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2020.01.20 (公開 2017.10.22) 海水魚図鑑

ゼブラハゼの飼育方法~混泳・餌の注意点

遊泳性ハゼは安価できれい、飼いやすいものが多い、とよいところが三拍子そろっている魚の仲間、その中でもゼブラハゼは海水魚飼育初心者にもおすすめです。体側には多数の横帯があり、本種の含まれるクロユリハゼ属の魚としてはもっとも派手な種類といえるでしょう。今回はこのゼブラハゼの飼育方法をご紹介します。

標準和名 ゼブラハゼ
学名 Ptereleotris zebra(Fowler, 1938)
分類 スズキ目・ハゼ亜目・クロユリハゼ科・クロユリハゼ属
全長 10cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッド
温度 23~26度
水槽 45cm以上
混泳 気が強い魚とは注意が必要
サンゴ飼育

ゼブラハゼってどんな魚?

ゼブラハゼはオグロクロユリハゼやハナハゼといった種類と同様クロユリハゼ科・クロユリハゼ属の遊泳性ハゼです。体の色は緑色から灰色ですが、体側にある多数の横帯が明瞭でほかのクロユリハゼ属とは容易に見分けることができます。尾鰭の形状は普通の形で、ハナハゼのように伸びることはなく、尾鰭には模様もありません。

以下は遊泳性ハゼ全般の飼育方法についてまとめた記事になりますので併せて御覧ください。

ゼブラハゼに適した環境

水槽

▲90cm水槽でのびのび泳ぐゼブラハゼ

ゼブラハゼは45cm以上の水槽で飼育できます。初心者が飼育する場合や、ほかの魚との混泳を考えるのであれば60cm水槽が最適でしょう。我が家では90cm水槽で飼育していましたが、90cm水槽だと同種同士はもちろん、ほかの魚との混泳も容易に楽しむことができます。

水質とろ過システム

ゼブラハゼはある程度水質の悪化には耐えられますが、できるだけ綺麗な水質で飼育してあげたいものです。ろ過槽は上部ろ過槽か外部ろ過槽、底面ろ過槽になります。外掛けろ過槽はパワーが足りなかったり、水槽の上面に隙間ができやすい(フタをしにくい、後述)ため向いていません。私のおすすめは上部ろ過槽で、モーターの部分もウールなどですきま埋めをすれば飛び跳ねて死んでしまうという事故も防ぎやすいでしょう。もちろんオーバーフローの水槽が置けるのであれば、それが最適といえます。

ゼブラハゼはサンゴに無害なため、サンゴをメインで飼育するためのベルリンシステムでの飼育も可能です。しかしこのシステムはろ過槽を持たないので、たくさんの魚を飼育するのには向いていません。

水温

ゼブラハゼは水深30m以浅のサンゴ礁に生息していますので、浅いサンゴ礁に生息する魚類に適した水温である23~26℃の水温で飼育します。大体25℃であれば安定して飼育できるでしょう。もちろん大事なのは水温が安定していることで、ヒーターとクーラーを使用することで水温を一定にします。

飾りサンゴ・ライブロック

ゼブラハゼなどクロユリハゼの仲間は、驚くと岩陰に隠れる習性があります。また夜間も岩の隙間などで眠りますので、飾りサンゴやライブロックなどを組み合わせて隠れ家を作ってあげましょう。

フタ

ゼブラハゼをはじめとする遊泳性ハゼ飼育の必需品です。ゼブラハゼは水質の緩やかな悪化にはある程度適応できますが、他の魚からの刺激や地震などで驚いたときに飛び出して死んでしまう、ということが多いためです。

ゼブラハゼに適した餌

ゼブラハゼはよほど状態が悪いものを購入しない限り、すぐに配合飼料に餌付いてくれます。配合飼料はペレット、フレークどちらでもよいですが、大きすぎる粒の餌だと吐き出してしまうことがあります。フレークは薄っぺらいため、餌をあたえる回数を多くするなどの工夫が必要です。

