フチドリハナダイの飼育方法~混泳と個体の選び方に要注意!

フチドリハナダイはサンゴ礁域に生息するハナダイの仲間です。雌は体がピンク、鰭が黄色ですが、雄は体側に赤い線が出てきて、鰭も赤く縁どられ大変美しい魚です。ハナダイの仲間は飼育が難しいイメージがありますが、本種はハナダイの仲間では丈夫で、水質悪化にさえ気をつければ飼育しやすいです。今回はこのフチドリハナダイの飼育方法をご紹介します。

標準和名 フチドリハナダイ
学名 Pseudanthias randalli (Lubbock and Allen, 1978)
英名 Randall’s anthias、Randall’s fairy bassletなど
分類 条鰭綱・スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・ナガハナダイ属
全長 9cm
飼育難易度 ★★☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドなど
温度 23℃前後
水槽 60cm~
混泳 強い魚は避ける
サンゴとの飼育 餌のやりすぎは水質悪化につながりやすいので注意

フチドリハナダイって、どんなハナダイ?

▲フチドリハナダイ

フチドリハナダイはハタ科のハナダイ亜科・ナガハナダイ属の魚で、キンギョハナダイやアカネハナゴイなどと同じ属のハナダイです。

大きなものは9cmにも育ち、雌はピンク色の体で吻部は黄色。雄は体側に赤い帯が入り、鰭も赤く縁どられますが、これが和名の由来になったものと思われます。一方、英語名はRandall’s fairy basslet、といいます。おそらく魚類学者John E Randallにささげる学名なのでしょう。なお本種は雌雄ともに第3背鰭棘が伸長するという特徴をもっています。今回ご紹介する個体はいずれも雌個体です。ほかのハナダイの仲間と同様、飼育しているうちに雄に性転換するはずです。

飼育についてはスズメダイやハゼよりもきれいな水が求められますが、アカネハナゴイやパープルクィーンなどと異なり餌付け難易度も飼育難易度もそれほど高くありません。良好な水質を維持できれば、長期飼育も可能です。

フチドリハナダイの近縁種

フチドリハナダイは日本(八丈島、琉球列島)~フィリピン、インドネシア、パラオ、マーシャル諸島など西太平洋に分布しています。インド洋には分布しておらず、本種にかわりレスプレンデントアンティアスという別種が分布します。この種はフチドリハナダイにそっくりですが、大きな雄は背鰭が黄色に縁どられる点でフチドリハナダイと見分けられます。飼育について経験はありませんが、フチドリハナダイと同様のものと思われます。インド洋産でありお値段は若干高めですが、高価な分マニラのものよりもそれなりに丁寧に採集されている(ハズ)なので初心者にもおすすめできます。

フチドリハナダイ飼育に適した環境

水槽

実質的に60cm以上の水槽で飼育したいものです。ほかの魚と混泳するなら90cm以上の水槽が欲しいところです。できれば大容量の水量を確保できるオーバーフロー水槽が最適でしょう。

水質とろ過システム

ハナダイの仲間ですので、スズメダイやハゼよりはきれいな海水が必要になります。そのためしっかりしたろ過槽も必要になります。外掛けろ過槽や外部ろ過槽ではろ過容量が足りなかったり、酸欠になったりするので、上部ろ過槽、もしくはオーバーフロー水槽での飼育が望ましいでしょう。

フチドリハナダイはサンゴを捕食することはないため、ベルリンシステムでも飼育することができます。ただし、ベルリンシステムはサンゴメインで飼育するためのシステムですので、多くの魚は入れられません。

水温

ハナダイの仲間はやや深場にいるものが多く、本種もやや低めの水温を好みます。25℃でも飼育できますが、やや低めの23℃で飼育するのがおすすめです。重要なことは、23℃にせよ25℃にせよ、水温が一定に保たれているということです。そうでないと魚が体調を崩して病気になることもあることからです。

フチドリハナダイに最適な餌

▲「メガバイト レッド」のSサイズなどがよい

フチドリハナダイはよほど大きなものでなければ配合飼料にも餌付きやすいので、小粒状の餌などを与えると食べてくれるはずです。だめならば冷凍餌、たとえばホワイトシュリンプやコペポーダなどを与えてみます。その餌の中に配合飼料を混ぜて与えてみるとよいでしょう。ですがサンゴを飼育するベルリンシステムでは生の餌は水質の悪化を招きやすく、こまめな水替えが重要になります。

