フリーワード検索
海水魚の記事
サンゴの記事

2019.02.08 (公開 2017.06.14) 海水魚図鑑

カクレクマノミと一緒に混泳・飼育できるおすすめの無脊椎動物

無脊椎動物とは、一般的に背骨を持たない動物のことを言います。陸上では昆虫やクモといった節足動物の仲間、カタツムリやナメクジ等の軟体動物などがあげられますが、水中、特に海の中には変わった無脊椎動物が色々知られているのです。

海水魚飼育で無脊椎動物と言えば、サンゴの仲間も含まれるのですが、ここでは貝の仲間(軟体動物)、エビやカニの仲間(節足動物)、ウニやヒトデの仲間(棘皮動物)、ゴカイなどの仲間(環形動物)などを扱います。

無脊椎動物の仲間には、飼育していると色々と役に立ってくれる生き物がいます。逆に魚を食べたり、毒針を持ち不注意で刺されると危険な生物さえいます。ここでは初心者の方がカクレクマノミと一緒に飼育するのに適した生物をピックアップしてみます。

カクレクマノミとの混泳におすすめの無脊椎動物

サザエの仲間

サザエといえば、あのつぼ焼きが美味しい貝です。あのサザエの仲間も色々いるわけです。チョウセンサザエやコシダカサザエなどの種類は藻類を好んで食べる貝で、コケ取り用として従来の「シッタカ」に比べてよく飼育されることになりそうです。

このようなサザエの仲間は主に沖縄など亜熱帯の海域から来るもので、「シッタカ」よりも丈夫でやや高めの水温を好み飼いやすいということです。サザエの仲間は他にもタツマキサザエやリュウテンサザエなど綺麗なものが色々と知られています。

マガキガイ

マガキガイはスイショウガイ科(もしくはソデボラ科)の巻貝の仲間です。スイショウガイ科の貝類も色々種類がおり、クモガイやスイジガイなどこの仲間貝殻を販売するお店でも見かけることが多いといえますが、観賞魚店で販売されているものの多くはこのマガキガイです。マガキガイは砂の上をはい回り、コケがつかないようにしてくれるのです。またコケを食べてくれるようですが基本的には肉食性の貝とされます。

海水魚店であればほとんどのお店で販売されています。なおマガキガイの「マガキ」とは「籬」、竹や柴などで作った垣のことで模様がそれを思わせることから。食用になる二枚貝のマガキとは勿論何の関係もありません。四国などの太平洋岸では本種のことも食用にします。塩ゆでして、つまようじで中の身をほじりだして食べます。

ハナビラダカラ(ガイ)

外套膜に覆われたハナビラダカラ

▲ハナビラダカラ

タカラガイの仲間はつるつるした綺麗な貝殻で、昔からかざり物などに使われてきました。その中でもハナビラダカラはもっともよく知られているもので、白地にオレンジ色の模様があり、貝殻などを販売するお店でもよく見かけます。

ハナビラダカラやキイロダカラは藻類などを好んで食べるので水槽で飼育しやすいのですが、他の種にはカイメンの仲間やソフトコーラルなども捕食してしまうものもいますので、気を付けなければなりません。タカラガイ科によく似たウミウサギガイ科の貝は、ウミキノコやウネタケといったソフトコーラルを好んで食べてしまいます。

ハナビラダカラの飼育における注意点などはこちらもご覧くださいませ。

アカシマシラヒゲエビ(スカンクシュリンプ)

体に赤と白の縞模様があり、髭が白いことから和名は「アカシマシラヒゲエビ」といいますが、この和名で販売している観賞魚店は私の知っている限りではありません。魚の皮膚についている寄生虫を掃除してくれるエビの仲間です。注意しておかなければいけないのは、寄生虫を食べる、といっても、白点病などの病気には殆ど効果がないところです。

シロボシアカモエビ(ホワイトソックス)

体が赤く足の先端が白いことからこの名前があります。主にインド洋から来るエビでスカンクシュリンプよりも値段がやや高めであることが多いです。飼育はスカンクシュリンプと同様と考えて問題はないでしょう。

ペパーミントシュリンプ

日本にはいないエビですが、アカシマモエビという日本にも生息するエビに近いとされています。イソギンチャクの仲間のセイタカイソギンチャク(カーリー)などを捕食します。このイソギンチャクは毒性が強く、サンゴを弱らせてしまいます。このエビを入れると、そのようなイソギンチャクを食べてくれます。

ただし、サンゴが弱りすぎているとサンゴも捕食してしまうことがありますので要注意です。またテンジクダイの仲間など口が大きめで全長7~8cmくらいあるものは、このエビを捕食することがありますので、注意が必要です。

サンゴヤドカリの仲間

▲派手な色彩と飼いやすいことで人気のユビワサンゴヤドカリ

▲浅いタイドプールで見られるシロサンゴヤドカリ

▲ウスイロサンゴヤドカリは温和でほかのサンゴヤドカリと飼育しにくい

観賞用としてさまざまなヤドカリが販売されています。その中にはオカヤドカリの様な陸生種もいるのですが、原則として海にすむカクレクマノミと飼育できるのは海の中にすむヤドカリの仲間に限られます。

ヤドカリの仲間でおすすめの種類は小型のサンゴヤドカリの仲間です。これらの種ははさみや、脚の模様に特徴があるものが多く、美しいものが多いです。

ただしサンゴヤドカリの仲間にも性格が強いものとおとなしいものがいるので、強い種類のサンゴヤドカリと、弱い種類のサンゴヤドカリを一緒にすると、よほど岩組が複雑で多くの隠れる場所がないかぎり、弱い種類のサンゴヤドカリは水槽から姿を消してしまうでしょう。

強い種類は、スベスベサンゴヤドカリ、シロサンゴヤドカリ、ユビワサンゴヤドカリ。逆におとなしい種類はツマジロサンゴヤドカリ、ウスイロサンゴヤドカリ、アカツメサンゴヤドカリなどの種類がいます。いずれの種類もヤドカリ専用に特別な餌を与える必要はありません。魚の残り餌やコケを食べます。

クモヒトデ

「ヒトデ」と名前がつきますがヒトデの仲間とは同じ棘皮動物門であるものの、実は別の仲間です。腕がトゲトゲでムカデのようにも見える見た目は不気味なのですが、夜にライブロックから這い出て有機物や残り餌などを食べてくれます。サンゴ礁の海では潮溜まりにたくさんのクモヒトデが群れている様子が見られます。

フリーワード検索
海水魚の記事
サンゴの記事
    もっと読む