クマノミの仲間同士の混泳~クマノミ類複数種飼育のテクニック!

カクレクマノミの飼育になれたら、ほかの種類のクマノミの飼育にも挑戦したい!というアクアリストも多いでしょう。しかしながら複数種のクマノミをひとつの水槽で飼育するのは難しいところがあります。

ただし、クマノミの種類、水槽のサイズ、クマノミと同居する魚、そしてアクアリストの見極めにより、一つの水槽で複数種のクマノミを飼育できることがあります。ここではどんなクマノミがほかのクマノミと飼育しやすいのか、どのような点に気を付ければほかのクマノミと飼育することができるのか、考えていきます。

クマノミとはどんな魚?

まずはクマノミとはいったいどんな魚か、おさらいしましょう。

クマノミの仲間は、スズキ目・スズメダイ科の海水魚で、インド-中央太平洋のサンゴ礁域にすみイソギンチャクと共生することによりよく知られています。イソギンチャクは有毒で、魚を捕食し食べてしまうのですが、クマノミの仲間はその毒にやられないような仕組みをもっており、イソギンチャクを住処とすることができます。クマノミの仲間は住居を提供してもらうかわりに、イソギンチャクの天敵(チョウチョウウオなどが啄むことがあるよう)から身を守ってもらえます。

クマノミの仲間と共生するイソギンチャクは海中のどこにでもあるわけではなく、クマノミの仲間は海中ではイソギンチャクの周りに、水槽内でも縄張りをつくり、その中に入ってきたクマノミやほかの魚を追い払ってしまいます。海中では一つの大きなイソギンチャクに複数の種・個体のクマノミがいることがありますが、

また、スズメダイの仲間は性格がきついものが多く、全般的に混泳はやや難しいといえます。その中ではカクレクマノミなどはまだおとなしい方ということがいえます。

それでもカクレクマノミの飼育になれればほかの種のクマノミも飼育したい!と思うかもしれません。実際に、複数種のクマノミの飼育に成功している事例もあります。ここではクマノミの仲間の複数種飼育についての気を付けたいポイントなどを解説します。

クマノミ類複数種飼育のテクニック

大型水槽で飼育する

クマノミに限らずスズメダイ、チョウチョウウオ、ヤッコなど多くの海水魚にいえることではありますが、まず単純に水槽が大きければ複数種のクマノミがそれぞれの縄張りをつくることができ争いが若干緩和するかもしれません。逆に水槽が小さいとそれぞれのクマノミが縄張りをつくれないためケンカしやすいといえます。

逆に大きめの水槽にあえてたくさんのクマノミを入れてそれぞれの個体が縄張りをつくれないようにすれば争いも緩和するということがありますが、これは水族館のやり方で、家庭の水槽では現実的ではありません。たくさんの個体を入れればろ過能力が追い付きにくくなり、水槽が崩壊するおそれさえあります。

極端に性格が違う種を組み合わせない

クマノミの仲間は温和なものと気が強いものとその中間に分けることができます。温和なものはセジロクマノミやハナビラクマノミなどで、逆に気が強いのはハマクマノミやスパインチークアネモネフィッシュなどがあげられます。標準和名クマノミもカクレクマノミと比べるとやや性格がきつい種といえるでしょう。またトウアカクマノミなども大きくなる種類なのでほかのクマノミとの飼育はやや難しいです。

基本的な性格は上記のとおりなのですが、性格には個体差もあります。そのため混泳には「こうすれば100%大丈夫!」ということはないので注意しなければなりません。また幼魚と成魚でも当然性格は変わってきます。大きなカクレクマノミと稚魚のクマノミでは大きなカクレクマノミが優位に立ちます。

強い種→ハマクマノミ、サドルバックアネモネ(通称インドトマト)、スパインチークアネモネフィッシュなど

やや強い種→クマノミなど

おとなしい種→ハナビラクマノミ、セジロクマノミなど

異なる大きさの個体を組み合わせる

▲異なるサイズや成長段階でうまく飼育できることもある

我が家ではクマノミとカクレクマノミを90cm水槽で混泳していますが、うまく混泳できています。カクレクマノミはまだ成魚ではなく、混泳しているクマノミ(成魚)の半分程度の大きさです。大きさや成長段階を変えることでうまく飼育が出来ているようです。

