ジュウモンジサラサハゼの飼育方法~きれいなハゼだがサンゴとの相性は悪い

ジュウモンジサラサハゼはサラサハゼ属の一種で、頭部のピンク色の線や橙色の格子状模様などがおしゃれできれいな魚です。きれいなのでついつい水槽に入れてみたくなるのですが、砂ごと餌を食ういわゆる「ベントスハゼ」の一種で、しかも中層を泳ぐこともあるためサンゴ水槽には入れにくい種類です。今回はこのジュウモンジサラサハゼの飼育方法をご紹介します。

標準和名 ジュウモンジサラサハゼ
学名 Amblygobius decussatus (Bleeker, 1855)
英名 Crosshatch goby, Orange-striped gobyなど
分類 スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ハゼ亜科・サラサハゼ属
全長 7cm
飼育難易度 ★★☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドなど
温度 25℃前後
水槽 45cm以上
混泳 大型魚には食べられやすい。白点病にかかりやすい魚との混泳も避ける
サンゴとの飼育 サンゴに砂をかけるおそれあり。あまり適さない

ジュウモンジサラサハゼって、どんな魚?

▲サラサハゼ

ジュウモンジサラサハゼは以前ご紹介しましたサラサハゼと同じ属の海水魚ですが、色彩はグレーのサラサハゼと異なり、白っぽいからだで、頭部には目立つ縦線、体側には薄いだいだい色の横帯と縦帯が特徴がありおしゃれです。おそらく名前もこの帯にちなむのでしょう。英名Crosshatch gobyもまさにこの斑紋にちなむもので、一方Orange-striped gobyというのは体側の縦・横帯の色彩にちなみます。また尾鰭の付け根のあたりに小さな赤色斑があります。よく似たものにホホベニサラサハゼという種がいますが、ホホベニサラサハゼには横帯がなく縦帯のみで、尾の付け根の赤色斑がありません。

全長は7cmほどと、15cmに達するサラサハゼよりは小型なので、そのぶん水槽には入れやすいといえます。

ジュウモンジサラサハゼに適した飼育環境

水槽

▲90cm水槽で飼育されているジュウモンジサラサハゼ

それほど大きく育つ魚ではないのですが、安定して飼育ができるのは45cm以上でしょう。ほかの魚との混泳が楽しむのであれば60cm以上の大きさの水槽が飼育しやすいといえます。

水質とろ過システム

水質悪化にはある程度耐性がありますが、できるだけきれいな水で飼育したい魚です。底砂を動かすタイプの魚ですので、底面ろ過装置は選択肢になりません。60cm以下の水槽であれば上部ろ過槽を使用するか、外掛けろ過槽+外部ろ過槽の併用が適切でしょう。それ以上の水槽では上部ろ過槽が第一選択肢になりますが、可能であればオーバーフロー水槽がよいでしょう。

中層を泳ぐサラサハゼ属のベントス食ハゼで、サンゴとの飼育にはあまり適していない魚です。また砂を掘ったりしますのでDSB水槽などでは飼育しないほうがよいでしょう。

水温

基本的に水温は25℃前後を維持します。大体22~26℃くらいが理想ですが、水温の変動が大きいのはいけません。

底砂

ベントス食性のハゼは砂をほる習性がありますので飼育下では砂を敷いてあげたいところですが、砂を厚く敷くと硫化水素が発生しやすいので、薄く敷くようにします。3~5cmほどがちょうどよいといえます。なお、砂の種類はパウダー状のものをメインにし、本種を飼育している水槽でテッポウエビを飼育するのでしたらパウダー状のサンゴ砂に加え、粗目のサンゴ砂を少し混ぜるのもよいでしょう。

フタ

ジュウモンジサラサハゼは遊泳性が強いため、遊泳性のクロユリハゼと同じように、フタはしっかりしておく必要があります。そうしないと干物と対面する可能性が高いからです。

