場所で多くみることができるハゼで、琉球列島などではマングローブの中でも見られる種類です。色彩的には茶褐色で地味な種類ですが、尾鰭や胸鰭が大きく格好いいハゼです。なお種の標準和名、学名は本種のタイプ標本が種子島で採集されたことにちなみます。全長は10cm前後になります。

オキナワハゼ属の魚

▲沖縄のタイドプールではおなじみのナメラハゼ

オキナワハゼ属の魚はマリンアクアリウムにおいては著名なものは少ないのですが、それでもフタスジハゼなどは海水魚店などでたまに見ることができます。また、沖縄便に力を入れているようなお店であればナメラハゼなどの近縁種も入手することができます。浅い海に生息するような種類であれば磯採集も可能で、沖縄の磯ではフタスジハゼやナメラハゼが獲れます。少なくとも20数種が知られていますが、未記載種もいます。ただ色彩は地味なものなのであまり入荷しないものといえます。

タネハゼの飼育に適した環境

水槽

タネハゼは最低でも45cm以上の水槽で飼育したい魚です。これはオキナワハゼ属の中ではやや大きくなる種であり、そのぶん大きめの水槽で飼いたいからです。ほかのハゼとの混泳も45cm水槽で問題なくこなせますが、やや大きくなるマハゼなどと飼育するのであれば60cm以上の水槽で飼育するのが無難です。

水質とろ過システム

タネハゼの生息場所を考えると水質悪化に強いイメージがあります。実際に水質悪化にもある程度耐えられますが、できるだけきれいな海水で飼育してあげたいものです。45cm水槽では外掛けろ過槽と外部ろ過槽、60cm以上の水槽であれば上部ろ過槽が最適です。オーバーフロー水槽で飼育するときはサンプに落ちることがないように注意が必要です。これはこの仲間はたまにふわふわと泳いでいることがあるからです。場合によってはフロー管にもフタをするなどの対策が必要かもしれません。タネハゼはサンゴには無害でベルリンシステムなどでも飼育できませんが、あまり似合わず、魚も多く入れることはできません。

水温

水温は25℃前後でかまいません。ただし高水温は30℃付近まで耐性があるように思います。ただしそれはベストではありません。できる限り25℃前後で飼育してあげましょう。もちろん水温が安定していることも重要です。

隠れ家

タネハゼは大きな岩の下に生息していることが多いです。水槽内の飼育においても岩やカキの殻などを入れて隠れ家を作ってあげましょう。

底砂

タネハゼはもともと茶褐色の魚なのですが、サンゴ砂を敷いた水槽では体色が白く変色してしまうことが多くあります。飼育には全く支障はありませんが、色彩も気にするのであれば黒っぽい色の底砂で飼育するとよいでしょう。シーケムの「グレイコースト」などがおすすめです。以前も述べましたが、熱帯魚・水草用のソイルなどは絶対に使ってはいけません。水質が変動し魚に悪影響を与えてしまうおそれがあります。

タネハゼに適した餌

タネハゼは動物食性で、底生動物や小型甲殻類などを主に捕食しています。餌は配合飼料も食べますが、最初のうちはなかなか餌を食べてくれないこともあります。配合飼料の種類としてはフレークはあまり適さず、粒状の沈むタイプの餌がおすすめです。どうしても食べないというときは魚の切り身やエビのむき身などで餌付けます。ホワイトシュリンプなどもよく食べますが、切り身やホワイトシュリンプなどは水を汚してしまいやすいので、与えすぎには注意します。特に小型水槽では注意しなければなりません。

タネハゼをお迎えする

沖縄便に強いショップであれば販売しているところもありますがほとんど見られず、採集されたものを飼育することが多いでしょう。ただし運搬に弱いようで注意が必要です。このタネハゼだけを隔離して運搬するのが望ましいでしょう。ちなみに分布域は関東以南の太平洋岸、種子島、屋久島、琉球列島で、国外では台湾に見られます。

なお、我が家で飼育していたタネハゼは夏の暑い日に青潮の影響で浮かんできたところを掬ったものです。プランクトンが大量に発生し、そのプランクトンが死して硫化水素が発生すると魚が酸欠で浮かび上がってくるのです。その魚を酸素のよく溶け込んだ水槽に入れると回復することが多く、筆者はこの方法で採集したタネハゼを1年ほど飼育していました。

販売されているところはほとんどないのですが、購入する際は餌をよく食べているもの、単独で飼われているもの(気性が荒い魚と一緒だと鰭や体表をつつかれてダメージを受けていることが多い)、体表に傷やただれなどがないことを確認しましょう。また入荷直後はなかなか餌をたべてくれないような個体も多く、できるだけ避けたいところです。

タネハゼとほかの生物の関係

ほかの魚との混泳

▲タネハゼとほかの魚との混泳

タネハゼは動きが遅いのでほかの魚との混泳は注意が必要です。とくに長い鰭をつつくような魚、たとえばスズメダイの仲間などと飼育するのは避けた方が賢明といえます。またメギスやスズメダイの大きいのとの相性はかなり悪く、ぼろぼろにされて最悪の場合食べられてしまうことがあります。特にハゼの仲間は細長い体のものが多く、肉食性の魚から捕食されやすいので肉食魚との混泳は避けなければなりません。

同種間の混泳もできます。異種混泳では同じような場所に住むクロコハゼやスジハゼ類、ヒメハゼ、マハゼなどが似合います。チチブ類(アカオビシマハゼなど)もよく見られるのですが、チチブ類は肉食性が強く性格もかなりきついので避けた方がよいでしょう。

サンゴ・無脊椎動物との相性

▲オトヒメエビとの飼育は危険!

タネハゼはサンゴ水槽での飼育もできます。ただしあまり似合わず、底砂にサンゴ砂を敷くことも多いので体の色が白っぽく変色してしまうこともあります。またイソギンチャクなど捕食性が強い無脊椎動物の餌となってしまいやすいので注意が必要です。

甲殻類との飼育はあまりおすすめできません。タネハゼは動きが緩慢で、甲殻類の餌になってしまう可能性も高いからです。特にオトヒメエビは大きなハサミをもち、飼育していたタネハゼを襲って食べてしまったことがあります。そのため一緒に飼育するのは避けた方が無難といえます。

タネハゼ飼育まとめ

  • 色彩は地味であるが鰭が大きく格好いい
  • 本種のほかのオキナワハゼ属も流通はまれ
  • 水質の悪化には耐性があるがしっかりしたろ過槽で飼育したい
  • 水温は25℃前後で一定の水温を保つようにする
  • 岩の下などに潜むことも多いので隠れ家をつくってあげたい
  • 白いサンゴ砂のもとで飼育すると体が白っぽくなることが多い
  • 慣れれば配合飼料も食うが最初のうちは冷凍餌や魚の切り身などで餌付ける
  • 販売されていることはあまりなく採集するしかない
  • おとなしい魚とであれば混泳可能
  • スズメダイなどは鰭をかじることがあるためおすすめできない
  • サンゴ水槽での飼育もあまり似合わない
  • 甲殻類には襲われやすいので注意

この記事にコメントをする

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

海水魚を探す
サンゴを探す
フリーワード検索
    もっと読む