デバスズメダイの飼育方法~丈夫で飼育しやすく初心者にもおすすめ

デバスズメダイ

デバスズメダイは気が強いスズメダイの仲間でも温和であり、飼育も非常に容易なため、海水魚飼育初心者に最適な魚です。

また複数飼育も可能で、水槽内でもデバスズメダイの群れを再現することができます。

標準和名 デバスズメダイ
学名 Chromis viridis (Cuvier, 1830)
英名 Blue-green chromis, Blue puller
分類 スズキ目・スズキ亜目・スズメダイ科・スズメダイ属
全長 約8cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッド
温度 24~26度
水槽 45cm以上
混泳 多くの魚と組み合わせられる
サンゴ飼育

デバスズメダイってどんな魚?

デバスズメダイはスズメダイ科・スズメダイ属の魚です。スズメダイ科の魚はクロスズメダイなどのように、成長に伴い色彩が変化してしまうものがいますが、このデバスズメダイは幼魚も成魚も青緑色の色彩をしたきれいな魚です。丈夫で飼育しやすいので、初心者にも最適です。

デバスズメダイと同属の魚

スズメダイ

スズメダイ

デバスズメダイの含まれるスズメダイ属は、スズメダイ科の中でも最大のグループで、およそ100種類が知られています。多くの種がインド-中央太平洋に分布しますが、アメリカ西岸や大西洋、地中海などにも生息しています。

その100種のうち観賞魚として流通するのは20種ほどです。海水魚専門店でもクロオビスズメダイ、シコクスズメダイ、ヒメスズメダイ、カリブ海産のブルークロミスなどの種類がみられますが、このスズメダイ属のなかでもデバスズメダイは特によくみられる種類といえます。

九州北部ではスズメダイ属のスズメダイを食用にします。奄美諸島や沖縄などでもアマミスズメダイやキホシスズメダイ、タカサゴスズメダイなどの大型種を食用にします。スズメダイ科魚類の大きいものは全般的に塩焼などにして美味しいものです。

スズメダイ科の魚はミスジリュウキュウスズメダイ、ソラスズメダイ、ルリスズメダイなど性格がきついものが多いですが、スズメダイ属の魚は比較的温和で協調性があります。

デバスズメダイのそっくりさん

アオバスズメダイ

デバスズメダイにそっくりなものにアオバスズメダイという魚がいます。

アオバスズメダイとデバスズメダイを見分ける特徴としては、胸鰭腋部の様子です。

アオバスズメダイの胸鰭腋部には明瞭な黒い点があります(矢印)。デバスズメダイにはこの黒色斑はないので見分けられますが、慣れないと難しいかもしれません。

飼育方法について大きく異なるところはなく、海水魚店でもほとんど区別されていません。ただデバスズメダイよりも若干大きくなるため水槽も大きめのもので飼育したいところです。

分布域はインド-太平洋域で、日本でも八丈島や琉球列島で見られます。またデバスズメダイ・アオバスズメダイともにハワイ諸島にはいないようです。

標準和名:アオバスズメダイ
学名:Chromis atripectoralis Welander and Schultz, 1951
英語名:Black-axil chromis
分類:スズキ目・スズキ亜目・スズメダイ科・スズメダイ属
全長:11cm

デバスズメダイに適した環境

水槽

単独または数匹であれば30cmほどの小型水槽での飼育も可能ですが、海の中では大きな群れをつくるため、できるだけ大きめの水槽で飼育してあげたいところです。45cm水槽がよいでしょう。もちろん60cm、90cmと水槽が大きければ大きいほど魚の飼育には有利です。

ろ過槽

硝酸塩の蓄積にもよく耐える丈夫な魚ではありますが、水が黄ばんでいるような状態ではよくありません。外掛け式ろ過槽や外部ろ過槽は単用をなるべく避け、上部ろ過槽やプロテインスキマーと一緒に使うようにしましょう。

もちろんオーバーフロー水槽にしてサンプ(水溜め)でろ過をおこなう方式や、ミドリイシなどの飼育に適したベルリンシステムなどのシステムなどでの飼育も可能です。デバスズメダイの故郷であるサンゴ礁の海でも大きなミドリイシの周辺にデバスズメダイが群れているのはよく見られる光景ですので、それを再現するのも楽しいでしょう。ただしミドリイシの飼育は難しいので初心者アクアリストにはおすすめできません。

水温

サンゴ礁の浅瀬に生息するため高水温には結構強く、30℃以上の海水でも元気に泳いでいることがありますが、できるだけ25℃前後で飼育するようにしましょう。高水温だと褪色することもあります。

もちろん水温が安定していることも重要で、とても丈夫なデバスズメダイでも一日に水温が20℃になったり30℃になったりするようであれば、白点病にかかってしまうおそれがあります。

デバスズメダイに適した餌

デバスズメダイに限らず、スズメダイ属のほとんどの種は、海の中では動物プランクトンを主食としています。

しかし飼育下ではわざわざ冷凍のプランクトンフードをメインとして与えなくてもよいでしょう。状態がまともな個体であれば動物性配合飼料にもすぐに餌付いてくれるはずです。痩せているときや繁殖を狙っているのであればプランクトンフードなどを与えてもよいのですが、与えすぎは水質の悪化につながりますので注意が必要です。

