キャンディケインピグミーゴビーの飼育方法~極小サイズのかわいいハゼ

キャンディケインピグミーゴビーは西太平洋のサンゴ礁に生息するハゼで、成魚でも全長3cmほどの小型種です。透けて骨が見えるような体に赤い横帯が多数並びます。本種をはじめとするベニハゼ属の魚は小さくて赤・黄色系の綺麗な色をしており飼育してみたくなるのですが、あまりにも小さすぎてほかの魚との混泳が難しいこともあり注意が必要です。

標準和名 なし
学名 Trimma cana Winterbottom, 2004
英名 Candy-cane pygmy goby
分類 スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科・ベニハゼ属
全長 3cm
飼育難易度 ★★☆☆☆
おすすめの餌 コペポーダ、小型海水魚用の配合飼料など
温度 22~25℃
水槽 35cm以上
混泳 同じベニハゼ・イソハゼ類との混泳がベスト
サンゴ飼育 さまざまなサンゴと飼育可能だが小型水槽では水質悪化に注意

キャンディケインピグミーゴビーって、どんなハゼ?

▲キャンディケインピグミーゴビー

キャンディケインピグミーゴビーは、ハゼ科ベニハゼ属の魚です。ベニハゼ属やイソハゼ属、シマイソハゼ属の魚は非常に小さいためピグミーゴビー、もしくはドワーフゴビーと呼ばれており、どの種も4cm以下と小型のハゼたちで、本種も2~3cmほどにしかなりません。体は透明感があり、体側には赤い横帯が多数入るのが特徴です。

Fishbaseでは本種の英語名を「Candy-cane pygmy goby」としていますが、観賞魚店では「オレンジバンデッドゴビー」「レッドバンデッドゴビー」などの名前で販売されていることもあります。なお、キャンディケインというのは杖状のキャンディのことで、体表の赤・白色の帯を杖状のキャンディに見立ててついた名前です。日本には分布しておらず、和名はありません。

キャンディケインピグミーゴビーに適した飼育環境

水槽

▲小型オーバーフロー水槽での飼育

キャンディケインピグミーゴビーとほかのベニハゼ類を飼育するのであれば、大きな水槽は必要ありません。小型水槽でも飼育できますが、殺菌灯などをつけて安定して飼育するならば45cm以上の水槽がよいでしょう。

筆者はこのハゼを含む小型ハゼを既存の水槽にオーバーフロー加工を施した水槽で飼育していました。この水槽は90cmのメイン水槽の上に棚を置いて配置しているもので、ハゼ飼育水槽はメイン水槽から水中ポンプで水をひき、この小型水槽からあふれた水はメイン水槽のろ過槽(上部ろ過槽)へと落下し、ろ過された水がメイン水槽へもどるというものです。

今回は既存のニッソー製水槽をお店に頼んで穴をあけてもらいましたが、JUNの「スレンダーオーバーフロー水槽」などを使用してもよいでしょう。ただ、この商品を水槽の上にかけるのであれば専用のレールが必要であること、商用ヘルツ数に注意する必要があります。このほかジェックスの「グラステリアAGS」など、既存の小型オーバーフロー水槽を使用する方法もあります。

水質とろ過システム

キャンディケインピグミーゴビーは水質の悪化には弱いところがあります。しっかりとしたろ過システムを構築しなければなりません。小型魚だからといって外部ろ過槽や外掛けろ過槽だけではいけません。かならずこれらの両方を使うようにしたいものです。

サンゴを飼育するためのベルリンシステムで飼育することもできますが、ベルリンシステムでは魚を多く入れられないので注意が必要です。またピグミーゴビーに与えられることが多いコペポーダは水を汚しやすく、システムが破綻しやすいのでその意味でも注意しなければなりません。

水温

サンゴ礁の水深15~30mほどの場所に生息しています。水温は22~25℃をキープしますが、高すぎない方がいいかもしれません。温度が上がったり下がったりするようでは病気になりやすいので、かならず一定の水温を保ちましょう。

