カクレクマノミと混泳できない・一緒に飼育しにくい海水魚 | 海水魚ラボ

カクレクマノミと混泳できない・一緒に飼育しにくい海水魚

海水魚の中には、さまざまな理由でカクレクマノミと飼育しにくいものがいます。マグロの仲間や遊泳性の強いサメの仲間など、巨大な回遊魚はクマノミと飼育するのが困難であるどころか、家庭の水槽で飼育すること自体に無理があります。

また北の海にすむタラやホッケといった魚も水温の関係上クマノミと飼うのは無理というものですが、ここでは一般的な観賞魚、海水魚専門店で手に入る、初心者がカクレクマノミと一緒に飼育することが難しい魚をご紹介します。

カクレクマノミと飼育しにくいワケ

北の海にすむ魚は、カクレクマノミと一緒に飼育することはできません。写真はホッケ。

その理由は大きく5つにわけられます。

①カクレクマノミより性格が強すぎる又は弱すぎる

カクレクマノミは強めの性格の魚ですが、スズメダイの大きなものやモンガラカワハギなど非常に性格が強い魚はカクレクマノミを攻撃してしまいます。

逆にカクレクマノミと比べて温和すぎるハナゴイの仲間やある種の遊泳性ハゼなどもカクレクマノミとの混泳が難しいと言えます。

②カクレクマノミを餌にしてしまう恐れがある魚

スズメダイの仲間であるカクレクマノミは大きくても体長7~8cm位。スズメダイの仲間はいつも大型魚に狙われています。クマノミの場合「イソギンチャク」という素晴らしい隠れ家があるのですが、そこから離れたら食べられてしまうでしょう。

観賞魚として人気があるものではミノカサゴやカエルアンコウ、ウツボの仲間などは他の魚を捕食してしまう恐れがあります。

③水温などの関係でカクレクマノミと一緒に飼うのが難しい魚

北の冷たい海に生息するホッケなどとカクレクマノミを一緒に飼おうと考えている方はあまりいないでしょうが、例えば関東界隈の磯で採集した魚をカクレクマノミと一緒に飼おうと考えているアクアリストもいます。

そのような魚はカクレクマノミよりも低い水温を好み、カクレクマノミと一緒に飼育することは難しいといえます。温帯性の魚は大体20℃くらいまで、カクレクマノミは大体23~26℃くらい、理想は25℃で飼育したいものです。

④死亡する又は危険が迫ると毒をだす魚

危険が迫ると皮膚から毒を出す魚もいます。

代表的なものでいえばフグの仲間、ハコフグの仲間、ヌノサラシ、キハッソク、アゴハタ、キイロサンゴハゼ、コバンハゼの仲間、ミサキウバウオなどです。このような魚が狭い水槽の中で毒を出しますと他の魚を殺してしまうことがあります。

⑤そもそも初心者が飼育することが難しい魚

「①」や「②」の条件と被ってしまうものもありますが、初心者が飼育するのが難しい魚もいます。病気になりやすいチョウチョウウオの仲間、プランクトンを吸い込むヨウジウオの仲間、他のどんな魚とも飼育しにくいモンガラカワハギの仲間など…。

このような魚は初心者向けとは言えず、カクレクマノミと一緒に飼育する以前の問題ともいえます。

海水魚専門店ではさまざまな魚が販売されていますが、その中には、一般のアクアリストには最後まで飼育できるとは思えないような魚が販売され...

初心者向きではない魚はカクレクマノミと相性が悪いものが多い

スズメダイの仲間

1つの水槽に入れるクマノミの仲間は出来るだけ1種類にとどめましょう。

ちなみに我が家では一般的にカクレクマノミよりも性格が「強い」と言われているブラックオセラリスと一緒に飼育していますが、カクレクマノミの方がブラックオセラリスをイジメています。

実際のところ「入れてみないと分からない」ことも多く、混泳はアクアリストにとって頭を抱える問題です。

クロスズメダイの幼魚は黄色と白が綺麗でかわいいが、大きいものは黒くなってしまいます。また性格もきつい傾向にあります。

カクレクマノミとおなじスズメダイ科の魚は綺麗なものも多いのですが、性格がきついものも多く、混泳には注意が必要です。

また、ヒレナガスズメダイや、クロスズメダイ、ミヤコキセンスズメダイなどの種類は、幼魚は美しい色彩なのですが、成長すると地味な色で、性格もかなり強くなります。同じクマノミの仲間も争うので注意が必要です。とくにハマクマノミなどはかなり性格が強いので気を付けなければなりません。

強烈な日光が照りつける亜熱帯の海。潮溜まりを覗くとたくさんの青い宝石のような小魚がタイドプールで泳いでいる様子を見ることができます。...

