モンツキベラの飼育方法~甲殻類との混泳は危険

モンツキベラはフタホシキツネベラの近縁種です。しかしながらモンツキベラはフタホシキツネベラよりもかなり大きくなり、性格もフタホシキツネベラよりかなりきつくなります。丈夫で飼いやすくヤッコやスズメダイなどと混泳できますが、甲殻類とは一緒に飼育できません。

標準和名 モンツキベラ
学名 Bodianus dictynna Gomon, 2006
英名 Redfin hogfish
分類 条鰭綱・スズキ目・ベラ亜目・ベラ科・タキベラ亜科・タキベラ属
全長 20cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドなど
温度 25℃前後
水槽 60cm~
混泳 性格はきつめ、混泳は要注意
サンゴとの飼育

モンツキベラってどんな魚?

モンツキベラはタキベラ亜科・タキベラ属のベラです。タキベラ属の中には以前ご紹介したフタホシキツネベラなどもいますが、このモンツキベラはフタホシキツネベラよりも若干大きくなり、全長20cmほどになります。タキベラ属のベラにはタキベラなど全長50cmを超える大型個体もおり、その中ではやや小型の種といえます。

▲腹鰭と臀鰭に黒色斑があるのが特徴

体は赤みを帯びた色彩で、腹鰭や臀鰭に黒色斑があり、背中には白っぽい斑点が数個あります。幼魚は暗色の体に白い点が多数あり、腹鰭や臀鰭のほか背鰭にも暗色斑があるのが特徴です。また、幼魚はスジキツネベラやアカホシキツネベラなどの種に似ていますが、腹鰭に大きな黒色斑があることや、体側に多数の白色斑があることにより見分けられます。なお、本種は雌雄での色彩の変化は少ないと言えます。

近縁種

かつてモンツキベラの学名はBodianus dianaの学名があてられていましたが、B. dianaはインド洋と紅海にのみ分布するとされ、太平洋のものは新種記載されました。この2種腹鰭や臀鰭の模様が違うので見分けられます。なお、これら2種類がわけられたのは2006年のことで、それ以前の書籍や文献ではインド洋や紅海のものも太平洋のものもB. dianaの学名が使用されているので注意が必要です。

このほか中央太平洋にはロングノーズホグフィッシュBodianus prognathusというのもいます。この種はモンツキベラに似ていますが吻の部分がかなり長く伸びているのが特徴ですので、間違えにくいといえます。

モンツキベラに適した飼育環境

水槽

60cm水槽で飼育できないこともないのですが、フタホシキツネベラよりも大きくなり、遊泳性が強い魚ですのでできれば90~120cm水槽での飼育をおすすめします。モンツキベラは性格がやや強めですので、混泳を考えるなら大きな水槽が必要になります。

水質とろ過システム

やや大きくなり、大きめの水槽で飼育したい魚ですので、小型水槽向けのものが多い外掛けろ過槽は候補にはなりません。外部ろ過槽は「パワーフィルター」と呼ばれる割にはパワーもあまりなく、モンツキベラのようなやや大きく育ち、排せつ物が多い魚の飼育には適さない面もあります。オーバーフロー水槽で飼育するか、上部ろ過槽を使用するのがおすすめです。外部ろ過槽だけで飼育すると酸欠に陥りやすいのでできれば避け、上部フィルター、もしくはプロテインスキマーと併用して使用しましょう。

サンゴには無害ですので、ベルリンシステムなどで飼育することもできます。ただしよく泳ぎまわり餌もよく食べることを考えると大きめの水槽と強めのプロテインスキマーが必要になります。

水温

基本的に熱帯のサンゴ礁に生息する魚です。25℃前後が適温でしょう。それよりも低い22℃前後でもよいですが、水温が激しく上下するようではいけません。クーラーとヒーターを用いて水温を一定に保つ必要があります。

ライブロックとサンゴ岩

▲岩の隙間で眠るモンツキベラ

モンツキベラは夜間岩陰などで眠るため、コガネキュウセンやライムラスなどのキュウセン類とは異なり飼育に砂は必要ありません。しかしモンツキベラの寝床となるライブロックやサンゴ岩は必要になりますので入れてあげましょう。

フタ

ニシキベラほどではないですがよく泳ぎますので勢い余って飛び出してしまわないように注意が必要です。フタはきちんとしましょう。

モンツキベラに適した餌

動物食性が強く、生のエビやクリル(乾燥オキアミ)などを好んで食べます。しかし、早いうちから配合飼料を食べる個体が多く飼育は楽といえます。どうしても餌を食べない時は冷凍のホワイトシュリンプなどを食べさせますが、冷凍餌は水を汚しやすいので注意が必要です。

モンツキベラを水槽にお迎えする

手網や釣りを用いた方法で採集することもできないわけではないのですが、観賞魚店で購入するのがベストでしょう。

モンツキベラは丈夫な魚で、浅いサンゴ礁に生息しているためフタホシキツネベラとは異なり減圧の影響を受けにくいと思われます。極めて珍しいものではありませんが、入荷量は決して多くなく、見つけてすぐ購入したくなるものの入荷直後の個体はできるだけ避けたほうがよいでしょう。また、体表や鰭に赤いただれがあるものや、吻端に傷がついているもの、泳ぐことなく岩陰でじっとしているもの(ただし夜間は岩陰でじっとしていることが多い)は選んではいけません。丈夫で飼育しやすく病気にもなりにくい魚ですが、購入したときから白い点がついているようなものは避けましょう。

我が家で飼育していた個体はサヨリ針に餌のオキアミをつけて、防波堤から魚を見ながら釣ったものです。釣り採集により入手した個体では口以外に傷がつきにくく、口の傷も少し飼育していたらすぐ癒えるのでおすすめですが、針をのみこんでしまったような個体は飼育することはできません。

モンツキベラと他の生物との関係

ほかの魚との混泳

▲狭い水槽では単独飼育がよい

タキベラ亜科の魚はどの種も気が強めですので、混泳は注意が必要です。小型のハゼの仲間やハタタテハゼなどの遊泳性ハゼ、ハナダイの小型種など温和な魚との混泳はできれば避けたいところです。大きめのヤッコの仲間やクマノミ、スズメダイ、ナンヨウハギなどの魚にとってはよいタンクメイトになるでしょうが、できれば後から追加でいれることをおすすめします。

なお、写真の下の方にヨウジウオ科のイシヨウジが写っていますが、ヨウジウオは温和であるだけでなく、餌にもやや難ありでガツガツ餌を食べるモンツキベラとの混泳には不向きですので注意しましょう。また同種同士や近縁のフタホシキツネベラなどとの混泳も避けるようにします。これは同種同士では激しく争うことがあるからです。

サンゴ・無脊椎動物との相性

甲殻類は捕食してしまうので混泳はやめるべきです。アカシマシラヒゲエビなどのクリーナーも襲って食べてしまうことがあります。逆にイセエビや大型のヤドカリなどは本種を襲撃するおそれがあるので注意が必要です。一方サンゴに関しては概ね無害ですので、一緒に飼育することができます。浅場から水深30mくらいまでみられる種類ですので、どんなサンゴにも合います。ただし、モンツキベラを入れてしまうとサンゴ水槽向けの温和な魚(ハナダイなど)は入れられなくなります。

モンツキベラまとめ

  • フタホシキツネベラに似ているがやや大きくなる
  • 90cm以上の水槽で飼育したい
  • オーバーフロー水槽か上部ろ過がベスト
  • サンゴ飼育のためのベルリン水槽でも飼育できる
  • 水温は22~25℃前後が適温。水温が安定していることが重要
  • 隠れ家となるサンゴ岩やライブロックを入れる
  • フタはしっかりする
  • 甲殻類を主に食うが水槽内では配合飼料もよく食べる
  • 入荷直後のもの、鰭や体表、口にただれや傷があるもの、白点病などのものは購入しない
  • 性格はきつめ、温和な魚や同種同士の混泳は避ける
  • 甲殻類は捕食してしまうため混泳させられない
  • 大型のイセエビなどには逆に襲われることもある
  • サンゴには無害

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