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2019.11.26 (公開 2017.06.19) メンテナンス

海水魚水槽のメンテナンス~水換え・底砂・ろ材

海水魚飼育の中でも最も重要な項目であるといえるのが「水替え」です。この水替えは海水魚飼育で一番難しがられるものです。海水魚飼育について「水替えが大変そう」とお思いの方も多いでしょう。また海水魚飼育の経験がある人でも、水替えをさぼったりすることがあります。

しかしこの水替えは海水魚飼育で最も重要な役目を担っている、といえるのです。なぜならばこの水替えによって、海水魚水槽において最も大事なろ過である生物ろ過のサイクルが完成するからです。

水替えの役目①:硝酸塩を取り除く

水替えのもっとも重要な役目は、生物ろ過で発生する硝酸塩を取り除くというものです。

魚の排せつ物や残餌などを分解する過程で発生する魚にとって猛毒のアンモニアが、バクテリアの力により亜硝酸塩になり、さらに別の種のバクテリアによって亜硝酸塩が硝酸塩にかわります。硝酸塩は魚にとっては毒性が低いのですが蓄積されすぎるとよいものではありませんし、サンゴは硝酸塩を嫌うものも多いですので、水替えによって水槽から放出するというわけです。

ベルリンシステムに代表されるナチュラルシステムは、もう魚の排せつ物や残り餌の時点でプロテインスキマーが取り除いてくれます。そのため硝酸塩はたまるスピードがおそくなるのです。それが硝酸塩の蓄積に弱い「ミドリイシを飼うならばナチュラルシステムがベスト」と呼ばれる理由なのです。

もちろん、ベルリンシステムだからと言って長期間水替えしなくていいというわけでもありません。よくベルリンシステムは長期間水替えしなくていいなんて話を聞きますが、日本では定期的に水替えをする人も多いようです。

水替えの役目②:元素のバランスをリセットする

水替えのもう一つの役目は、元素のバランスをリセットするということです。

海水魚やサンゴを飼育するのに、カルシウムなどの添加剤を添加していることが多いのですが、水に含まれる元素のバランスはそれにより少しずつ崩れていくことがあります。水替えでその元素のバランスが崩れたのをリセットする必要があるのです。

ろ過槽のろ材は頻繁にいじらない

水替えのときにろ過槽の掃除も…とお思いの方もおりますでしょうが、ろ過槽のろ材は頻繁にいじってはいけません。

理由は、ろ材をいじることにより、せっかくろ材についてくれたバクテリアを捨てるということになるからです。ろ材のバクテリアは繁殖力が強いと言われますが、非常に弱い生き物とも言われています。ですからなるべく動かさないことが重要です。3か月~6か月に1回半分くらいろ材を交換します。

底砂もなるべく触らない

底砂も、いじるのは避けるようにします。とくに砂を厚めに敷くのは初心者にはお勧めしません。理由はバクテリアの事もありますが、厚く砂を敷きすぎると嫌気層が形成され、いじると猛毒の硫化水素が発生してしまう恐れがあるからです。

また、砂をいじると砂の中に潜む微生物などが出てきて白点病などの病気が出てくる恐れもありますので注意します。クロイトハゼ属の魚など、頻繁に砂を口に入れて食むような魚を追加すると砂の中に潜んでいる微生物が出てくることもあるようです。ですからナチュラルシステムでもないのに底砂を厚めに敷くのは、私はあまりお勧めすることはできません。

砂の中で寝るキュウセンの仲間。セイテンベラ×ミツボシキュウセンの交雑個体。

ただし、砂をほる魚、あるいは砂の中で寝る魚などは砂があった方が良いですので、そのような魚を飼育するときは薄く(2cmほど)砂を敷きます。具体的にはベラの仲間、アゴアマダイ(ジョーフィッシュ)の仲間、クロイトハゼ属の魚、がそうです。

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