スパインチーク アネモネフィッシュ

通称マロンとも呼ばれるクマノミの仲間です。他の多くのクマノミの仲間(クマノミ属)とは眼の下方に大きな棘があるので見分けられます。この種類はクマノミよりもかなり好戦的といっていい性格をしていて、気が強くほかの魚とは一緒に飼育しにくいものです。ただし単独で飼うなら、他の海水魚とくらべて、難しいことは少ないでしょう。

気が強すぎてもてあましてしまうケースもあります。この種類はフィリピンなどの暖かい海に生息し、日本にはいません。しかし伊豆や三重で本種が採集されたことがあります。これらはいずれも無責任なアクアリストが飼育した個体を遺棄したものであるということが明らかです。一度飼育した魚は絶対に海に戻してはいけません。

詳しくは以下で解説しています。難易度が高い魚や海水魚店でも持て余しがちな魚については初心者は控えましょう。

海水魚専門店ではさまざまな魚が販売されていますが、その中には、一般のアクアリストには最後まで飼育できるとは思えないような魚が販売され...

ヨウジウオ・タツノオトシゴ

▲ヨウジウオ科のイシヨウジ。口が小さく大きな餌は食べられない。

▲タツノオトシゴもヨウジウオの仲間。いつかは飼育したい魚のひとつといえる。

ヨウジウオの仲間は上記のスパインチーク アネモネフィッシュとは正反対とも言える温和な性格をしてカクレクマノミに対してちょっかいをかけることなどもありません。動物プランクトンを食する魚で、細い口でプランクトンをすいこむようにして食べます。このような魚は同じように温和なプランクトンを食べる魚と一緒に飼育するのに適していますが、初心者には難しいかもしれません。

「混泳による問題」というより、「難易度の高さ」で挙げさせていただきました。

ヨウジウオの仲間は動物プランクトンを捕食します。ブラインシュリンプを水槽で育てて、与えるというのもよいでしょう。

フグ・ハコフグ・ヌノサラシなど

ハコフグは餌を食べるスピードが遅く、危険が迫ると毒を出します。

サザナミフグも皮膚から毒を出します。内臓にも毒を持っています。

ヌノサラシの皮膚毒で海面が泡立ち、飼っていたアデヤッコなどを失った人も多いと聞きます。

ベニサシコバンハゼ(と思われる)。赤いラインが特徴的な可愛い魚ですが、この魚が亡くなってしまった際に毒を出しました。

先程のベニサシコバンハゼに「道連れ」にされてしまったヒメオニハゼです。

フグやハコフグも人気の魚ですが、初心者にはあまり向いていません。ハコフグは餌を食べるスピードが遅く、硬い鱗に覆われていて、痩せても気が付きにくいのです。最初のうちは単独種飼育が向いているでしょう。

またフグやハコフグなどは危険が迫ると皮膚から毒を出すことが知られています。狭い容器にハコフグと他の魚を一緒にしていたところハコフグが毒をだして容器に入れた他の魚が全滅したなんていうことを経験したアクアリストもいるのです。

同じようにハタ科のキハッソク、ヌノサラシ、観賞魚として人気があるキイロサンゴハゼや、アカテンコバンハゼなどのコバンハゼの仲間、あまり観賞魚として流通することはありませんが、ウバウオの仲間なども皮膚から毒を出すことがあるので注意が必要です。もし毒がでたら毒を出した魚を隔離して全部の水を換える必要があります。

チョウチョウウオの仲間

チョウチョウウオの飼育には食性とパワーバランス、両方の理解が大事。

シラコダイはチョウチョウウオとしては温帯域にすむ種。高水温に注意しましょう。

チョウチョウウオの仲間はクマノミや小型ヤッコと並ぶ熱帯性海水魚のスターといえるような魚なのですが、チョウチョウウオの仲間は病気に罹りやすく、はじめての海水魚飼育に適している魚とはいえません。

さらにチョウチョウウオはサンゴ食性が強く、サンゴは食べられてしまうことも多いので注意しなければいけません。チョウチョウウオの仲間は世界で130種近くもいますが、このむ餌や性格、生息している環境は種類ごとに全く違います。それらを理解していないと長生きさせることは難しいのです。

ニザダイの仲間

映画でおなじみ「ドリー」ことナンヨウハギですが、ニザダイ科の魚は白点病などの病気に罹りやすいこと、性格が強いことがあること、かなり大きくなること、尾に強い棘をもち、取扱いに注意する必要があることなどから、初心者が60cm位の水槽で飼うのにはあまり向いていません。

1年で2~3倍近い大きさに成長し、最終的に20~30cmほどになります。カクレクマノミと同じくらいの大きさというのは、最初の半年くらいだけなのです。

また水量についてもろ過装置を含め、最低でも10リットルlは欲しいところです。この仲間を上手く飼育するにはきれいな水と多くの水量を確保できる水槽、植物質を中心とした配合飼料などを与えること、殺菌灯の設置、などが有効です。