ジュウモンジサラサハゼに適した餌

最初のうちは底砂の上に粒状の餌をばらまいて与えます。なれれば浮いた餌も食うようになります。ただしフレーク状の餌はあまり向いていません。薄っぺらく量的に少ないからです。コペポーダやホワイトシュリンプなどを与えるのもよいのですが、これらの餌は水を汚しやすいのでたまに与える程度にとどめておきましょう。

ジュウモンジサラサハゼをお迎えする

沖縄(八重山諸島に多い)では採集することもできますが、ほかの地域では採集することは難しいといえます。海水魚店で販売されていることもあり、沖縄以外にフィリピンやインドネシアから入ってきます。そのため安価ではありますが、状態については注意したほうがよいでしょう。安価で販売されているので雑な扱いを受けていることもあるからです。体に傷があるもの、鰭が溶けているようなもの(少し切れている程度であれば問題ないことが多い)、体表や鰭に赤いただれがあるようなもの、眼が濁っているものなどは購入するのを避けます。

また、この手のハゼはやせやすいので、そのような個体は選ぶのはやめます。ペラペラなのは回復させるのはまず無理ですが、そうでない個体であっても、背中の肉がついていなかったり、腹部がへこんでいるのも購入しないほうがよいです。ふっくらした丸みのある個体を選ぶようにします。

ほかの生物との関係

ほかの魚との混泳

▲ほかの魚(シールズカーディナルフィッシュ)との混泳例

おとなしめの魚で、ほかの魚との混泳もできます。小型のハナダイ、写真のようなスジイシモチ属のテンジクダイ類、遊泳性ハゼ各種、同様に小型のハゼ、小型のベラなどです。ただしチョウチョウウオやキイロサンゴハゼなどは白点病にかかりやすいため、一緒に飼育することは避けなければなりません。また、細長い体をしており捕食性の魚との混泳もいけません。このほか、大きめのスズメダイやメギス(ドティバック)などは気性が激しく、混泳には不適です。

サンゴ・無脊椎動物との相性

▲サンゴと飼育するのには適さない

サンゴとの相性は悪いといえます。本種は口の中に砂を入れて、餌だけを食べて鰓から砂を排出するタイプのハゼ、つまりベントスハゼの仲間だからです。その中でも本種を含むサラサハゼの仲間は中層を泳ぎ回ることも多く、サンゴの上に砂を落とすなどしてダメージを与えることもあるからです。とくにハードコーラルの仲間はやめたほうが無難でしょう。写真ではキクメイシの仲間がうつっていますが、このキクメイシもジュウモンジサラサハゼの砂かけ攻撃を受け弱って死んでしまいました。

またイソギンチャクはハゼの仲間を捕食してしまうこともあるので一緒に飼育しないほうがよいです。サンゴやイソギンチャク以外の無脊椎動物、例えば甲殻類は小型のエビやサンゴヤドカリなどとであれば問題なく飼育でき、マガキガイやニシキウズなどの貝類や海藻も問題ないことが多いです。

ジュウモンジサラサハゼ飼育まとめ

  • サラサハゼに似ているが頭部や体側の斑紋が美しい
  • サラサハゼよりも小型で水槽に入れやすい
  • 45cm以上の水槽で飼育できるが60cm以上の水槽がよい
  • 底面ろ過槽やDSB水槽では飼育できない。上部ろ過槽が最適
  • 水温は25℃前後
  • パウダー状の底砂を3~5cm敷く
  • 飛び出しやすいのでフタはしっかりする
  • 底に沈んだ餌のほか、慣れれば浮いた餌も食べることが多い
  • 体に傷があるものや鰭が溶けているもの、入荷してすぐのものは購入しない
  • 背肉が落ちたものや腹部がへこんでいるものも避けたほうが無難
  • 温和な魚となら混泳も可能
  • 肉食性が強い魚や気が強いスズメダイ、白点病にかかりやすい魚との混泳も避ける
  • サンゴやイソギンチャクとの飼育には不向き
  • サンゴヤドカリなど小型甲殻類との飼育は可能

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