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2020.10.07 (公開 2020.10.06) メンテナンス

海水魚飼育における塩だれ対策~放置しておくとショートの危険も!

海水水槽で魚やサンゴなどを飼育していると、水槽のガラス面に白い線がついていることがあります。

これが塩だれと呼ばれるものです。なんらかの理由で海水がはねたりした結果起こるもので、放置しておくと、塩がガチガチに固まってしまいます。そうなると水槽周辺の美観を損ねることになるほか、金属をさびつかせたり、最悪の場合はコンセントがショートしてしまうこともあります。今回は海水魚飼育の天敵「塩だれ」とその対策についてご紹介します。

塩だれが発生する理由

▲水槽から落ちてきた水滴が塩だれになりつつある

塩だれが起きる大きな理由は水のはねです。海水がはねて水槽壁面をつたうと、やがて水が蒸発して塩が残ります。これが塩だれです。ろ過槽の種類によって、特に外掛けろ過槽の周りは水がはねやすく、そこから大きな塩だれができている、なんていうこともあります。もちろんこれはオーバーフローシステムや上部ろ過槽など、別のろ過槽を使用しても起こる可能性があります。水のはねはろ過槽だけでなく、魚が暴れることでも起こることがあります。小さなカクレクマノミはそれほどでもないのですが、大きな魚、例えば大型ヤッコなどは餌を食べるとき水しぶきをあげることがあります。それで水槽中の水がはねて、塩だれがおこることもあります。

また海水魚水槽は淡水水槽とくらべて酸欠になりやすいところがあり、エアレーションをしているアクアリストも多いのですが、このエアレーションも水のはねが起こりやすく、その結果塩だれが発生しやすくなるので工夫・対策が必要になります。このほかに海水の入った容器などを落っことしたとか、水槽に手を突っ込んで腕から水がたれていたのを放置したとか、オーバーフロー水槽の出水口が上に上がってしまっていた、ということも水はねの原因にあげられます。

塩だれでおこるデメリットと問題

塩だれが発生すると周囲の電気機器に故障などの悪影響を及ぼしたり、金属製品はさびてしまうことがあります。また、コンセントにかかってしまったら最悪の場合、ショートしてしまう危険性もあります。また、この塩だれが発生することにより、水槽やその周辺の美観が大きく損なわれることにもなりますので、できるだけはやいうちに塩だれを取り除いてあげる必要があります。

塩だれ防止策

発生したら拭く

▲塩だれが発生したらすぐにふき取る

塩だれが発生したらできるだけ早いうちにふくようにします。ガラス水槽の場合、タオルや雑巾をぬるま湯または水でしぼってふきます。塩だれが多量に発生し、水分が蒸発して固まってしまうと取り除くのは難しくなってしまうことがあります。水槽台に塩だれが発生するとさびが出てくるだけでなく、最悪の場合腐食してしまうことがあります。かつては水槽や水槽台の表面をコーティングするアイテム「ソルトクリープエルミネーター」がカミハタから出ていたのですが現在は販売終了となってしまったようで、入手することができません。塩だれが出たらしっかり拭き掃除しておくことが重要です。

フタとフランジ

フランジは重要

フタとフランジは重要で、これがある水槽では塩だれの被害を大きく軽減することができるでしょう。実際に我が家の水槽ではフランジが極めて重要なことに気づかされます。フランジがついている水槽はついていない水槽に比べて塩だれが少ないので、塩だれ防止に高い効果があるものと思います。新しく水槽を購入する予定があるのならば、フランジ付きの水槽を購入するようにしましょう。ガラス水槽をオーダーメイドで作ることもできますが、その際には多少高くなってもフランジをつけてもらうことをおすすめします。フランジがついていなければ、水槽の上に木の枠をつけて、その上にフタを置いても、枠の隙間から塩だれが発生した…なんていうこともあるからです。

そしてフランジの上には必ずフタをつけます。フタは水はねの防止に非常に効果的ですが、このほかにも魚の飛び出しや、大きめの魚の水しぶきを防止するなどのメリットもありますので、絶対にフタはつけるべきです。

ろ過槽とエアレーション

▲バブルストッパーを使用した90cmサンゴ水槽

塩だれの発生はろ過槽の種類によることもあります。たとえば外部ろ過槽は静かでパイプの位置によっては塩だれを軽減させることもできます。外掛けろ過槽などのように、どうしても水面でばしゃばしゃやっていると、海水がわずかにはねてしまい、塩だれができてしまうことがあります。しかしながら、外部ろ過槽は静かではあるのですが、酸欠が起こりやすく、ろ過された水が水槽に戻るパイプの位置によっては魚が酸欠を起こして死亡してしまうこともあるため、メリットといいにくいところがあります。バイオラボトットから出ている「バブルストッパー」などを使ったエアレーションも併用するべきかもしれません。バブルストッパーをつかうべき理由としては、普通にエアレーションすると塩だれがおきやすいからです。また、サンゴ水槽でふつうにエアレーションをすると、気泡がサンゴの共肉につくことがありサンゴがストレスを感じることがありますが、バブルストッパーを使えばそのような心配も無用です。

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塩だれまとめ

  • 海水がはねたりしたときに塩だれが発生することがある
  • 外掛けろ過槽などろ過槽の種類によっては塩だれが発生しやすい
  • 大型魚が暴れたり餌に飛びついた際に水が跳ねることも
  • 塩だれで美観を損ねるだけでなく金属製品がさびたり最悪の場合電源がショートしてしまうことも
  • 塩だれが発生したら早めにふき取りたい
  • フランジがあれば水のはねはある程度抑えられる
  • 外掛けろ過槽よりも外部ろ過槽を使用すれば塩だれが発生しにくいが酸欠に注意
  • 外部ろ過槽をつかうならバブルストッパーなどを使用してエアレーションをしたほうがよいかもしれない
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