ベニワモンヤドカリの飼育方法~サンゴとの相性や混泳の注意点

ヤドカリの仲間は丈夫で飼育しやすいため人気の甲殻類です。なかには大変色鮮やかなものもおり、このような種類はとくに人気があります。このベニワモンヤドカリもその一種で、赤い鋏・脚に白い縞模様が入るという非常にカラフルな色彩です。安価に購入でき、飼育しやすく美しいと、いいことが多いのですが、性格はややきつめなので注意が必要です。今回はベニワモンヤドカリの飼育方法をご紹介します。

標準和名 ベニワモンヤドカリ
学名 Ciliopagurus strigatus (Herbst, 1804)
英名 Halloween hermit crab
分類 節足動物門・十脚目・ヤドカリ科・ワモンヤドカリ属
全長 1cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドなど
温度 25℃前後
水槽 45cm~
混泳 気が強いのでほかのヤドカリは注意。マガキガイは食べられることも
サンゴとの飼育 サンゴを落とされないように接着剤で固定する

ベニワモンヤドカリはどんなヤドカリ?

ベニワモンヤドカリはヤドカリの仲間でも赤い脚と鋏をもち、それらには白い縞模様が入るという、ヤドカリの中でもユビワサンゴヤドカリとならぶ美しい種です。暖かい海のサンゴ礁域に生息し、タカラガイの仲間やマガキガイなどの貝殻によく入っています。ほかの種類は深場にいることも多いのですが、このベニワモンヤドカリは浅瀬に生息しており、採集することもできます。

なお、ヤドカリ飼育の基本はこちらもご覧くださいませ。

ワモンヤドカリの仲間

ワモンヤドカリの仲間は世界で十数種が知られています。日本ではベニワモンヤドカリの他にもユビナガワモンヤドカリなどの種が知られていますが、なかなか観賞用としては入ってきません。

ユビナガワモンヤドカリはやや深場に生息する種で、刺し網などにかかることがまれにあるようですが、近海魚に強いお店でないと入手は難しいでしょう。オオベニワモンヤドカリは日本近海ではさらに深場に見られるようで、あまり飼育には適さないかもしれません。

ベニワモンヤドカリの飼育に必要なもの

水槽

小型水槽でも飼育できますが、できるだけ45cm以上の水槽で飼育したい種類です。ほかのヤドカリと一緒に飼育するのであれば60cm以上の水槽で飼育するのがよいでしょう。

水質とろ過システム

ベニワモンヤドカリはある程度の水質悪化にも耐えられますが、できるだけ綺麗な水で飼育したいものです。ろ過槽は45cm水槽を使用するのであれば、外掛けろ過槽・外部ろ過槽が選択肢になりやすいのですが「どちらか」ではなくできれば両方を使用したいものです。

60cm水槽であれば上部ろ過槽をメインにします。多くの魚を入れるのであればこれに外部ろ過槽を追加するとよいでしょう。もちろんオーバーフロー水槽を導入できるのであればオーバーフロー水槽が最適です。

ベニワモンヤドカリはサンゴに害を及ぼさないのでサンゴ水槽での飼育もできます。ベルリンシステムなど、ナチュラルシステムでもよいのですが、ナチュラルシステムでは魚をたくさん入れないよう注意します。ヤドカリは魚に比べ水質を悪化させにくいのですが、それでも入れすぎには注意しましょう。

水温

ワモンヤドカリの仲間では浅いところで見られるので、水温は25℃で問題ありません。少なくとも29℃まで耐えられますが、できるだけ25℃前後を保つようにします。低い水温は21℃くらいまでは問題ないようで、やや深場のハナダイやヤッコなどと混泳するならこのくらいの水温がよさそうです。もちろん、水温は常に一定にキープしなければなりません。

宿かえ用の貝殻

▲タカラガイやマガキガイの殻を入れておきたい

ヤドカリが成長するにつれ、すみかとしている貝殻が窮屈になってきます。宿かえ用の貝殻を入れるようにしましょう。ベニワモンヤドカリはタカラガイやマガキガイなどの貝殻に好んで入る傾向があるため、そのような貝殻がおすすめです。

