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2020.09.22 (公開 2020.01.06) 水槽・器具

海水魚水槽にウールマット(ろ過用マット)は必要?

ウールマットは海水魚だけでなく観賞魚の飼育において物理ろ過を担うろ材です。このウールマットはオーバーフロー水槽であればウールボックスに、上部ろ過槽・外部ろ過槽であればろ過槽にそのまま専用のものを入れます。しかし、このウールマットは海水魚飼育では重要なものではあるのですが、ろ過槽の種類によってはウールマットを使用しない方がよいこともあります。今回はウールマットを使ったろ過の方法を中心にご紹介していきます。

ウールマットとは

▲我が家で使用している「KSウール」

海水魚・淡水魚問わず観賞魚水槽で一般に使用される物理ろ過用のアイテムです。「ウール」という名前がついていますが、もちろん羊毛のことではなく、ガラス繊維でできたグラスウールを使用しています。このウールマットを水の吐出口に置いておき、大きなゴミや生物の排せつ物、死骸などをひっかけるのです。

またこのほか、ZOOX(ゾックス:エムエムシー企画)から出ている「マジカルフィルター」と呼ばれる製品も、ウールマット同様に使用することができます。

ろ過の流れ

ウールマットを設置するときは、まず水が落ちる場所にウールマットを置くようにします。ウールマットに大きな汚れを引っかけたあと、ウールマットでとりきれなかったものを生物ろ過で分解してもらうというものです。ただしウールマットに引っかかった汚れはそのままだとなかなか分解されにくいので、ウールマットを取り出して洗ったり、交換したりということが必要になります(後述)

ろ過槽種類別ウールマットの使い方

▲ウールボックスとウールマット

ウールマットを置く場所は上部ろ過槽ではサンゴ砂などの生物ろ過の上に敷き、外部ろ過槽であれば水の流れの最も上部に置くようにします。各メーカーから、外部ろ過槽の形にぴったり合うウールマットや、さまざまな繊維製マットが販売されています。ただし外部ろ過槽の場合はウールマットを使用しないほうがよいかもしれません(後述)。

オーバーフロー水槽であればサンプ(水溜め)の上にウールボックスとよばれるものが付属していることが多く、その中に入れるようにします。外掛けろ過槽の場合、ウールマットは使用しませんが、各外掛けろ過槽に適合したろ過カートリッジ(グラスウールが使用されていることも多い)で物理ろ過を行います。

写真のウールマットは、当時水槽で使用していたバイオペレットのせいで赤茶色になってしまっています。バイオペレットを使用するとバクテリアが分解したバイオペレットのカスが水槽に漂ってしまうことがあります。プロテインスキマーの設置は重要ですが、スキマーを設置していても、何回か循環しているうちに汚れが濾しとられるというもので、すぐに汚れが落ちるというわけでなく、このようにウールマットに汚れがたまってしまうことにも注意しなければなりません。

ウールマットの大きさが使用しているウールボックスやろ過槽などの大きさにあっていないといったときにはハサミなどを使用してカットする必要があります。できるだけ、使用しているろ過槽の専用マットを使用するようにしましょう。上部ろ過槽はマルカン(ニッソー)、ジェックス、コトブキなどのメーカーが作っていますが、メーカー共通のものもあり、このようなものを使用するのもよいでしょう。

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ウールマットのメンテナンス

ウールマットは大きな汚れをひっかけるものです。魚のフンや食べ残し、生物の死骸、ヤドカリやエビの抜け殻などです。これらはウールマット上ではなかなか分解されませんので、ウールマットに付着したままになってしまうこともあります。ウールマットを使用する場合はこまめに水で洗い流して洗浄することが大事になります。何度ウールマットを洗っても汚れが落ちないという場合はウールマットを捨てて交換するようにします。

こんな水槽ではウールマットは使わない方がよいかも

▲超小型オーバーフロー水槽「クロスミニ」

ウールマットは先ほども述べたように頻繁に洗わなければいけないものです。外部ろ過槽でもウールマットが付属していますが、これは使わないほうがいいかもしれません。外部ろ過槽の場合ウールマットを取り出す際に当然ながらろ過槽を開封しなければいけないのですが、洗い終わってろ過槽を再始動させるときにしっかり封をしないと水が漏れるなどのトラブルがおこることもあるからで、頻繁にいじりたくないからです。

また以前このサイトでもご紹介したニッソーの「クロスミニ」に代表される、小型のオーバーフロー水槽もその構造上ウールマットを出し入れしにくいため、使用しないほうがよいかもしれません。また小型オーバーフロー水槽の場合は魚は多く入れられないので、注意が必要です。

ウールマットを使わなくても海水魚を飼える

結論として、ウールマットは使用しなくても海水魚を飼育することはできます。我が家の水槽ではウールマットを使用していない海水魚水槽もあるのですが、そのような水槽でもウールマットがないからといって、ろ過が不十分、ということはありませんでした。

私もオーバーフロー水槽ではウールマットを使用していましたが、小さなカエルウオがウールボックスの中に落ちて死んでしまっていた、なんてことがありました。それ以降はウールマットを敷かないで飼育していることが多いです。ウールマットは海水魚水槽だけでなく、アクアリウムにおいては重要なアイテムであることは確かなのですが、絶対にウールマットがないと海水魚が飼育できない、というわけでもないのです。魚がたくさんいる水槽であったり、上部ろ過槽の場合などはウールマットがあった方が飼育しやすくなるでしょう。

まとめ

  • 水槽飼育の物理ろ過を担う
  • 魚のフンや生物の死骸などをウールマットに引っかける
  • 羊毛ではなくガラス繊維でできたグラスウール製
  • ろ過槽を流れる水の流れのもっとも上に置くようにする
  • オーバーフロー水槽ではウールボックスの中に置く
  • 上部ろ過槽・外部ろ過槽では専用のマットが販売されている
  • 外部ろ過槽ではマットを使用しない方が無難かもしれない
  • 小型オーバーフロー水槽でも使用しない方がよいかもしれない
  • ウールマットがないからといって海水魚が飼育できない、ということはない
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