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2020.07.15 (公開 2020.07.01) メンテナンス

レッドシーのpH/アルカリニティテストキットでKHを測定してみました

KHはpHの変動を緩やかにする役目を担うほか、サンゴに吸収されたりするため、水槽内では徐々に減っていきます。一方減ってしまうとpHの変動が大きくなり魚や無脊椎動物に悪影響を及ぼしたり、サンゴ(とくにミドリイシ)が白化してしまうこともあります。そのため定期的に添加したり、テストキットを使用して計測することが大事です。今回はレッドシーのpH/アルカリニティ テストキットを使用してKHを計測する方法をご紹介します。

KHとは

KHは炭酸塩硬度、もしくはアルカリ度ともいいます。ただし、これはアクアリウム関係のみで使われるようです。本来、炭酸塩硬度やアルカリ度はそれぞれ異なるものなのですが、海水魚水槽では同じようなものとして考えられていますので、ここでもそのように使用します。注意すべき点としては、単位には「dKH」や「meq/l」を使用するので、それぞれの単位が混同しないようにしましょう。KHはpHと関係があり、pHの変化を緩やかにしてくれます。また炭酸塩はサンゴの骨格の成分にもなっており、サンゴにも吸収されるので減少していきやすい傾向があります。

レッドシーのKHテストキット

イスラエルのレッドシー社から販売されているpH/アルカリニティ テストキットはその名の通り、pHとKH/アルカリニティの両方をはかることができるテストキットです。先ほども述べたようにpHとKHは関係性があり、KHはpHの変化を緩やかにしてくれる緩衝としての役目もあるのです。そのためpHもKHもどちらもしっかりチェックしておきたいところですが、このテストキットは両方を計測できるためこれ1つで足りてしまうというメリットがあります。またレッドシー製品ですので北海道から沖縄まで多くの店で購入することができるというのもメリットといえます。

なお、pHの計測方法はこちらをごらんください。

上位製品

レッドシーから販売されているKHを計測するためのテストキットは2種類あります。今回ご紹介するpH/アルカリニティ テストキットのほか、KH/アルカリニティプロ テストキットというものもあります。「プロ」という名称がついていることからもわかるように、より詳細にKHを計測することができます。例えばpH/アルカリニティ テストキットでは0.5°dKH(0.18meq/l)、または1dKH(0.36meq/l)の精度で計測できるのですが、KH/アルカリニティプロ テストキットでは0.14dKH(0.05meq/l)の精度で検出することができます。正確な量の添加剤の添加を必要とするレッドシーの水槽システム「リーフケアプログラム」での使用にはマストアイテムではありますが、一般的なベルリン水槽やろ過槽を使用した水槽で海水魚やサンゴを飼育する場合はpH/アルカリニティ テストキットで問題ありません。

実際に計測してみました

pHを計測するのは比色方式でしたが、KHの計測方法については異なります。薬品を滴下させ、何滴滴下したら色が変わったかを読み取り換算します。KHは55回分測定することができ、経済的にもお得といえそうです。

パッケージです。掲載されている魚はまさかのアラビアンモノクルブリームScolopsis ghanam (Forsskål, 1775)…。渋いチョイスが素敵です。

KH計測に必要なものは以下の通りです。1.ガラス管とガラス管のフタ、2.KH indicator(KH試薬)、3.カード(使用方法、色、KH計算表が表裏に掲載)、4.スポイト、5.注射器、6.テストキットの説明書です。このうちガラス管とフタ、注射器、テストキットの説明書は前回ご紹介しましたpHを計測するのと共用になっています。このほかpH測定用の試薬とpH用カラーカードが入っていますが、今回は使用しません。

まずはガラス管とガラス管のフタ、および注射器、そして写真には写っていませんがスポイトを軽く水洗いします。

飼育水をガラス管の中に正確に入れます。このテストキットでKHを計測した場合、0.5°dKH、または1°dKH単位で計測することができるのですが、0.5°dKH単位で計測する場合は10ml、1°dKH単位で計測する場合は5mlの飼育水を正確に注入していきます。今回は1°dKH単位で測定しますので、飼育水を5ml注入していきます。

付属のスポイトを使用し、KH試薬を適当にとり、1滴だけ海水が入ったガラス管の中に入れます。

1滴滴下したら前回のpH計測の時同様、フタをしめてよくふりふりします。

色が水色になったら測定開始です。写真は鮮やかな青にみえますが、本当はもっと薄いです。またKHが低い場合はこのカラーの色とは違うことがあるので注意が必要です。

色が緑、もしくは黄色に変わるまで試薬を一滴ずつ滴下します。滴下した回数はちゃんと覚えておかないといけません。この滴下した回数の合計が測定結果になるからです。なお、滴下した回数の合計、というのは最初の一滴も含みます。

一滴滴下したら再び10秒間繰り返します。その後も滴下して10秒間振る、という作業を繰り返します。

ガラス管の中の海水が緑色、または黄色になったら滴下を終了します。カードの裏面を見て、滴定した数分の数値を読み取ります。

色が変わった際に緑ではなく写真のようなオーバードースカラー(黄色)になったら、1°dKH単位で計測の場合は最後の数値より0.5°dKHを差し引いて計算します。13滴滴下してオーバードースになってしまった場合、12.5°dKHということになります。0.5°dKH単位で計測の場合は0.25°dKHを差し引いて計算します。

計測し終わったら、水を捨てガラス管とフタ、注射器、スポイトをよく洗って乾かして計測終了です。カードは計測し終わったらできるだけ早く箱に戻します。色落ちなどを避けるためです。

レッドシーKHテストキットまとめ

  • KHはpHとの関係性がある
  • サンゴ飼育にも重要な成分であるためこまめに計測したい
  • レッドシーのpH/アルカリニティテストキットはpHとKHの両方を計測でき便利
  • 0.5°dKH(0.18meq/l)、または1dKH(0.36meq/l)の精度で計測できる
  • より正確に計測したい場合はさらに正確にはかれる「KH/アルカリニティテストキット」もあり
  • 薬品を滴下させ、何滴滴下したら色が変わったかを読み取り換算する
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