ベニワモンヤドカリの餌と添加剤

ベニワモンヤドカリは雑食性とされますが、動物食性がつよいかもしれません。マガキガイなどを好んで食べてしまいます。一般に与える餌も動物質主体のものでよいでしょう。筆者は主にキョーリンから出ている「メガバイト」や、どじょう養殖研究所の「シグマ・グロウ」を与えています。これらは魚用の餌で、魚の残り餌をよく食べてくれますが、ヤドカリのことを考えるのであれば沈降性のペレットフードがよいでしょう。水槽に浮いている時間が長いフレークフードは底の方にいるヤドカリの仲間には食べにくいのでおすすめしません。冷凍餌のイサザアミやコペポーダなどは与えすぎると水を汚しやすいので要注意です。

添加剤

ヤドカリをはじめ甲殻類もさまざまな元素を欲していますが、とくにヨウ素は重要です。このヨウ素が不足すると脱皮不全などで死んでしまうおそれもありますので、定期的な添加が重要です。このほかビタミン、アミノ酸なども添加するとよいでしょう。

ベニワモンヤドカリをお迎えする

ベニワモンヤドカリは浅い磯で採集することができます。潮溜まりやその周辺の水深1~2mほどの磯に見られ、大きな岩のそばに見られることが多いです。海中でもタカラガイやマガキガイの殻の中に潜んでいることが多いので、ぜひ探してみましょう。

またベニワモンヤドカリは観賞魚店で購入することもできます。1200~1500円前後と安価で購入できるので、雑に扱われやすいですが基本的にはたいへん丈夫な生物ですのであまり心配しなくてもよいでしょう。ただし眼がない個体や脚の大部分がない個体は避け、元気に動き回るような個体を選ぶようにしましょう。

ベニワモンヤドカリと他の生物との相性

ベニワモンヤドカリと魚の相性

ベニワモンヤドカリは魚との混泳ができます。我が家の水槽ではクマノミやスズメダイ、ハナダイなどを泳がせている水槽で飼育していますが、とくに魚を襲うことも魚に襲われることもありません。

ベラの仲間はヤドカリの仲間を好んで食べてしまうので、できるだけ入れないようにします。ただしイトヒキベラの仲間やクジャクベラの仲間、ホンソメワケベラ、ミゼットラスなどは大丈夫です。このほか、フグの仲間やモンガラカワハギの仲間も甲殻類が大好きですのでなるべく一緒に入れないように注意しましょう。

ベニワモンヤドカリとサンゴ・無脊椎動物の相性

▲マガキガイは襲われてしまうこともある

ベニワモンヤドカリは性格がきついので、小型水槽ではなるべくほかのヤドカリと飼わないようにしましょう。ただし、90cm水槽では様々なヤドカリと飼育することができます。スベスベサンゴヤドカリ、ツマジロサンゴヤドカリ、ユビワサンゴヤドカリ、クリイロサンゴヤドカリなどとの飼育は問題ないことが多いようです。ただし同種同士は激しく争いますので入れない方が賢明です。

ヤドカリ以外のの甲殻類については大型のエビ、大型のカニ、大型のヤドカリなどは避けるようにします。アカシマシラヒゲエビ(スカンクシュリンプ)、シロボシアカモエビ(ホワイトソックス)、小型のオウギガニなどについては問題ありませんでした。

そのほかの無脊椎動物では巻貝に注意が必要です。とくにマガキガイはベニワモンヤドカリを入れるといつのまにか食べられてしまい、貝殻の中にはヤドカリが入っていることが多いです。タカラガイも襲われやすいので一緒に飼育するのは避けたいところです。

なお、サンゴには無害ですがヤドカリの活動によりサンゴが落下することがありますので、サンゴは接着剤でしっかり固定しましょう。

ベニワモンヤドカリ飼育まとめ

  • 赤と白の縞模様がきれいなワモンヤドカリ属のヤドカリ
  • 水質悪化にもある程度は耐えられる
  • 水温は25℃前後
  • マガキガイやタカラガイなどの貝殻に入ることが多い
  • 沈降性の餌を与え、ヨウ素、ビタミン、アミノ酸も添加する
  • 元気に水槽内を歩き回り、脚やハサミの欠けがないものを購入する
  • カクレクマノミなどほかの海水魚と一緒に飼育できる
  • 魚の種類によっては襲われるおそれも
  • マガキガイや他のヤドカリを襲うこともあるので注意

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