配合飼料は小粒のものがよいです。例えばどじょう養殖研究所の「シグマ グロウB」などは、人気のキョーリン「メガバイトレッド」のSサイズよりもいくぶん細かく、小さい個体でも食べやすいといえます。ただし、小さい個体は餌を頻繁に与えなければならず、初心者には向いていません。

フチドリハナダイをお迎えする

購入する

フチドリハナダイは磯で採集することができない種で、購入に頼ることになります。海水魚専門店で販売されています。キンギョハナダイやケラマハナダイ、アカネハナゴイよりは少ないですが、購入しにくいというほどではありません。値段も高価ではなく購入しやすいハナダイといえるでしょう。

購入するときは雌個体を購入するのがおすすめです。大きな雄個体は餌付きにくいことがあるからです。小さな個体でもやがて雄に性転換してくれます。

購入するときに見るべきポイント

▲フチドリハナダイ

フチドリハナダイ購入の注意点としては、鰭がぼろぼろのものや、溶けているようなもの、白い点が鰭や体表にあるもの、赤い爛れが体にあるものなどは避けるようにします。このような個体は立て直すのが難しかったりします。とくに鰭が溶けている感じでぼろぼろなのは絶対に危ないです。眼は動くものに反応し、きらきらしているもの(にごっていないもの)を選ぶようにします。また、泳ぎ方がおかしいもの、腹部がおかしく膨らんでいるもの、背肉がなくやせているものも選んではいけません。また、入荷して時間が経ったものを購入するのが確実といえます。飼育していて症状が悪化することもあるからです。

フチドリハナダイとほかの生物との関係

同種同士・ほかのハナダイの混泳

▲フチドリハナダイ(右)とハナゴンベ(左)

同じフチドリハナダイ同士の混泳は可能です。ただし、できれば雄1、雌1か、雌2匹くらいがよいでしょう。雌同士であっても、やがて性転換し、雄になるでしょう。なお、ハナダイは大量に購入しても、家庭の水槽では徐々に数を減らしていき、最終的には雄1、雌1しか残らないことも多いです。

ほかのハナダイの仲間とは争うこともあるため注意が必要です。小型の本種は負けやすいかもしれません。ただし、ハナゴンベなど属がだいぶ違うとあまり激しく争うことはありませんでした。

ほかの魚との混泳

▲カクレクマノミとフチドリハナダイ

ほかの魚との飼育も容易です。カクレクマノミやスズメダイの仲間など、やや強めの魚とも組み合わせられますが、ルリスズメダイやミツボシクロスズメダイなど、スズメダイの中でもとくに性格がきつい魚や、肉食性のハタの仲間などと混泳させることはできません。

サンゴ・無脊椎動物との相性

▲サンゴとの相性はよい

熱帯のサンゴ礁域にすむサンゴであれば、ソフトコーラル、ハードコーラルとわず概ねどのサンゴとも飼育できます。ただしウチウラタコアシサンゴや、クマノミの仲間と共生するイソギンチャクなどは捕食性が強いのでやめましょう。無脊椎動物は小型のサンゴヤドカリやベニワモンヤドカリ、小型クリーナーシュリンプなどにとどめておくのが無難です。大型の甲殻類は魚を襲って食べてしまうこともあるからです。

フチドリハナダイ飼育まとめ

  • キンギョハナダイやアカネハナゴイと同じナガハナダイの仲間
  • 水槽は90cm以上のものがよい
  • スズメダイよりは水質悪化に弱いので水質管理はしっかりと
  • 上部ろ過槽、またはオーバーフロー水槽が理想
  • 水温はやや低めの23℃くらいがおすすめ
  • ハナゴイの仲間よりは餌付きやすくすぐ配合飼料を食べる
  • 鰭が溶けている感じでぼろぼろなものは絶対に危ない
  • 泳ぎ方が変なものや背肉がないものなども避けるべき
  • 大量に水槽に入れても少しずつ減っていく
  • ほかのハナダイとは争うことも。大型の種との混泳は避ける
  • おとなしい魚との混泳は適している
  • サンゴとの相性は概ねよい

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