シマギンポの飼育方法~ヤエヤマギンポに似てコケもよく食べる

シマギンポは、一見ダイエットに成功したヤエヤマギンポのように見えます。しかし、胸鰭基部の大きく目立つ斑紋や、体側の細長い白色斑、まつ毛のような皮弁を欠く、といったヤエヤマギンポと異なる特徴がいくつかあります。シマギンポもヤエヤマギンポ同様コケをよく食べてくれます。

標準和名 シマギンポ
学名 Salarias luctuosus Whitley, 1929
分類 スズキ目・ギンポ亜目・イソギンポ科・カエルウオ族・ヤエヤマギンポ属
全長 7cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 海藻70メガバイトグリーン
温度 23~27度(25℃前後)
水槽 45cm以上
混泳 多くの魚と飼育できる
サンゴ飼育

 

シマギンポって、どんな魚?

シマギンポは、イソギンポ科・カエルウオ族・ヤエヤマギンポ属の魚です。この属の仲間はインド-太平洋のサンゴ礁域に生息し、日本には本種を含め3種が知られています。

ヤエヤマギンポとの違い

▲シマギンポ

▲ヤエヤマギンポ

シマギンポは「コケ取り」として水槽に入れられることが多い、ヤエヤマギンポと同属の魚です。見た目はダイエットに成功したヤエヤマギンポのように見えますが、細かいところが異なっています。

シマギンポは胸鰭基部(青い矢印)付近に大きく明瞭な白色斑がひとつありますが、ヤエヤマギンポでは小ぶりのものが二つあります。また、腹部の白色斑は細長く(赤い矢印)、丸みを帯びたヤエヤマギンポと区別できるようです。

頭部正中線上には正中線皮弁がありますが、この種の場合、幼魚・成魚問わず皮弁が存在するようです。逆にヤエヤマギンポでは雌雄ともにこの正中線皮弁を欠き、この特徴でも区別できます。ただ、ヤエヤマギンポでは眼上・項部の皮弁が分岐して「まつげ」のようになりますが、シマギンポではそうはなりません。またヤエヤマギンポは全長15cmほどにまで育つのに対し、シマギンポは小型種で全長7cmほどです。

コケは食べてくれる?

▲水槽のガラス面のコケを食べるシマギンポ

シマギンポはヤエヤマギンポに近い仲間で、水槽のガラス、壁面、ライブロックなどにつくコケなどを食べてくれます。ただ、コケだけでは長生きしてくれませんので、藻類食性の魚用のフードもちゃんと与えたいものです。

シマギンポに適した飼育環境

水槽

成魚でも全長7cmほどと、ヤエヤマギンポよりも小型の種ですので小型水槽でも飼育できますが、安定して飼育するのであれば45cm水槽が欲しいところです。おすすめは60cm水槽です。もちろん、もっと大きな水槽ではより安定して飼育することができます。

水質とろ過システム

やや汚い水でも飼育できますが、できるだけ綺麗な水で飼育してあげましょう。60cm水槽であれば上部ろ過槽、もしくは上部ろ過槽と外部ろ過槽の組み合わせが、それよりも小さな水槽では外掛けろ過槽と外部ろ過槽の併用がおすすめです。ただ外掛けろ過槽の隙間から飛び出してしまうこともあるので(後述)オーバーフロー水槽での飼育もおすすめですが、驚くと飛び出してしまうこともあります。オーバーフロー水槽ではフロー管からサンプへ落ちないよう、フロー管に小さなフタを置いておいておくとよいでしょう。

水温

水温は25℃前後をキープするとうまく飼育できるでしょう。もちろん水温の変動が大きいと丈夫なシマギンポでも病気になってしまうおそれがあるので、一定に保つことが重要です。

