海水魚水槽で使うピンセットと用途別の選び方・おすすめ

ピンセットは細かいものをつまんで抑えたり、分別したりするときに使う道具の一種です。マリンアクアリウムにおいてはカーリーやコケなどを取り除いたり、小物を落としたときに拾ったり、ウツボなどに餌をあげたり、フラグサンゴを作成するときなどに使います。ピンセットは種類が豊富で、用途別に素材や形状、大きさなどを選ぶことができます。今回はマリンアクアリウムにおけるピンセットの役割や選び方をご紹介します。

マリンアクアリウムによるピンセットの役割

海水魚水槽でのピンセットの用途は以下の通りです。用途により、適したピンセットの大きさ、材質などは異なりますので、いくつかピンセットを所持しておくとよいでしょう。

カーリーやコケなどを取り除く

▲厄介なカーリー(矢印)は早く水槽からとりのぞきたい

以前にカーリー対策の記事でもご紹介しましたが、ライブロックやサンゴ岩、飾りサンゴなどに付着したカーリー(セイタカイソギンチャク)を取り除く方法があります。この方法のメリットとしては水質の変動が少なく、カーリーを食べてくれるペパーミントシュリンプやフチドリカワハギなどを飼育する必要がないことがあげられます(これらの生物はサンゴに害を与えるためサンゴ水槽では飼育しにくい)。写真のようにマメスナギンチャクの間にカーリーが発生したときに取り除くのに役立ちます。

魚の給餌

▲ピンセットを使ってクモウツボにイカを与える

ミノカサゴやオコゼなど最初のうちは動く餌にしか反応しない魚のために餌を動かして与えたり、ウツボやサメのように手から餌を食べてくれるけれど実際に素手で餌をあげたら大けがをする可能性がある魚にはピンセットで給餌するようにしましょう。ウツボは飼育者が来たら寄ってくるなど人に慣れやすいのでピンセットでの給餌はたいへん楽しいものです。

ものを落下させたとき

ライブロックやサンゴをたくさん飼育している水槽に小物を落下させてしまったとき、網で掬って回収するよりも、ピンセットを用いて取り除いた方が簡単かもしれません。いずれにせよ、落下させてしまったものが溶出したりすると魚やサンゴに悪影響を及ぼすおそれがありますので、早いうちに水槽から取り除いてあげなければなりません。

このほか、淡水魚水槽用では水草を植えたりするのに使用しますが、海水魚飼育の際に一緒に飼育されるマリンプランツはアマモなど一部の海草を除きすべて藻類の海藻であり、ライブロックに巻きつけるだけでどんどん増えていくのでピンセットを使う必要はないといえます。また海水魚がリムフォシスティス病に感染したときに発生した白い粒などをピンセットでつまむこともありますが、そうすると魚が傷つくおそれがありますので、なるべく爪の先などでとってあげたほうがよいでしょう。

フラグサンゴの作成

▲フラグサンゴ作成にも必要不可欠

サンゴを専用のプラグに接着した「フラグサンゴ」を作成するには、細かい作業が必要です。専用のピンセットがLSS研究所の「ボストンアクアファーム」などから販売されておりこのようなものを購入して使用するとよいでしょう。格好良かったエコテックマリンのコーラルプロパゲーションキットはLSS研究所のサイトでは「過去の販売商品」となっており、販売は終了したようです。

使用するピンセットの種類

海水水槽用のピンセットは用途に合わせていくつか所持しておきたいものです。

ピンセットの素材

▲木製のピンセット。スドー「ハープクラフト」のバンブー製ピンセット

ピンセットの長さや形状ばかりでなく、素材もチェックしてみましょう。一般的に販売されているピンセットには金属(ステンレス)製のもの、木製のもの、プラスチックや樹脂でできたものがあります。金属製や木製(爬虫類の飼育ではよく使われる)はさびたり腐食しやすいので、使用したらよく真水で洗わないといけません。プラスチックや樹脂製のものはさびにくく軽くて扱いやすいのですが、カーリー駆除などのように削って剥がすという用途には向きません。重量は当然ながら金属製のピンセットよりも木製やプラスチック、樹脂のものが計量です。

