2020.10.17 (公開 2020.05.15) 水槽・器具
【アクアリウム】オールガラス水槽に「フランジ」が必要な理由
オールガラス水槽やアクリル水槽の内側には「フランジ」というものがついています。一見地味な部分なのですが、この部分には大事な役割があります。水槽をオーダーメイドで作る、もしくは既存の水槽を購入するのであれば、このフランジをオプションで取り付けたり、フランジのある水槽を購入しましょう。フランジはそれほど重要なものなのです。今回はこのフランジの役割をご紹介します。なお、サムネイルの写真は、レッドシーのリーファーナノのものです。
フランジとは
フランジはオールガラス水槽やアクリル水槽の内側にある「出っ張った」部分です。一般的に水槽と同じ素材で製造されます。たとえばガラス製水槽であればガラス、アクリル製水槽であればアクリルのフランジがつきます。またアクリル製の水槽であれば水槽の上面をくり抜きの板にすることもできます。
オールガラス水槽にフランジがあったほうがよい理由
オールガラス水槽を購入するのであればオプション設定であってもフランジがついているものを選ぶのがよいでしょう。アクリル水槽であればフランジがついていることが多いのですが、オールガラス水槽にはフランジがついていないことも多いのです。
塩だれをある程度抑えられる
▲a.m.pの高級オーバーフロー水槽。中古でフランジがないもののため塩だれに悩まされることに
フランジをつけることにより、海水水槽の宿命、ともいえる塩だれを抑えることができます。我が家ではフランジ付きの安いオーバーフロー水槽とフランジのついていない(ショップオリジナル木製フタ受け付き)のa.m.p水槽の二つのオールガラス製オーバーフロー水槽がありますが、やはり塩だれの量はフランジ付きの水槽のほうが少ないです。a.m.pの水槽の場合はフランジはオプションとなっていますが、絶対につけてもらったほうがよいでしょう(筆者がオーダーする時は絶対つけるのですが、この水槽は中古なので…)。
オールガラス水槽でない水槽ではガラス製のフタを使用して水のはねを防ぎますが、上部ろ過槽の水がおちる部分の周辺に隙間があるとその部分に塩だれができてしまうことがあります。しっかりフタをしておきましょう。また水位を高くして水がはねるのを防ぐのも効果的で、上部ろ過槽ならそれでもいいのかもしれませんが外部ろ過槽でこれをやると酸欠で魚が全滅するおそれもあります。
フタをしやすい
▲カエルウオなど飛び出しやすい魚を飼うのならフタが必要
水槽にフタをしやすいというのもフランジのメリットとなります。水槽のフタはいくつかの理由により重要なものです。魚が飛び跳ねたり、脱走したりして死ぬことを防ぐことができます。またフランジと合わせて微細な水しぶきから塩だれが発生することをより効果的に防ぐことができます。
地震の際の水はねを軽減できる
最近多い自然災害といえば「地震」ですが、地震の際の揺れで水槽の水がはねてしまうことがあります。フランジを使用すれば飼育海水が飛び散ることをある程度防ぐことができるのかもしれませんが、完全に防ぐことができるというものでもないので、過信しないほうがよいでしょう。とくにコンセント周りは注意が必要です。
フランジがない水槽の場合
小型水槽であれば後からフランジをつけることができます。アクアリウム用品大手ジェックスから販売されている「アクアフランジ」というのがそれで、オールガラス水槽など、既存のフレームレス水槽に取り付けることができるというもので、これを使用するとオールガラス水槽でも簡単にフタをすることができたり、水の飛び跳ねをある程度軽減することができます。ただしこの商品は30cm用のものと45cm水槽用のものしかないのが欠点です。また後からつける商品なので強度も必ずしも高いわけではないので(PVC製)、過信するのは禁物といえます。それでもフレームレスのものが多いオールガラス水槽では数少ない選択肢になります。
ジェックス アクアフランジを購入するときはガラス厚に注意が必要です。「6‐45」は4~6mm、「10‐45」は8~10mmのガラス厚に対応しますので、それぞれの水槽にあう厚のガラス水槽を選びましょう。
まとめ
- フランジは水槽に必要なもの
- 塩だれの発生をある程度おさえられる
- フタをしやすく魚の飛び出しを防ぐことができる
- 地震の際の水はねを軽減できる
- オールガラス水槽には付属していないことも多いので要注意
- フランジがない水槽ではPVC製フランジを後からつける