隠れ家

臆病なところもありますので、ライブロックなどで隠れ家を作ってあげましょう。とくにほかのイソハゼ類やベニハゼ類と混泳させるのであれば重要です。

病気対策

キャンディケインピグミーゴビーは病気になるおそれがある種、といえます。注意しなければならないのは白点病で、水温の急な変化があったり、ろ過がいまいちだったりすると発生しやすいです。病気予防、といえば殺菌灯を思い浮かべる方も多いのですが、いくら殺菌灯を使っていても急な水温の変化で魚のコンディションが万全でないとかかってしまうおそれもありますので、まずは水温やろ過を見直すのが先です。

キャンディケインピグミーゴビーに適した餌

自然下では動物プランクトンを主に捕食している種ですので、自然下でもコペポーダなどの動物プランクトンフードを食べますが、配合飼料もよく食べてくれます。メガバイトなどSサイズでも大きいというときには、ハゼの口に入るように指ですりつぶして与えるようにします。

栄養価が高い冷凍コペポーダなども与えるとよいのですが、水を汚しやすいのでたまに与える程度にとどめておくようにします。

キャンディケインピグミーゴビーをお迎えする

▲キャンディケインピグミーゴビー購入の際の注意点

日本には分布していません。そのため、観賞魚店での購入しか本種を入手する方法がありません。本種は主にフィリピンやインドネシアから来るため値段自体は安価ですが、状態はよくチェックしておきます。スレなどに弱い面があり、体表に傷のようなものがあったり、体が妙に白っぽいものなどは避けた方が賢明です。もちろん白い点などが体表や鰭などにあったり、体表にただれがあるようなものもよくありません。もちろん入荷直後のものも購入は避けた方が無難です。

キャンディケインピグミーゴビーとほかの生物の関係

ほかの魚との混泳

▲ほかの小型ハゼとの混泳例

キャンディケインピグミーゴビーはその体サイズから、混泳できる魚はどうしても限られてしまいます。同種・もしくは同じベニハゼの仲間との飼育は可能ですが、極端に体格差があるような組み合わせは避けます。イソハゼの仲間も同様で、ナンヨウミドリハゼなど小型種との混泳はできますが、関東でも採集できるイソハゼはかなりでかくなり、大きくなると口に入るサイズの小魚は食べてしまいますので混泳は避けた方が賢明でしょう。

他に混泳できそうな魚はサツキハゼなどの極小サイズの遊泳性ハゼ、キイロサンゴハゼなどのサンゴハゼ類、小型のカエルウオ、ヨウジウオの仲間の小型種などです。タツノオトシゴの仲間はゆったりした動きで混泳できるように思われがちですが、大きいタツノオトシゴの仲間になると、キャンディケインピグミーゴビーをひとくちで捕食してしまうこともありますので混泳はやめましょう。

サンゴ・無脊椎動物との相性

▲陰日性ヤギなどと飼育されていることも多い

サンゴには乗っかることもありますが大きなダメージは与えないため、サンゴ水槽でも楽しむことができます。生息場所は深めなのでLPSや深場のSPS、ソフトコーラルなどが似合います。陰日性のヤギやイソバナ、イボヤギなどとの飼育は、小型のハゼがサンゴが食べられない分の餌を食べてくれるのでおすすめといえます。ただしこれらのサンゴは初心者向けではないので注意が必要です。

また捕食性が強いウチウラタコアシサンゴや、イソギンチャクとの飼育には適していません。ハゼの仲間はこれらの生物の餌になりやすいからです。甲殻類は本種を捕食することもあり注意が必要です。とくにイセエビの仲間や大型のカニ、大型のヤドカリとは一緒に飼育してはいけません。

キャンディケインピグミーゴビー飼育まとめ

  • 成長しても全長3cmほどの小型種
  • 水質悪化に弱いところがある。ろ過システムはしっかりしたものを
  • 水温は22~25℃をしっかりキープ
  • ライブロックなどで隠れ家をつくるようにしたい
  • 病気対策のためには殺菌灯よりろ過や水温安定などを見直したい
  • 配合飼料が口に入らないときは手ですりつぶして与える
  • コペポーダはよく食べるが水を汚しやすいので注意
  • お店では個体の様子をしっかり見る
  • 傷があるもの、鰭や体表に白点やただれなどあるものは買ってはいけない
  • 同種同士の混泳も可能
  • ほかの魚とは同様な小型種との飼育が無難
  • サンゴ水槽での飼育も可能。ただイソギンチャクなどは不可

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