ベニワモンヤドカリの飼い方~サンゴとの相性や混泳の注意点 | 海水魚ラボ

ベニワモンヤドカリの飼い方~サンゴとの相性や混泳の注意点

甲殻類の仲間にはエビやカニの仲間など、さまざまな種類がいますが、その中でもヤドカリの仲間はたいへんに飼いやすく、初心者でも楽しむことができます。ベニワモンヤドカリはその中でも特に丈夫な種類で、安価、そして美しい色彩と、いい点を3つも兼ね揃えています。

ベニワモンヤドカリはどんなヤドカリ?

ベニワモンヤドカリは、ユビワサンゴヤドカリなどが含まれるサンゴヤドカリ属とは別属の「ワモンヤドカリ属」に含まれるヤドカリです。

この属の種はハサミや脚の部分が赤と、白あるいは黄色の縞模様になっているものが多く、本種も鮮やかな赤と白の縞模様がよく目立っています。ベニワモンヤドカリはワモンヤドカリ属の中でも最もよく販売されている種類といえます。

こちらはサンゴヤドカリ属のユビワサンゴヤドカリ。足の色彩が異なるので見分けに注意。

ベニワモンヤドカリの飼育に必要なもの

水槽・ろ過装置

ベニワモンヤドカリの基本的な飼育器具はユビワサンゴヤドカリとあまり変わりません。クマノミやハゼ、小型ヤッコなど一般的な海水魚を飼育しているのであれば、その水槽やろ過装置だけで十分です。

しかし極端に魚の数が多い水槽や、あるいは60cm水槽に45cm水槽用のろ過槽を使用しているなど、ろ過槽の容量が明らかに不足しているものはよくありません。

魚だけでなく、他のヤドカリとも組み合わせたい場合は45cm以上の水槽で、サンゴ岩やライブロックを多く入れた水槽で飼うようにしたほうがよいでしょう。これはベニワモンヤドカリは他のヤドカリよりも若干強めの性格をしているためで、他のヤドカリが隠れるためのスペースを確保しておきたいからです。

甲殻類の仲間のなかでも、ヤドカリの仲間は飼いやすいものが多く、海水魚飼育初心者でも失敗しにくいのでおすすめです。ヤドカリの仲間も種類...

水温

ベニワモンヤドカリはやや高めの水温でも飼育は可能ですが、基本的には25℃前後の水温を推奨します。本種の近縁種には深場に生息するものもおり、そのような種はより低い水温で飼育するようにします。

貝殻

▲タカラガイやマガキガイの殻を入れておきたい

ヤドカリが成長するにつれ、すみかとしている貝殻が窮屈になってきます。宿かえ用の貝殻を入れるようにしましょう。ユビワサンゴヤドカリと異なる点としては、イモガイやタカラガイ、マガキガイなどの貝を好む傾向がありますので、水槽でもそのような貝殻を入れておくとよいでしょう。

ベニワモンヤドカリの体は他のヤドカリと比べて平べったい形をしています。そのような体のおかげでイモガイやタカラガイなどの狭い入口の貝にも容易に入れるのかもしれません。

ベニワモンヤドカリの餌と添加剤

本種もユビワサンゴヤドカリと同様に魚の残り餌を食べたりしますが、いつも水底にいるためフレークは食べにくいので、ヤドカリのことも考えるのであればペレットのように沈降するタイプの配合飼料がおすすめです。

このほかにイカの足やイワシの切り身など、生の餌を与えると喜んで食べますが、水質の悪化につながることもあるので、ほどほどにしましょう。

添加剤は、ヤドカリをはじめ甲殻類はヨウ素を必要とします。ヨウ素が不足すると脱皮不全などで死んでしまうおそれもありますので、定期的に添加をすることが重要です。このほかビタミン、アミノ酸なども添加するとよいでしょう。

ベニワモンヤドカリの選び方

ベニワモンヤドカリは、水槽の中を元気に歩き回っているものを選ぶようにします。脚やハサミがちぎれていてもそのうち再生しますが、なるべく欠けていないものを選びます。眼が欠けているようなものはダメです。

南日本の太平洋岸に生息し、水深1m前後の浅い海域にも生息するので、自分で採集することも可能です。画像は筆者が磯で採集したもの。

ベニワモンヤドカリと他の生物との相性

ベニワモンヤドカリと魚の相性

▲魚が来たら貝殻の中に隠れる

ベニワモンヤドカリは弱った魚や魚の死骸を捕食することはありますが、仔稚魚を除き魚を襲うことはあまりなく、多くの魚と混泳が可能です。

ただしベラの仲間のうち大きくなるものやフグの仲間、モンガラカワハギの仲間などはヤドカリを捕食してしまうことがあるので、一緒に飼育するのは危険です。またベラやイソギンポなどの甲殻類を好んで食べる魚は、宿換え中の隙に襲ったりすることもありますので、注意が必要です。

ベニワモンヤドカリとサンゴ・無脊椎動物の相性

▲マガキガイは襲われてしまうこともある

サンゴには基本的に無害ですが、ヤドカリが活動することによりサンゴが崩れ落ちることがありますので、サンゴは岩組にしっかり接着しておきましょう。またベニワモンヤドカリはかなり気が強い種類で、小型水槽で大人しいサンゴヤドカリとの飼育はよく観察することが重要です。もちろん、陸生のオカヤドカリとの飼育も基本的には不可です。

ベニワモンヤドカリは、底砂を攪拌してくれるマガキガイを襲って餌にして貝殻を手に入れてしまうこともありますので、注意が必要です。

サンゴを飼育するのに必要な要素は、清浄な海水、成長や健康維持に必要な成分、適した水温、海流を再現した水流、太陽光のかわりの照明......

他のワモンヤドカリの仲間

ワモンヤドカリの仲間は世界で十数種が知られています。日本ではベニワモンヤドカリの他にもユビナガワモンヤドカリなどの種が知られていますが、なかなか観賞用としては入ってきません。

ユビナガワモンヤドカリはやや深場に生息する種で、刺し網などにかかることがまれにあるようですが、近海魚に強いお店でないと入手は難しいでしょう。

ベニワモンヤドカリ飼育まとめ

  • 赤と白の縞模様がきれいなワモンヤドカリ属のヤドカリ
  • クマノミなどと一緒に飼育することができる
  • 水温は25℃前後
  • マガキガイやタカラガイ、イモガイなどの貝殻に入ることが多い
  • 沈降性の餌を与え、ヨウ素、ビタミン、アミノ酸も添加する
  • 元気に水槽内を歩き回り、脚やハサミの欠けがないもの
  • 魚の種類によっては襲われるおそれも
  • マガキガイや他のヤドカリを襲うこともあるので注意

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