ただしこの場合、カクレクマノミが大きくなるとクマノミにいじめられてしまうおそれもありますので、カクレクマノミが大きく育った後は別水槽に移すことが必要になる可能性もあり、アクアリストの見極めが必要になってきます。また成魚のクマノミが幼魚のカクレクマノミを追いかけていじめるケースも考えられます。カクレクマノミ、もしくはクマノミを移すことができる水槽がないのであれば、避けたい組み合わせといえます。

クマノミを追加するときにほかの魚も一緒に入れる

▲小型ヤッコとの混泳もできる

新しくクマノミを追加するときにほかの魚を一緒に入れると攻撃対象が分散されるのでよいといえます。相手として適しているのはヤッコの仲間や大きめのハナダイの仲間(キンギョハナダイやメラネシアンアンティアスなど)、スズメダイの仲間のおとなしいもの(デバスズメダイ、イエローリップダムゼルなど)、ニザダイ(ハギ)などです。

ハナゴイや遊泳性ハゼなどはあまりにもおとなしい性格で、攻撃をされたら引きこもってしまう可能性があります。逆にメギスの仲間や気性の荒いスズメダイと混泳すると水槽が戦場と化すおそれがあり、これもよくありません。いうまでもなくクマノミを捕食する可能性がある肉食魚は厳禁です。ただしヤッコの仲間はクマノミよりも水質に敏感なので注意しましょう。

レイアウトを変更する

クマノミ以外であっても、新しく魚を追加するときに行われる手法です。新入りの魚を追い回すような強い魚をいったん隔離し、新しく追加の飾りを入れたり、レイアウトを変更したりします。これによって強い魚の築いた縄張りを崩してしまおうというものです。ただし岩組を大きく動かすと汚れが水中に舞ってしまい、白点病などの病気を誘発するおそれもあるので注意しましょう。

隔離

▲「ビックフィッシュハウス」で隔離されているカクレクマノミ

弱い方のクマノミが強い方のクマノミに執拗に追いかけられているのであれば、なるべく早いうちにどちらかを隔離するようにしたいものです。基本的には強い方を隔離し、隔離されている間にレイアウトを変更して大きなクマノミが築いた縄張りを壊してしまうという方法がとられることが多いのですが、弱いクマノミの方が傷ついている場合などは弱い方を隔離して薬浴をします(サンゴ水槽では薬は使えないので別水槽で薬浴すること)。隔離するときには網とプラケースで掬うのですが、夜間クマノミが眠り動きが鈍いときには掬いやすいのでおすすめです。昼間に掬うのにはライブロックなどをどける必要がありますが、その際に汚れが舞い病気になる可能性があるので注意しましょう。

魚を隔離するのであれば「ビックフィッシュハウス」などの隔離ケースが思いつきますが、ビックフィッシュハウスは大きすぎて60cm以下の水槽では使いにくいという欠点があります。一方、これより小さな隔離ケースではクマノミのサイズによっては上手く泳ぐことができなかったりします。このような場合は「タンクセパレーター」など、専用の仕切り板を使用して水槽を二つに仕切るようにするとよいでしょう。ただし水槽の奥行きが特殊なサイズだとうまく仕切れないことがあります。

クマノミの混泳まとめ

  • 縄張りをつくる習性がありほかの種類を蹴散らすことも
  • 複数種のクマノミを飼育するならできるだけ大きな水槽を用意
  • 温和なハナビラクマノミと気が強いスパインチークなどの組み合わせは極力避ける
  • 性格には個体差もあるので注意が必要。混泳に100%は存在しない
  • 幼魚と成魚の組み合わせはけんかしにくいケースもあるが慎重に
  • いじめを抑えるためにほかの魚と一緒に導入するのも有効
  • レイアウト変更で強いクマノミが築いた縄張りを壊す方法も
  • レイアウト変更時は白点病が発生するおそれあり注意
  • 大型水槽では隔離ケース、60cm以下では仕切り板を使って隔離
  • クマノミを掬うときは夜眠っているときが掬いやすい
  • 掬うためにライブロックなどを動かすときも汚れが舞う可能性がある

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