デバスズメダイの入手方法と飼育前のチェック

デバスズメダイは日本では高知県以南の太平洋岸に生息しており、釣りや磯採集することも不可能ではありませんが、海水魚店で購入して入手することが多いでしょう。

デバスズメダイの選び方

デバスズメダイは東アフリカ・紅海からライン諸島まで、インド-太平洋域の極めて広い範囲に分布していますが、日本の観賞魚店で販売されているものの大部分は沖縄や東南アジアで採集された個体です。デバスズメダイは1匹あたりの値段は数100円前後と非常に安価な魚で、雑に扱われてしまいやすい傾向があります。そのため購入前のチェックは怠ってはいけません。ネット通販では観賞魚店よりも概ね安価で購入できますが、このチェックをしにくいので初心者にはあまりおすすめしません。

選び方のポイントはほかの魚とあまり変わりません。鰭や体表に白い点があるものや赤いただれ、内出血のようなものがあるものは、白点病や感染症にかかっているおそれもあるためおすすめできません。お店のストック水槽で鰭がぼろぼろになっているものやほかの個体、あるいは別種の魚からいじめられたりしているものも避けるのが無難です。このほか眼が出目金のように突出しているものも選ぶべきではありません。

フィリピンなど東南アジアに生息する魚のうち、スズメダイの仲間は、小さい袋に入れられてくるものも多く、魚はかなりストレスを感じているといえます。長旅の疲れが癒えていない、来たばかりのものも避けた方がよいでしょう。

はじめてデバスズメダイを飼育するのであれば、輸送時間が短い沖縄産のものや、海水魚店で売れ残り、長期間ストックされた元気そうな個体を選ぶとよいでしょう。いったん水槽に慣れてしまえば病気にもなりにくく長期飼育が楽しめます。

デバスズメダイと他の生物との混泳

同種同士の混泳

デバスズメダイの群れ

デバスズメダイの群れ

デバスズメダイはスズメダイの仲間でも温和で自然下では大きな群れを作ります。狭い水槽でもあまり激しい争いをしないため、同種同士での飼育も楽しむことができます。ただし水量の少ない水槽であまりにも多くの数を入れてしまうと水質が悪化してしまうこともありますので注意が必要です。60cm水槽であれば10~15匹前後が安心でしょう。もちろん最初のうちは多くの魚をいれず、1~2匹の魚を入れて水槽をまわしておくことが大事です。

大型水槽で大型個体を複数飼育していると水槽内で産卵することもあります。背鰭や胸鰭が黒くなったり、体が黄色っぽくなる婚姻色を楽しむこともできるかもしれません。同じスズメダイ科であるクマノミの仲間とは異なり、家庭での繁殖は困難ですが、ぜひともチャレンジしてほしいと思います。

他の魚との混泳

水族館で飼育されているデバスズメダイとメガネモチノウオ

▲水族館で飼育されているデバスズメダイと大型魚

スズメダイとしては温和なデバスズメダイは、多くの種類の魚と組み合わせることができます。ハナダイの仲間、小型のハゼの仲間、ヤッコの仲間、チョウチョウウオの仲間、アイゴ、ニザダイ、小型のベラ、人気のカクレクマノミなど色々な魚と組み合わせることができますが、カサゴの仲間、ハタの仲間やウツボの仲間などはスズメダイを捕食してしまうおそれがあり、混泳は避けるべきです。

水族館では大型の水槽でスズメダイの仲間と大きめの肉食魚(ヨスジフエダイやメガネモチノウオなど)を混泳させたりしていますが、これは遊泳のためのスペースが広くあり、スズメダイが隠れるようなサンゴ岩などもたくさん入っているから食べられにくいものです。そのため、狭い家庭の水槽で真似することはほとんど不可能といえます。

サンゴ・無脊椎動物との関係

ウスコモンサンゴ

浅場のSPSがよく似合う

デバスズメダイはサンゴにちょっかいをかけることはありませんのでほぼすべてのサンゴ水槽でも飼育できます。デバスズメダイの生息場所を考えると、やや深場に生息するLPSよりはミドリイシやハナヤサイサンゴなど浅瀬に生息するSPSが似合います。ただし、SPSの飼育は初心者には難しいので、初心者アクアリストは別のサンゴとの組み合わせがよいでしょう。

イソギンチャクやウチウラタコアシサンゴなど、魚を捕食してしまう無脊椎動物には食べられてしまうおそれがありますので注意が必要です。

甲殻類は大型のヤドカリやイセエビなどはデバスズメダイを襲ってしまうためよくありません。逆に小さすぎるエビは食べられてしまうおそれもあります。スカンクシュリンプ、ホワイトソックス、キャメルシュリンプ、サロンシュリンプ、サンゴヤドカリなどとは特に問題なく混泳可能です。クリーナーシュリンプは概ね問題ありませんが、オトヒメエビは動物食性が強いのでなるべく避けます。

デバスズメダイの飼育まとめ

  • 丈夫で飼育しやすく初心者にもおすすめ
  • 幼魚・成魚ともに青緑色の美しい色彩
  • 温和で同種同士の飼育も可能
  • 胸鰭腋部が黒いのはアオバスズメダイという別種
  • 硝酸塩の蓄積には強いが綺麗な水で飼育したい
  • 水温は25℃をキープ。安定していることが重要
  • 小型水槽でも飼育可能だが、45cm以上の水槽で飼育したい
  • 動物プランクトン食。飼育下では配合飼料を与える
  • 安価で購入可能だが、よくチェックしてから購入したい
  • 初心者にはネット通販はおすすめしない
  • 60cm水槽では群れで飼育するとよい
  • ほかの小型魚との混泳もよい。ただし肉食魚はだめ
  • サンゴ水槽での飼育もよい
  • イセエビやオトヒメエビなどはおすすめできない

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