アマゾンでピンセットを購入する場合は発送元をよくチェックするようにします。日本から配送されるものを購入しましょう。日本語がおかしいもの、たとえば「水族館」なる言葉をよく使っているもの、カスタマーサービスの電話番号が+86ではじまるものなどは中国からの発送で時間がかかり、また品質も粗悪なものが多いので注意が必要です(検品漏れを売ってる?)。なお、製造国は木製が中国、プラスチックや樹脂のものは中国や台湾、ステンレスのものはパキスタン(最近よく見かける)や中国で製造されていることが多いです。

カーリー・藻類駆除用

カーリーを駆除するのであればピンセットで削って剥がすように先端が細長いステンレス製のピンセットが欲しいところです。一方水槽の底砂の上にはえたどろっとした藻類を駆除するのであれば、長いピンセットが必要になります。取り出せるライブロックにどろっとしたコケがはえているのであればまずはピンセットである程度除去したあと、細かいコケを歯ブラシを使って取り除くのが一番でしょう。

給餌用

▲カミハタの「多目的ピンセット」

ウツボ類の給餌をするのにはできるだけ長いピンセットがほしいところです。ウツボは力が強く、小さなピンセットはもぎ取ってしまう可能性もあるからです。我が家で現在飼育している50cmくらいのウツボやサビウツボなどを飼育するのにはカミハタの「多目的ピンセット」が一番使いやすかったです。この多目的ピンセットはプラスチック製で計量、さびないので海水魚飼育でも使いやすいといえます。そしてやわらかいため魚がけがをすることもありません。大型のニセゴイシウツボみたいな種になると竹串の先端にイカの下足を刺してウツボの吻端まで持っていって与えているアクアリストもいるようです。

ものを落下させたとき用のピンセット

▲ステンレス製の細長いピンセットはさびに注意

水槽の水深にもよりますが、ものを落下させて拾うわけですから、それなりの長さが必要です。場合によっては水草用の細長いピンセットを購入したほうがよいかもしれませんが、そのようなものは大体が金属(ステンレス)製、つまりさびやすいので使用後はしっかり真水で洗うようにします。また、さびが出やすいから、といって錆止めを塗るのはやめた方が無難です。

フラグサンゴ作成用のピンセット

フラグサンゴ作成用には細かいものをつかめるようなピンセットが適しています。LSS研究所が輸入し販売しているボストンアクアファームのピンセットにはピンセットの先端にビニール加工が施されており、サンゴを傷つけにくいしくみになっています。ほかにも各種メーカーから作業しやすいようにさまざまな形のピンセットを販売しています。いずれにせよ一回フラッギングした後はよく洗って再度使用するようにします。強い毒性のサンゴの触手がついていた場合次にフラッギングするサンゴに悪影響を与えてしまうこともあるからです。これはアマゾンなどでは手に入りませんが、輸入元のLSS研究所のページなどで購入するとよいでしょう。

そのほかのピンセットでもよいのですが、先述の「ものが落ちたとき拾うピンセット」では大きくて扱いにくいです。ピンセットも用途に合わせて大きいもの、小さいものを使い分けるようにしたほうがよいでしょう。

ピンセットまとめ

  • カーリー駆除、コケ掃除、給餌、フラグサンゴ作成などさまざまな用途がある
  • 大きさ、素材、形状など用途別にピンセットを選ぶようにしたい
  • 大きいものは水槽の底まで届くが重いので扱いにくいことも
  • 素材は金属製のものはさびやすい。プラスチックや樹脂性のものは軽い
  • カーリー駆除やコケ掃除には細く先がとがったピンセットが最適か
  • ウツボなどの給餌には長いものがよい、軽い「多目的ピンセット」などが最適
  • フラグサンゴ作成には細かい作業が必要。形状もさまざま
  • 用途にあわせいくつかのピンセットを用意したい

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