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2020.09.25 (公開 2017.09.09) 水槽・器具

サンゴ用接着剤の種類と選び方~水槽レイアウトの必需品!

サンゴを飼育するのに必要な要素は、清浄な海水、成長や健康維持に必要な成分、適した水温、海流を再現した水流、太陽光のかわりの照明…の他にも忘れられているものがあります。

それはサンゴを安定させることです。海と同じような水流であっても、それによりサンゴがぐらぐら動くようでは、サンゴをうまく育てることはできません。サンゴを岩組に固定させることは重要なことです。

そしてサンゴはあくまで鑑賞が第一目的ですから、水槽の中で見栄えを保つためにも「置き方」には気を遣ってみましょう。

サンゴのレイアウト・配置場所を決める

たとえばミドリイシやトゲサンゴの種類であれば、強い光がサンゴにいきわたり、サンゴの合間にデトリタス (生物の排せつ物や微生物の遺骸などの粒子) がたまらないような、強く複雑な水流が届く場所。オオバナサンゴやハナガタサンゴであれば、強すぎない光があたり、ゆるやかな水流の場所に置くようにします。

サンゴを置く場所を決めたら、接着剤を用いてサンゴを固定させます。サンゴを固定すると、サンゴのポリプがよく開くというような事例は多く聞かれます。

サンゴの転落を防ぐ

▲カニなどにサンゴをひっくり返されないようしっかりと接着したい

カニやヤドカリなどの甲殻類、コケ取りとして入れられるシッタカなどの巻貝、あるいは力の強い魚を飼育している場合、これらの生き物たちが歩き回ったり、ハサミで餌を探したりして水槽内のライブロックやサンゴ岩にぶつかると、サンゴが倒れて岩組から転落しまうことがありますが、岩組から転落して、ひっくり返ってしまったサンゴは早いうちに戻さなければ死んでしまいます。

すぐ元に戻せるのであればよいのですが、旅行中や出張中に転落してしまったら元に戻すことは難しいといえます。そしてサンゴが死んでしまったら水質が急激に悪化してしまう恐れもあり、ほかの魚や生物も死んでしまうことがあります。そのような二次被害をふせぐためにも、サンゴを接着することは大事なのです。

なお、サンゴは砂の上においてはいけません。砂の上に直接サンゴを置くことで、その下部の砂に水流が当たらなくなり、硫化水素が発生してしまうおそれもあるからです。

サンゴ用接着剤の種類・選び方

サンゴとサンゴ岩またはライブロックとの接着は、必ずアクアリウム用の接着剤を使用します。プラモデル用の接着剤などは決して使用してはいけません。有機溶剤など、魚に有害なものを含んでいるからです。

いずれの接着剤も使用上の注意をよく読んで使用することが大事です。一度開封したものは早めに使い切ることが推奨されます。

シアノアクリレート

▲デルフィスが販売するシアノアクリレート接着剤「クイックジェル」と姉妹品「ウォータージェル」

デルフィスが販売するシアノアクリレートを用いた接着剤です。毒性が低く、溶出もないので、アクアリウムはもちろん、医療用や工業用の分野でも使用されております。現在アクアリウムで主流となっているもののひとつです。姉妹品で水中での接着が可能なウォータージェルがあり、海外メーカーのシアノアクリレート接着剤としては米国エコテックマリンのコーラルグルーといった製品があります。

しかしながら力を入れると外れてしまいやすいので注意が必要です。ハードコーラルの骨格とサンゴ岩 (あるいはライブロック) とを接着するのに適していますが、大きなサンゴ岩同士、あるいはライブロック同士を接着するのには向いていません。

▲ウィスカーズコーラルのフラグサンゴ

近年は自然保護の観点から、欧米ではサンゴをプラグと呼ばれる専用の土台に接着して販売したり(フラグサンゴ)、アクアリストの間で交換したりということがあります。このようなときにも、シアノアクリレート接着剤は大活躍します。

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パテ

DDアクアスケープ

代表的な商品としてはエムエムシー企画レッドシー事業部が取り扱う「DDアクアスケープ」。ハードコーラルの骨格とサンゴ岩とを接着したり、ライブロック同士を接着したりします。

DDアクアスケープには灰色のものと石灰藻カラーのものがあり、石灰藻カラーは海水魚水槽では目立ちにくい特徴がありますが値段は若干高め。2種のパテを混ぜて使用することも可能です。

一旦硬化してしまえばかなり強く岩組の固定にも適していますが、薄く塗るようなことはできません。

樹脂状接着剤

樹脂の粒を熱で溶かして使う接着剤です。代表的なものはドイツ・グローテック社(日本代理店はLSS研究所)の「Corafix thermofrag」という接着剤です。

樹脂製の白い玉のようなものをお湯で柔らかくし、空気中で練って固めて接着するというタイプの接着剤です。有害生物が溶け出すこともなく、サンゴにも悪影響を与えません。また製品によっては水中でも使用可能です。このほかにデュプラ(オーシャンアース)から出ている「Frag fix」という製品もあります。

その他のサンゴ用接着剤

▲生物に無害な成分で作られた「ニオスリーフセメント」

ライブロックやサンゴ岩同士を接着させるためのセメントも販売されています。代表的な商品としてはドイツのニオス社の製品で、日本ではゼンスイが扱う「ニオスリーフセメント」。

文字通りセメントのようなもので、真水と混ぜ合わせサンゴ岩やライブロック同士を固定するのに適した製品です。万が一の地震などに備えて岩組を固定するのにも適しています。

ゼンスイ ニオス リーフセメント

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実際にサンゴを接着する方法

ハードコーラルの接着

ハードコーラルを接着するときは、ハードコーラルの骨格の部位に接着剤をつけてサンゴ岩やライブロックに付着させます。ポリプの部位に接着剤がつかないように注意します。

空気中で使用するよう指示されている接着剤を使う場合は、手際よく作業を行いサンゴにダメージを与えないように注意して下さい。

ソフトコーラルの接着

ソフトコーラルは直接接着すると、粘液をだしてしまいうまく土台に接着できないこともあります。岩の隙間などに挿しておけばそのうち活着しますので待ちましょう。

小ぶりのライブロックなどに活着させ、ソフトコーラルが付着しているライブロックを他のライブロックやサンゴ岩に接着する方法もあります。すでにライブロックやフラグに活着しているものを購入すると、接着も容易です。

サンゴ用接着剤と配置方法のまとめ

  • サンゴが好むような光や水流の場所に配置する
  • 置く場所を決めたら接着剤で固定し、サンゴが転落するのを防ぐ
  • 接着剤はアクアリウム専用のものを使う
  • シアノアクリレート接着剤は入手しやすい
  • パテは岩組などを組むのにも役立つ
  • 樹脂接着剤は溶かして使う。サンゴにも無害で水中でも使用可
  • ハードコーラルは骨格の部分に接着材をつけて接着させる
  • ソフトコーラルはうまく接着するのが難しい。手ごろなライブロックなどに活着させる

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