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2020.10.19 (公開 2020.10.19) 海水魚図鑑

海水魚飼育における”クリーナー”とされているが要注意な生物たち(ベラ・エビなど)

ベラ科のホンソメワケベラは、ほかの海水魚の掃除を行う「クリーナー」としてよく知られています。海水魚専門店では。ホンソメワケベラ以外にも何種かのベラがクリーナーとして販売されていますが、中には成長するとともにクリーニングしなくなってしまう種類もいます。さらにひどいことに、成長するとサンゴを食べてしまうような魚までいるのです。このほかエビの仲間も注意しないとサンゴを食べてしまうなどの害を与えてしまうので注意が必要です。今回はクリーナーフィッシュとして販売されていても、安易に水槽に入れないほうがよい魚やエビをご紹介します。

クリーナーとは

▲クリーニングするホンソメワケベラ

ほかの魚の体表や口腔内などを掃除(クリーニング)する魚は一般的に「クリーナー」といわれています(このほかコケや残り餌を食べる生き物を指すこともある)。クリーナーとして有名なのがホンソメワケベラで、この魚の青と黒のラインは同じようにクリーナーとして知られる大西洋産のネオンゴビーなど、クリーニング行動を行う魚の多くが身にまとっており、「クリーナーのシンボル」ともいえます。その中には幼魚だけホンソメワケベラに似た青と黒のいでたちをした魚もいます。しかし、これらの種類の中には成長するとクリーニング行動を行わなくなることが多く、種類によってはサンゴをつついてしまうものもいます。またエビの仲間ではクリーナーとされていてもサンゴや小魚を食べてしまうようなものもいます。今回はそんな要注意なクリーナー生物をご紹介します。

要注意なクリーナー生物

レッドシークリーナーラス

レッドシークリーナーラスはベラ科の魚で、名前に「クリーナー」とあり、ホンソメワケベラの仲間のように思えますが、ホンソメワケベラとは別属の魚です(本種のみの1属1種)。色彩は紺色で体側に青い縦線が2本並び、美しいのですが成長するにつれてこの縦線は薄れて消えてしまいます。また大きくなると眼の下に「へ」の字のような模様が現れます。飼育してみたいアクアリストも多いようですが食性に難ありで、幼魚のうちはほかの魚のクリーニングをするのですが成長するとサンゴのポリプを食べるようになってしまいます。紅海にのみ分布するやや高価な魚です。

イエローテールラス

イエローテールラスはレッドシークリーナーラスを白く、体の後方や腹部を黄色くしたようなベラです。この種もレッドシークリーナーラスと似たような習性をもち、幼魚のころはクリーニングしますが、成長につれてサンゴをつつくようになってしまいます。また飼育も難しいとされています。本種の生息地はインドネシア、フィリピン、マレーシアなど西太平洋のサンゴ礁域で、レッドシークリーナーラスよりも安価で購入できるのでつい入れてしまいそうですが、安易に購入しないほうがよいでしょう。なお日本でも見つかる可能性がありますが、まだ確認されていません。

チューブリップの仲間

▲クロベラの頭部。英語名の通りチューブのような口が特徴的だ

インドー中央太平洋のサンゴ礁に生息するベラの仲間で、ミヤケベラ、マナベベラ、クロベラ、アレンズラスなど、2属7種が知られています。いずれの種類もサンゴ礁に依存しており、サンゴのポリプをつついて食べますが、幼魚のうちは黒っぽい体に白~青白い縦帯が入り、レッドシークリーナーラスなどと同様にほかの魚の体表につく寄生虫を多少は食べているようです。ただしこの習性は幼魚のみで成魚になるとサンゴのポリプを好んで食うようになってしまいます。なお、成魚のその食性から飼育は難しいとされており、あまり観賞魚として適していないかもしれません。ミヤケベラの雄は非常に美しいのですが残念です。

ホワイトソックス(シロボシアカモエビ)

モエビの仲間はサンゴとの相性に注意が必要なことも

ホワイトソックスことシロボシアカモエビは海水魚店では比較的よく見られるエビの仲間です。クリーナーとして販売されていますが、クリーナーとしてよく知られる同属のアカシマシラヒゲエビ(スカンクシュリンプ)ほど積極的なクリーニングはしません。また、この仲間は空腹のときはディスクコーラルやマメスナギンチャクなど、イソギンチャクの仲間をむしって食べてしまうことがあります。餌をしっかり与えても食べてしまうことはありますが、まずはエビにも十分に餌がいきわたるようにしましょう。フレークなどは軽量で浮いている時間が長いためやや食べにくく、食べられても量が少ないのでペレットタイプが最適です。

従来は海産エビ用のペレットフードも販売されていましたが、現在はないようで、海水魚用のペレットフードを与えるようにします。

オトヒメエビ

オトヒメエビもクリーナーとして知られ、ウツボやハタなどの大きい魚の体表をクリーニングしますが、小魚はクリーニングするどころか、大きなハサミでバリバリと食べてしまいます。ハゼやカエルウオ、ベラなど夜間休眠するタイプの魚は特に襲われやすいです。そのため小型水槽では魚との飼育には適していないエビといえます。丈夫で飼育自体は簡単で、美しいのでついつい入れたくなりますが、後悔してしまうこともあります。大型水槽で飼育し、一緒に入れる魚も大きなものにしたほうがよさそうです。

クリーナーまとめ

  • ほかの魚をクリーニングするクリーナーとしてはホンソメワケベラが有名
  • ホンソメワケベラ以外にもいくつかの魚がクリーナーとして販売されるが要注意な魚も
  • レッドシークリーナーラスは幼魚はクリーナーだが成魚はサンゴを食う
  • イエローテールラスやチューブリップの仲間も同様
  • ホワイトソックスはスカンクシュリンプほど掃除もしないしソフトコーラルをついばむことも
  • オトヒメエビは大きなハサミで動きの鈍い小魚を襲う

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