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2020.10.28 (公開 2020.10.27) 水槽・器具

採集や水槽代わりに 海水魚飼育における「プラケース」の使い方


プラケースは昆虫や小動物、カメなどを飼育するのに重要なアイテムです。しかし、マリンアクアリウムではプラケースは小さく、海水魚やサンゴなどを飼育するのにはほとんど使われません。しかしながら飼育水槽以外の用途ではいろいろ使われます。今回はマリンアクアリウムにおけるプラケースの使い方をご紹介します。

プラケースとは

「プラスチックケース」の略で、文字通り透明なプラスチック製の容器です。昆虫などを飼育するためのもので、一般的には「虫かご」とも呼ばれています。ただし一般的に虫かごといえばプラケースでなくザルのようにスリット(溝)が一面についているタイプのものを指すことも多いのでここでは「プラケース」と称します。さすがにプラケースはあまりにも小さく、これで恒久的に海水魚を飼育するのには現実的ではないのですが、海水魚の飼育や採集に持っておくと便利なアイテムです。

プラケースの使い方

水槽の代わりに使う

▲エビの水合わせ

ある程度大きなプラケースであれば、採集した魚をその中に入れてみるのもよいでしょう。そのときに魚を横から眺めて観察したり、写真を撮ったりするのに使えます。一般的なガラス水槽などは磯へもっていくと落として割れたりヒビが入るなどして危険なので、アクリル板で小さな水槽を作ってもっていってもよいのですが、アクリル板で水槽をつくる手間がかかってしまいます。それならプラケースでも十分ということがいえます。また、魚やエビの水合わせをするのに横から観察できたり、場合によっては薬浴するのにも重宝するでしょう(ヒーターを使うときはしっかりカバーをつけましょう)。この用途で使用するならできるだけ大きなものをチョイスしなければなりません。

魚の隔離

▲プラケースで隔離しているアミキカイウツボ

採集へ行くと様々な魚が採集できますが、中には小魚を食べてしまう魚もいます。そのような魚はバケツの中に隔離ケースを浮かべておいて隔離しておきますが、この隔離ケースの代わりにプラケースを使用することもできます。プラケースのメリットとしては隔離ケースよりも広いスペースが確保できるという点が大きいといえます。

ただし、水は出入りしてしまうので、フグやハコフグ、ヌノサラシ、ウバウオなど、粘液毒を放出するような魚には向きません。またプラケースのサイズにもよりますがウツボやアナゴ、カサゴなど大きな魚の隔離にも向いていないところがあります。そして大きいバケツが必要ということもあげられます。小サイズでも大体20リットル以上の大きさのバケツに入れてあげたいところです。

また、水槽にマグネットなどを使用して、プラケースを水槽のガラス面や壁面にくっつけて隔離ケースとして使用することもできます。これにより小さな魚やカニなどを水槽内で育てることもできますが、水の通りが悪くなるという欠点もありますので、こまめな掃除が重要になってきます。また水中ポンプなども使って、プラケースのフタに開いているスリットから少し水が入るように工夫してあげるとよいでしょう。

魚を傷つけずに掬う

▲網に入ったナンヨウミドリハゼ。この状態からプラケースで掬うのがベスト

プラケースで海水魚を掬うこともあります。この方法は海水魚を飼育中、病気の魚やけがをした魚、いじめられた、もしくはいじめた魚を隔離するのに使います。海水魚店では魚を購入するときに、販売水槽の魚をプラケースだけで掬ってしまうこともよくあります。一般家庭の水槽では網を使用して魚を掬うことが多いでしょうが、そのまま水から上げず、プラケースで海水ごと掬うようにすると傷がついたり、鱗がはがれるといったことが網でそのまま掬ったときとくらべて発生しにくいのでよいとされています。また、採集する時も同様で、網を水から上げずに、ケースの中に入れておくことで魚の傷がつきにくくなります。テンジクダイの仲間やハゼの仲間、ごく小さなスズメダイの仲間などでも有効です。

プラケースの種類とサイズ

プラケースもいろいろなメーカー、ブランドから出ていますが、用途によってサイズを使い分ける必要があります。たとえば、魚を掬うという用途には大きなプラケースは使いにくいものです。いくつかのプラケースを用意しておくとよいでしょう。魚を掬ったり、採集魚の隔離として使用するのであれば小さなプラケースが使いやすいのですが、水槽の代わりとして使用するのであれば、マルカンの「いきものたちの楽園 中」以上のものが欲しいところです。また、プラケースは前面が曲がったタイプがあったり、まっすぐのものがあったりします。これはお好みで選ぶとよいでしょう。

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プラケースまとめ

  • プラスチック製で昆虫や小動物などの飼育に適している
  • サイズが小さいので恒久的な海水魚飼育にはあまり適さない
  • 磯に持っていくと真横から魚を観察できる
  • 水合わせや薬浴などにも重宝する
  • 隔離ケースのように扱うこともできる
  • プラケースで水ごと掬えば網で掬うより魚が傷つきにくい
  • 用途に合わせて適した大きさのプラケースを購入したい
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