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2019.02.14 (公開 2019.02.13) 水槽・器具

ゼンスイ ニオス リーフセメントの使い方~サンゴ岩やライブロックのレイアウトに最適!

ゼンスイ ニオス リーフセメント

サンゴ岩やライブロックを組み合わせて格好いいレイアウトを作りたいというのはマリンアクアリストであればだれもが考えることです。しかしどんなに格好いいレイアウトを組んでも、ライブロックやサンゴ岩を接着しないのであれば、ヤドカリやカニの仲間による活動や、小さな地震や振動でもレイアウトが崩れてしまうおそれがあります。

サンゴ岩やライブロックを接着するのには専用の接着剤が必要です。パテやシアノアクリレート、樹脂などがありますが、アクアリウム用のセメントを使用するのが一番確実です。その代表的な商品がニオス リーフセメントです。ここではリーフセメントを使用しサンゴ岩やライブロックを接着する方法をご紹介します。

ゼンスイ ニオス リーフセメントとは

ゼンスイ ニオス リーフセメント

ニオス リーフセメントはドイツ・コーンタルにあるNyos Aquatics GmbHが製造しているアクアリウム専用セメントです。日本ではほかのニオスブランド製品同様ZEST(ゼンスイ)が取り扱っています。簡単に言えば、ライブロックやサンゴ岩同士をくっつけるためのセメントで、もちろん魚やサンゴ、無脊椎動物にも安全な材料で作られています。

ほかの接着剤との違い

ほかの接着剤との違いは、この「リーフセメント」はライブロックやサンゴ岩を固定するのに使用する商品であることです。原則として陸上で接着させるので、サンゴなどには不向きといえます(水中でも硬化しますが水が汚れてしまうため推奨されていません)。このリーフセメントには石灰藻が付着しやすいのも特徴とのことで、すぐに接着跡が目立たなくなるようです。メリットは、ほかの商品と異なりライブロックやサンゴ岩を接着し、複雑な形状のレイアウトを作りやすいこと、デメリットとしては先ほど述べたようにサンゴの接着に適していないこと、手にくっつくと皮膚が荒れやすいということ、お値段がやや高価(メーカー小売希望価格4500円+税)であることがあげられます。

類似製品としては「べっぴん珊瑚」の「べっぴんアクアセメント」があります。こちらもライブロック、デスロック(死サンゴ岩)両方に使用できますが、デスロックを接着する際に専用のアク抜き剤がついてくるところがユニークです。

コーラフィクスサーモフラグとの違い

リーフセメントと同じようにライブロックやサンゴ岩同士を接着させるのに使用できるものにグローテック(LSS研究所)の「コーラフィクスサーモフラグ」や、デュプラマリン(オーシャンアース)の「フラグフィクス」などがあります。これは白い樹脂の粒で、使用するときには熱湯で溶かして使うものです。サーモフラグのメリットとしては生きたサンゴを接着するのにも使用できること、水の中でも接着でき、プロテインスキマーに悪影響を与えないこと、白い樹脂なので保管しやすいことがあげられ、デメリットとしては色が真っ白なので目立ちやすいことがあげられます。接着する対象物や状況に応じて使い分けるようにしましょう。

ゼンスイ ニオス リーフセメント実際に使ってみました

必要なもの

▲リーフセメントを使うときに必要なもの

水、セメントを入れる容器、量を正確に計測するためのはかり、スプーンやへら状の「混ぜ合わせるもの」が必要になります。セメントが手に付きそうでイヤ、というときは手袋もしたほうがよいでしょう。また手につくと皮膚があれることもあるため、そういう意味でも手袋はした方がよいかもしれません。このほか、ここでは紹介しませんでしたが、もちろん接着するライブロックやサンゴ岩も必要になります。

実際に接着させる

今回は二つのサンゴ岩を接着させます。まずは試しにサンゴ岩を置いてみて、完成形をイメージしてみます。サンゴを多く置けるよう、あるいは魚にとって隠れるのに都合がよいように組み合わせるとよいでしょう。参考までに今回使用したサンゴ岩は、上に載っているものが横27×縦22×高さ10.5(cm)、下の部分が16×17×13(cm)となります。

セメントの重さを測ります。なお、今回二つのライブロックを接着させるのに使ったリーフセメントの量は120gになります。必要な水の量は基本的にリーフセメント30gに対して10㏄ですがほんの少し多めに水を使用した方が練りやすくなり、使いやすいと思います。

セメントに水を加えます。水を加えたらすぐに硬化がスタートしますので、ヘラなど、かき混ぜるためのものを使用して素早くかき混ぜるようにします。この水は海水ではなく、淡水を使用します。

手でこね、耳たぶくらいの硬さになるように調節します。すでに水を加えた段階で硬化はスタートしており、もたもたすると固まって接着できなくなってしまいます。

まずは丸くこねて接着するサンゴ岩やライブロックの間にリーフセメントを埋め込みます。このとき、サンゴ岩が動かないようにしっかり固定しておく必要があります。セメントで接着する人と、接着するサンゴ岩やライブロックを抑える人のふたり一組で取り組んだほうがよいかもしれません。

さらにリーフセメントを追加で作成しサンゴ岩やライブロック同士の接合面の隙間を埋めるように接着します。大体10分ほどで硬化するようです。

硬化したことを確認したら最後に水槽に移します。接着したサンゴ岩やライブロックは直接水槽に戻さずに一旦暗いサンプの中に戻すのもよい方法です。これはバクテリアがサンゴ岩に付着するため、コケがつきにくくなるからです。

なお、ゼンスイの方に問い合わせてみたところ、「あく抜きの必要はありませんが、接着直後は表面が崩れやすく水槽内に入れる前に洗い流しておく必要がある」ということです。ただし、サンゴ岩は真水で洗ってもよいのですが、ライブロックを洗うときは淡水で洗ってはいけません。もしライブロックを淡水で洗うと、ライブロックに付着している生物が死滅してしまい、生物の死骸により水質が悪化して水槽が崩壊するおそれもあるからです。

保存と廃棄

余ったらフタをよく閉めて湿気の少ない場所に保管しておく必要があります。リーフセメントが残ってしまっても決して水に流さず、お住まいの地域の条例などに従って廃棄するようにしてください。

リーフセメント使用の注意点まとめ

    • ライブロックやサンゴを接着して格好いいレイアウトを作るのに必要
    • 魚やサンゴ、無脊椎動物にも安心
    • 水中で接着すると水が汚れるおそれあり、サンゴを接着するのには不向き
    • 手に付着すると皮膚があれることも。手袋をして作業するのが望ましい
    • 水を加えたらすぐに硬化がはじまる
  • 接着するサンゴ岩やライブロックの間に付着させる
  • 次にその周囲の接合面を埋め合わせるように接着させる
  • 10分ほどで乾燥し硬化したことが確認できたら海水へ移す
  • 接着直後は表面が崩れやすく水槽に移す前に洗ってもよい
  • ライブロックは淡水で洗ってはいけない
  • フタをよく閉め湿気の少ない場所で保存する
  • 余ったセメントは水道に流してはいけない

外部リンク

NYOS(英・独)

日本代理店 ZEST(ゼンスイ)による商品紹介ページ

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