フタ

シマギンポは浅い潮溜まりでは少ないのですが、何かに驚くとジャンプして水槽から飛び出すことがあります。フタはしっかりしておきましょう。

シマギンポに適した餌

▲「海藻70」などを与えるのがおすすめ

先ほども述べたように、シマギンポはコケをよく食べてくれるのですが、コケだけでは満足に飼育することはできません。必ず植物食性魚類用の配合飼料をあげなければなりません。具体的には「海藻70」や「メガバイト グリーン」などの餌で、フレークよりも小さな粒状の餌のほうがカエルウオの仲間が食べやすく、よいようです。なお、海藻をそのままフレークにしたような餌はカエルウオの仲間にはあまり適していないようです。

シマギンポをお迎えする

採集する

▲奄美諸島の潮溜まり。シマギンポやヤエヤマギンポなども見られる

ヤエヤマギンポは琉球列島以南にすみ、本州~九州の海では採集できません(三重県での採集例もあるようですが…)。シマギンポは八丈島や和歌山県以南の太平洋岸、長崎、熊本の磯で採集でき、分布は琉球列島にまで及びます。現在のところ日本固有種とされ、海外では確認されていないようですが、長崎県や熊本県、琉球列島に分布しており、台湾や朝鮮半島、済州島あたりで採集されるかもしれません。

九州以北では潮溜まりにも生息していますが、干潮時でも1m近くの水深があるような場所でないとあまり見られないようで、浅い潮溜まりでは見たことがありませんでした。一方奄美大島や沖縄では浅い礁湖の中にも見られました。

購入する

シマギンポは購入することもできます。沖縄産海水魚に強い店舗で販売されていることもあります。海外からシマギンポと呼ばれるものが来ることがありますが、それはSalarias guttatusなど、別種の可能性があります。このようなのを探すのも面白いでしょう。ただし、着状態が悪いものもあり衝動買いしないように注意します。

購入するときは、背鰭や体表に傷やただれがあるもの、口などに傷があるもの、白い大粒の点(模様と明らかに違う)が体についているもの、腹部がくぼんで背肉が落ちてやせているもの(回復が難しい)などは購入してはいけません。もちろん海外から輸入されてくる近縁種は状態が悪いこともあるため状態が落ち着いたものを購入した方がよいでしょう。

シマギンポとほかの生物との関係

ほかのカエルウオとの関係

同じカエルウオの仲間同士は争うことがあるので、小さな水槽では一緒に飼育しないようにしたいところではありますが、広い水槽で、隠れ家が豊富であれば混泳もできます。ただし小さな水槽では確実に激しく争うので最低でも60cm、できれば90cm以上の水槽が必要でしょう。

ほかの魚との混泳

ほかの魚とは概ね協調性があります。カクレクマノミや小型ヤッコ、大人しいハゼ、テンジクダイ、小型のスズメダイなど多くの魚と組み合わせられますが、気が強く大型になるタイプのスズメダイやメギスの仲間などとの組み合わせは避けます。また細長い体で肉食性の魚に食べられてしまうことがありますので、大型バスレットやハタ、カサゴなどと混泳してはいけません。

サンゴ・無脊椎動物との関係

シマギンポはサンゴには無害ですので、ソフトコーラル、ハードコーラル問わず、さまざまなサンゴとの組み合わせを楽しむことができます。ただしイソギンチャクや極めて大型のLPSとの飼育ではシマギンポが捕食されてしまうおそれもあるので、避けた方がよいでしょう。

甲殻類は大きいものはシマギンポを捕食する可能性がありますのでやめましょう。小型のサンゴヤドカリや、クリーナーシュリンプなどであれば問題ありませんが、オトヒメエビはシマギンポを襲うことがありますのでやめたほうがよいかもしれません。

シマギンポ飼育まとめ

  • ヤエヤマギンポを細長くしたような姿で全長も7cmほど
  • 45cm以上の水槽で飼育したい
  • 上部ろ過槽の使用がおすすめ
  • オーバーフロー水槽で飼育するときサンプに落下しないよう注意
  • フタもしっかりする
  • コケだけで飼おうとせず、藻食魚フードもちゃんと与える
  • 入荷直後は状態に注意
  • ほかのカエルウオとは争うおそれあり
  • サンゴには無害、イソギンチャクには捕食されることも
  • 小型の甲殻類との相性はよい

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