アクアリウム水槽に「フタ」が必要な理由

飼育していた魚が飛び出して死んでしまったら悲しいものです。そのような事故を防ぐためには、水槽にフタをしておくのが一番です。フタは魚の飛び出しを防ぐだけでなく、地震の際に水のはねを防いだり、水槽の上に小物を置いたりできるなど重要な役割をします。今回は水槽にフタが必要な理由についてご紹介します。

水槽にフタを置くメリット

魚の飛び出しを防ぐことができる

フタをしておくことで魚が飛び跳ねることを防いでくれます。これがないと飼育が出来ないような魚も多数います(後述)。しかし、ふたをもちあげるための「切り掛け」がフタの隅にあることも多く、そのようなところは、飼育する魚の種類によってはプラ板などで塞いでおく必要があります。

水が跳ねにくい・蒸発を(あるていど)防ぐ

水槽で魚やサンゴを飼育していると、水流が欲しいところです。とくに水流は重要です、波を起こすような強い水流ポンプがSPSには喜ばれますが、水が水槽の上方に跳ねることがあり、そうなると水槽の周辺に塩だれができることがあります。またヒーターなどを使用し飼育していると水分が蒸発しやすいのですが、フタがあるとその蒸発をある程度緩和してくれるでしょう。

また、地震などが発生した際もフタをしていないと大規模な水漏れが発生しますが、フタをしておけばそれを緩和してくれます。ぜひとも設置するようにしましょう。

水槽の上にものを置くことができる

よく使う小物を水槽の上に置いておくことができます。具体的には小さなスポイトやビーカー、コケ取りグッズなどです。しかしあまりにも多くのものを置いておくと光を遮ったりしまうのでほどほどにします。また重いものを乗せるとガラス製のフタは割れてしまうことがあります。

餌や添加剤など、水槽に多量に入ってしまうと水槽が壊滅状態になるものは置かないようにしましょう。またLEDやT5はメタハラほどではないですが熱くなるのでそばに置くのは望ましくないです。

油などが水槽に入らないようにする

ゴールデンウィークや、冬休みなど、家族が集まっての焼肉パーティというのも楽しいものです。しかし、家中で焼肉をすると油が飛び跳ねてしまうこともあり、水槽に油がはねると水槽の表面に油が浮いてしまいます。その対策のためにも、フタをしっかりしめるようにしたいものです。もちろん、部屋の壁などに飛び散ることもありますので、しっかり拭いておきたいものです。

水槽にフタをするデメリット・注意点

光が遮られることがある

透明なガラス製フタの場合、水槽にフタをしても光を遮られることはないのですが、フタに水が跳ね、その水にコケがつき光を遮ってしまうことがあります。そうなると照明の光が遮られてしまいます。定期的にフタをふく必要がありますが、このようなデメリットも魚を飛び出しで死なせたりすることと比べたら微々たるものです。

水槽に合ったサイズのものが必要

フタを購入する場合、その水槽に適したサイズのフタが必要になります。90cm水槽に60cm水槽用のフタを使うことはできません。水槽の大きさに合わせたサイズのフタが必要になります。最近は水槽を購入すると専用のフタが付属することも多いのですが、そのフタが割れたときのことも頭にいれましょう。

オールガラス水槽には直接フタをできない

オールガラス水槽でフタをするときには専用のフタ受け(ガラスフックとも)が必要です。水槽を購入すると付属してくることもありますが、付属していない場合は購入する必要があります。

水槽のフタの素材

▲誤まって踏んで割れてしまったガラスフタ

水槽のフタの素材はガラス製のフタが多く用いられますが、アクリルやビニル製のものも市販されています。

一般的に多くの水槽で用いられるのはガラス製のフタで、透明感があり安価です。しかし大型水槽でガラス製のフタを使用すると重くなってしまいます。一方アクリル製のフタはガラス製と比べて軽量で扱いやすく、割れることもありませんが、ガラス製のフタと比べて高価で、薄いものは変形することもあるため注意が必要です。

なお、我が家の海水魚水槽で使用しているのはサムネイル画像にもなっているアクリル製のふたがメインで、ウツボ水槽にガラスフタを使用しています。

水槽用ガラスフタいろいろ

45cm用

60cm水槽 上部ろ過槽用

60cm水槽 外部ろ過槽や底面ろ過槽用

フチがない水槽の場合どうやって水槽にフタをする?

▲オールガラス水槽にフタ受けをしてフタを乗せる

アクリル水槽や、ニッソーの「スティングレー」のようなフチありアクリル水槽であれば、そのままフタをすることができますが、オールガラス水槽の場合は専用の「フタ受け」を使用してフタを取り付けるか、水槽の上にキャノピーを取り付けてその上にフタをする方法がありますが、一般的には前者が最適でしょう。

フタ受けを使用する場合は対応ガラス厚を確認する必要があります。あらかじめ水槽のガラス厚を調べてから購入しましょう。また海水魚水槽の場合はステンレス製よりもプラスチック製のものなどが適しているでしょう。

とくにフタが必要な魚・無脊椎動物

どんな魚も水槽から飛び出してしまう可能性がある以上、魚を飼育している水槽には必ずフタをしておきたいものなのですが、ここでは特にフタが必要(=飛び出しやすい)な魚や無脊椎動物をご紹介します。フタをするだけでなく、フタの切りかけ部分の隙間も埋められれば完璧でしょう。

遊泳性ハゼの仲間

▲遊泳性ハゼは全般的に飛び出しに注意

飛び出しでアクアリストを最も多く悲しませてきたのがこの遊泳性ハゼではないでしょうか。非常に飛び出しやすいので、しっかりフタをし、そのフタの隙間をなくすようにしなければなりません。