ツノダシ

ツノダシは「これぞサンゴ礁の魚」という姿が特徴的で、映画にも登場する人気の魚ですが、意外にも飼育が難しい魚です。

食性は雑食性ですが、ニザダイの仲間や、アイゴの仲間と近縁とされており、藻類なども食べますので、藻類を含んだ餌なども与えたほうがよいかもしれません。またチョウチョウウオなどと同様にサンゴの種類によっては食べてしまう恐れがありますので注意が必要です。

特徴的な背鰭は小型水槽であったり、他の魚が多量に入っているような状態だと擦れたりつつかれたりして短くなったりするようなこともあります。大きめの水槽で飼いたい魚です。エンジェリクサーはツノダシの飼育にも効果を発揮します。

ハナゴイ

ハタ科の魚と言えば大食いで飼いやすいものと思いがちですが、そのなかのハナダイの仲間はやや難しいものがいます。キンギョハナダイケラマハナダイは丈夫で飼いやすいですが、ハナゴイやエバンスアンティアスなどのハナゴイの仲間は紫色が美しいのですが、この仲間は食が細く臆病で初心者には向いていません。

自然下ではこれらの魚は群れで見られ、飼育下でも数匹まとめて入れておくと良いです。大きいものは餌付きにくく、逆に小さいものは1日に何度も餌をあげる必要があり、なかなか長期飼育が難しい魚です。冷凍餌などを使用し餌付けるとよいでしょう。

カエルアンコウ・カサゴ・ウツボなど

ミノカサゴの仲間も観賞魚として人気があり、ひらひらした長い鰭が美しいですが、カクレクマノミとは飼いにくい魚です。

鋭い歯をもつウツボの仲間も実際はそれほど恐ろしい魚ではありませんが、小魚は食べられる恐れがあります。

これらの魚は魚食性の魚で、その大きな口で小魚を食べてしまうのです。さらにミノカサゴは、鰭の棘に注意する必要があります。この鰭の棘には毒があり、この棘に刺されるとかなり痛みます。これらの魚は多数の魚と飼育するより、単独または同じ仲間とだけ飼育するべきでしょう。

ウツボは「海のギャング」などとマスコミで取り上げられていますが本来はそれほど恐ろしいわけではありません。しかしやはり肉食性の魚なので口に入る魚を捕食しています。ですから小さなクマノミの仲間との飼育には向いていません。

標準和名:クモウツボ 学名:Echidna nebulosa (Ahl, 1789) 分類:ウナギ目・ウツボ科・ウツボ亜科・アラ...

モンガラカワハギの仲間

サンゴ礁の海や水族館でおなじみのモンガラカワハギの仲間ですが、これらを家庭でカクレクマノミと飼育するのは困難です。

飼育自体は何も難しいことはないのですが、鋭い歯をもっていて他の魚を食べてしまうことがあります。また人間が咬まれてもけがをする恐れがあり注意しなければなりません。そして尾部にある棘も凶器と言えます。網で掬うようにしましょう。単独種飼育が理想です。

採集してきた魚・深海性の魚

▲磯で採集した魚をカクレクマノミと一緒に飼育できるかどうか。種類にもよるが…

▲メジナの仲間は大きくなると気が強くなるので注意が必要。

▲カジカの仲間は温帯性の魚で可愛らしい。しかし高水温に弱い。

磯で採集してきた魚を水槽で飼育するのも楽しいですが、カクレクマノミといっしょに飼育するのに注意が必要になる種もいます。メジナの仲間は本州の磯ならどこにでもいるといっても良いような魚で、つかまえたくなるものですが、成長は早く大きくなり、性格も強くなるので注意が必要です。

温帯の磯にはキヌバリやコモンイトギンポ、サラサカジカなど綺麗で面白い魚も多いのですが、このような魚は高水温が苦手です。また最近はやや深海性の魚も販売されていますが、やはり水温の問題で、カクレクマノミなどのサンゴ礁の魚と飼育するのは困難といえます。

経験を積んでチャレンジ!

これらの魚はいずれもアクアリストに人気の海水魚です。

特にチョウチョウウオやハコフグ、ミノカサゴといえばマリンアクアリウムのスターと言っていい存在。ここで挙げたような魚を飼いたいと思っていても、まずはカクレクマノミやハゼの仲間など丈夫な魚を飼育してみて、飼い方の基礎を学ぶようにすれば、きっと上にあげたような魚も上手く飼うことができるでしょう。

海水魚飼育ではクマノミだけでなく他の魚もクマノミと一緒に飼いたいものです。しかしカクレクマノミと一緒に飼育することが出来る魚と、そうでない魚...
無脊椎動物とは、一般的に背骨を持たない動物のことを言います。陸上では昆虫やクモといった節足動物の仲間、カタツムリやナメクジ等の軟体動物などが...

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます