ハナゴンベの飼育方法~ゴンベと名があるがハナダイの仲間で混泳には注意が必要

ハナゴンベは名前に「ゴンベ」とついていますが、ハタ科・ハナダイ亜科の魚です。性格がきつめなゴンベの仲間とはことなりおとなしい性格の魚で、繊細な色彩や斑紋から、アクアリストに人気の魚です。ただしハナダイの仲間はスズメダイやクマノミなどと比べると、やや水質悪化に弱いところがありますので注意が必要です。できるだけ水のきれいなサンゴ水槽での飼育がおすすめです。

標準和名 ハナゴンベ
学名 Serranocirrhitus latus Watanabe, 1949
英名 Hawkfish anthias
分類 条鰭綱・スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・ハナゴンベ属
全長 10cm
飼育難易度 ★★☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドなど
温度 23℃前後
水槽 60cm~
混泳 性格がきつい魚や同種同士の混泳は避ける
サンゴとの飼育

ハナゴンベってどんな魚?

▲ハナゴンベ

ハナゴンベは静岡県、伊豆諸島以南の太平洋岸から西太平洋に分布する全長8cmほどの小型種です。体は丸みを帯び、色彩ピンク色で鱗に黄色い斑点がありとても美しい魚です。また、眼の後方に2つの黄色線が入るのも特徴です。やや深い海にすみ、水深9~70mほどの場所で見ることができます。

ハナゴンベは何の仲間?

▲ゴンベ科のサラサゴンベ

ハナゴンベは名前に「ゴンベ」とありますが、ゴンベ科ではなく、スズキ目ハタ科の魚です。実際に従来ゴンベ科に含まれていたことがあるのですが、現在ではハタ科のものとされています。英名もHawkfish anthiasといい、Hawkfishはゴンベ、Antiasはハナダイのことです。なお、本種が含まれるハナゴンベ属はハナゴンベのみの1属1種です。

ハナゴンベに適した飼育環境

水槽

小型水槽で飼育しているベテランもいますが、やや水質悪化に弱めなので、ハナゴンベを初めて飼育するのであれば60cm以上の水槽が適しています。予算と置き場所があればオーバーフロー水槽での飼育がベストといえます(後述)。またクーラーも必須になりますので、そのような意味でも設備を拡張しやすいオーバーフロー水槽が最適といえるでしょう。

水質とろ過システム

ハナダイの仲間はスズメダイやハゼなどの丈夫な魚と比べると、やや水質悪化に弱い面があるため、ろ過システムはしっかりしたものを選ぶようにしましょう。外部ろ過槽や外掛けろ過槽はパワーが足りず、ハナゴンベの飼育には適していません。少なくとも上部ろ過槽は必要になってきます。

おすすめはオーバーフロー水槽での飼育です。オーバーフロー水槽のサンプ(水溜め)でろ過を行うようにすればほかのろ過槽よりも高いろ過能力を得られます。またハナゴンベはサンゴ水槽での飼育もおすすめでベルリンシステムなどのナチュラルシステムや、ゼオビットなどでの飼育も可能ですが、これらのシステムはサンゴをメインとした飼育システムであり、魚を多く飼育できるシステムではないので注意が必要です。

水温と病気予防

やや深い場所に生息することを考えると、水温は一般的な魚よりも低めの23℃くらいで飼育するのが理想といえます。また23℃のほうが25℃前後で飼育するよりも水の劣化はしにくいといえます。病気の予防については殺菌灯が有効ですが、殺菌灯を使用するよりも水温を維持して病気を予防することのほうがずっと重要です。また殺菌灯をつけると水温の上昇をまねくことがあるため、クーラーも大容量のものが必要になります。

隠れ家

水槽に入れてすぐのときは臆病な性格をしているため、ライブロックやサンゴ岩を複雑に組み合わせてハナゴンベの隠れ家を作るようにしましょう。洞窟のような場所を作ってあげると自然の海を再現できるのでおすすめです。

ハナゴンベに適した餌

▲飼育中のハナゴンベに与えている配合飼料

海ではほかのハナダイ同様に動物プランクトンや微小な動物を食べています。配合飼料はよく食べてくれますが、なかなか食べてくれない個体もいるようで、そのような個体には冷凍のコペポーダやホワイトシュリンプなどからスタートするようにしたほうがよいかもしれません。強い魚がいて怯えているようなときは、その強い魚を隔離してしまうのも有効な方法です。

ハナゴンベをお迎えする

ハナゴンベは人気の高い海水魚で、お値段は他の海水魚よりは高めです。産地は沖縄、マニラ、フィジーなど西-中央太平洋です。状態のよさ(比較的丁寧な扱い・輸送時間の短さ)から沖縄のものが人気ですがマニラ産の個体よりも概ね高価といえます。

購入するときは減圧症に注意します。ゆったり泳いでいるものを購入するようにし、頭を常に下に向けている、おかしな泳ぎをしている、眼などが出ている個体は購入してはいけません。このほか、鰭がぼろぼろ、もしくは赤くただれている、白く濁っているようなもの、口に傷があるものなどは避けます。もちろん、入荷してすぐの個体も購入しないほうがよいでしょう。本種を含め、深場に生息している魚(一部の小型ヤッコ、一部のベラ、ハナダイの仲間)は通販を頼らず信頼できる観賞魚店で購入するのが安全です。お店に長い間いて、餌をよく食べている個体がおすすめです。ただしお店で餌を食べていたからといっても、家庭の水槽で餌を食べる、という保証はありません。

ハナダイ全般にいえることですが、初心者には小さすぎる個体はおすすめできません。これは小さいハナダイの仲間は頻繁に餌を与えなければならず、頻繁に餌を与えると水を汚してしまいやすいからです。ヤッコやチョウチョウウオでは小ぶりのもののほうが配合飼料を食べてくれる可能性が高いのですが、ハナダイの仲間はヤッコやチョウチョウウオと比べると概ねすぐ配合飼料を食べてくれるので(大型のハナゴイやパープルクイーンなどはのぞく)、はじめて飼育するのであれば大きく体力のある個体を選んだほうがよいでしょう。

ハナゴンベとほかの生物との関係

ほかの魚と混泳

生息している場所が似ているイトヒキベラの仲間、スミレヤッコや、小ぶりのハナスズキやロイヤルグランマなどのバスレットの仲間との混泳は向いているでしょう。似た名前のゴンベ科の魚は結構気が強いので混泳は避けた方がよいでしょう。このほか大型のスズメダイ、大型ヤッコ、きつめのタキベラ類、メギスなども同様に気が強いので混泳は避けます。もちろんハタやカサゴ、大きなバスレットの類など魚食性が強い魚と組み合わせるのもいけません。

ハナゴンベは温和な性格をしていますが、同種同士では争うこともありますのでペア以外の個体を同じ水槽で飼育するのはやめた方がよいでしょう。とくに小型水槽では要注意です。

サンゴ・無脊椎動物との関係

ハナゴンベをはじめとするハナダイの仲間はサンゴにはいたずらしないので、どんなサンゴとの組み合わせもできます。おすすめは生息場所がかぶるLPSやトサカ類、深場ミドリイシなどのサンゴですが、浅場ミドリイシと組み合わせているアクアリストも多いです。ただしイソギンチャクやウチウラタコアシサンゴなど捕食性の強い生物はなるべく避けるべきでしょう。餌になってしまうおそれがあります。

甲殻類は小型のもの(スカンクなどのクリーナーシュリンプや小型のヤドカリ、小型のカニ)であれば概ね大丈夫ですが、オトヒメエビなど大きなハサミをもつものは小魚を襲うので注意が必要です。もちろん大型のカニ、大型のヤドカリ、イセエビなどとは飼育しないようにします。

ハナゴンベの飼育まとめ

  • 「ゴンベ」という名前があるが実はハナダイの仲間
  • できるだけ60cm以上の水槽で飼育したい
  • 水質悪化にやや弱いところがある。しっかりしたろ過槽が必要
  • 23℃前後での飼育がおすすめ。水温が安定していることも重要
  • 殺菌灯は水温を上昇させることもあるため要注意
  • できれば隠れ家も作ってやりたい
  • 配合飼料は食べるがなかなか食べないときは冷凍餌を与える
  • 沖縄の個体はやや高価だが状態がよいことが多い
  • 減圧症には注意が必要
  • 体表や鰭にただれや傷などがあるもの、入荷してすぐのものは避ける
  • 性格がきつい魚や同種同士の混泳は避ける
  • サンゴ水槽での飼育も楽しめるが、イソギンチャクとの飼育はできるだけ避けたい
  • 大型になる甲殻類とは組み合わせないようにする

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