また混泳する魚にも注意が必要です。スズメダイのように気が強い魚や、ベラなどよく泳ぐ魚がいると、驚いて水槽から飛び出してしまうこともあるため、注意しなければなりません。できれば共生ハゼの仲間(小型種)や穏やかな小型のテンジクダイ、ヨウジウオ、ネズッポなどとの混泳が適しています。

共生ハゼの仲間

▲共生ハゼも飛び出しに注意

いつも水槽の底の方にいる共生ハゼですが、驚くと飛び出してしまうことがあるので注意が必要です。とくにパートナーのテッポウエビがいない状態で飼育していると、壁をつたい水槽のかなり上の方にいることもあるので危ないです。しっかりフタの隙間をうめたり、オーバーフローの管上にもフタをしておきます。

ベントスハゼ・底生ハゼの仲間

▲アカハチハゼ

アカハチハゼなど底砂をもぐもぐするベントスゴビーの仲間も驚くと飛び跳ねることがあり、フタがないと干物と対面してしまうことになります。また意外と底の方にすむハゼも、やはり驚くと飛び跳ねてしまうことがあります。

どのハゼの仲間も「飛び出しやすい」といえるかもしれません。

カエルウオの仲間

▲タネギンポやカエルウオなどは飛び出しやすい

▲オーバーフロー管にもフタをしよう

カエルウオの仲間はその習性から飼育にはフタが絶対に必要になります。とくに飛び出しやすいカエルウオはカエルウオ、センカエルウオ、モンツキカエルウオ、タネギンポ、スジギンポ、タマカエルウオ、ヨダレカケといったタイドプールのごく浅い場所に生息するものは飛び出す危険性が高いといえるでしょう。

とくにオーバーフロー水槽ではフロー管の上にフタをするなどの対策が必要になることもあります。サンプに落ちたら死んでしまうこともありますので、フロー管の上がオープンになっている場合は必ずフロー管の上にもフタをしておきたいものです。見栄えはあまりよくないのですが、写真のようなアクリル板を置くだけでも十分違います。

ベラの仲間

▲ベラの仲間、とくにイトヒキベラは飛び出し注意

ベラの仲間も遊泳性が強いものがおおく、勢い余って水槽から飛び出してしまうことも多いです。初心者向けのイトヒキベラやクジャクベラは複数入れるとほかのベラを追いかけることがあるので絶対にフタをしてください。そうでないと飛び出して死んでしまうことがあるからです。もちろんほかのベラの仲間を飼育するときもフタをしましょう。

ウツボ・アナゴ・ウミヘビ

▲クモウツボは脱走の名人

ウツボやアナゴ、ウミヘビ、海水魚といえるかは微妙なところですがニホンウナギやオオウナギも脱走の名人です。そのためしっかりしたフタが必要になります。意外な魚でいえば、水族館の人気者であるチンアナゴもジャンプして脱走することがあるのでフタは確実にしなければなりません。

またこれらの魚はフタをするだけではなく、できれば隙間を埋めるような工夫をしたほうがよいでしょう。小さな隙間からも脱走してしまう恐れがあるからです。とくに体が細いモヨウモンガラドオシや、シマウミヘビなどは要注意です。ウツボの仲間を飼育するときはサイズにもよりますが、ペットボトルに水を詰めた「重石」もあったほうがよいでしょう。ただ重い石を乗せたらフタが割れることもあり危険です。

ボラ

▲ボラの仲間を飼育するときはフタが必須

ボラの仲間も水面からぴょん、と飛び跳ねてしまうことがあります。とくにワニグチボラなどは水面に浮かんでいることも多いため、飛び跳ねて死んでしまうこともあるため、しっかりフタをすることが大事です。

ゴンベの仲間

▲底の方にいるゴンベの仲間も飛び跳ねることがある

ゴンベの仲間も独特な泳ぎ方をします。底の方にいることが多いのですが、餌を求めて中層から表層を泳ぐこともあります。その際に驚くと跳ねてしまうこともあります。もちろん地震などが来たときも飛び跳ねてしまうことがあります。そのためフタはしっかりしておかなければなりません。

ヤドカリ・カニ

▲シロサンゴヤドカリ

ヤドカリやカニの仲間は種類により、コードを伝って外出するおそれがあります。そして外出してしまうと、もう元には戻れません。やはりフタの隙間を埋めるものもあった方がよいでしょう。とくにイソガニの仲間やイワガニの仲間、スベスベサンゴヤドカリ、シロサンゴヤドカリなどは脱走に注意します。脱走しても戻ってくるようなことはなく、死んでしまいますのでかならずフタをしてあげましょう。

タコ

タコも脱走の名手です。とても頭がいいため、ただフタをするだけではだめで、重石もしっかりしておかなければなりません。そして非常に狭い隙間からも変幻自在、するりとすりぬけます。その結果タコは水槽外に飛び出してしまい死んでしまいます。タコを飼育するのであれば、隙間ができないような工夫が必要です。

海水魚水槽のフタまとめ

  • 魚の飛び出しを防ぐことができる
  • 飛び出しを防ぐならできるだけ隙間も埋めておきたい
  • 水が跳ねにくく蒸発もある程度防げる
  • フタの上にいつも使う小物を置くこともできる
  • 水が跳ねて光を遮らないよう注意
  • 水槽サイズにあったフタを使用する
  • オールガラス水槽ではフタ受けを使用する
  • ハゼやベラ、カエルウオ、ウツボ、アナゴ、ボラなどは飛び出しに特に注意
  • タコやヤドカリはコードを伝うなどして外にでてしまうことも

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