このほかプランクトンフードなど、冷凍の餌もよく食べます。餌付きがあまりよくない個体、あるいはなかなか太ってくれない個体におすすめなのですが、与えすぎは水質を悪くするので注意が必要です。

また、餌を食べずに岩陰にずっと隠れたままの個体は、他の魚からプレッシャーをかけられている可能性もありますので、プレッシャーをかけている強い魚(スズメダイ、クマノミ類、ベラ、メギスなど)を隔離することにより、隠れ家から離れて泳ぎ餌を食べるようになることがあります。

ゼブラハゼをお迎えする

ゼブラハゼはハタタテハゼやアケボノハゼほどではないのですが、海水魚専門店ではこの属としてはよく入荷されてくる種類です。観賞魚としては主に東南アジア(バリ、フィリピンなど)からやってくるため安価な種類であり、1,000円前後で購入できることが多いです。

入手時に気をつけるべきポイントとしては、痩せているものを避けるようにします。細い魚なので分かりにくいかもしれませんが、背の肉が落ちていて顔が大きく見えるものや、体がペラペラになってしまっているものは回復させにくいので避けます。また入荷して時間が経っていないものも購入してはいけません。遊泳性ハゼは値段が安価なものが多く、扱いが雑である可能性もあるからです。神奈川県城ケ島以南の太平洋岸に分布しており、自分で採集することも不可能ではないのですが、クロユリハゼやハナハゼと比べて数は少ないです。

ゼブラハゼの混泳

ゼブラハゼと同種同士の混泳

ゼブラハゼは同種間で争うことはあまりなく、争っても深刻なことにはならないため同種同士での飼育も可能です。本種に限らず、クロユリハゼ属の遊泳性ハゼは概ね同種同士の飼育が可能です。ただし複数入れるのであれば水量に余裕がある60cm水槽が最適でしょう。

ゼブラハゼと他魚との混泳

▲90cm水槽でほかの魚との混泳を楽しむ例。カクレクマノミは要注意

ハタタテハゼなど、同じクロユリハゼ属の魚との飼育も可能です。もちろん他のハゼ類、小型ヤッコ、小型のハナダイ、共生ハゼなど他の温和な魚との飼育もできます。注意しなければならないのはクマノミやメギスの仲間など若干気が強い魚、ハタやゴンベなど肉食性が強く本種を食べてしまう恐れがある魚、ハコフグなどのように死ぬと毒をだす魚です。カクレクマノミは一旦隔離して水槽内のレイアウトを大きく変更してから再度入れるようにするとうまく混泳できることが多いです。

ただし、これはカクレクマノミの場合です。ハマクマノミやスパインチークアネモネフィッシュなど性格が非常に強いクマノミとの混泳は上手くいかないことも多いと思われます。無理な混泳を続けると岩陰などに隠れっぱなしになってしまい、激やせして最終的にはストレスで死んでしまうこともありますので、注意が必要です。また、カクレクマノミを入れるときもできるだけ小さい個体を入れた方が混泳しやすいでしょう。

ゼブラハゼとサンゴ・無脊椎動物との相性

▲LPSにもSPSにも無害

遊泳性ハゼはどの種もサンゴには無害ですのでサンゴ水槽での飼育にも適しています。ただしウチウラタコアシサンゴや、クマノミと共生するタイプのイソギンチャクなどは魚を捕食することもあるのでおすすめできません。とくにハゼの仲間は底生、遊泳性問わず襲われることが多いので注意します。

ゼブラハゼと一緒に飼育できる甲殻類は、ゼブラハゼの餌にならず、逆にゼブラハゼを捕食しない甲殻類に限られます。スカンクシュリンプ、ホワイトソックス、キャメルシュリンプ、ペパーミントシュリンプ、フシウデサンゴモエビ、キンチャクガニ、サンゴヤドカリ類などがおすすめです。もちろん共生ハゼと共生するテッポウエビとの飼育も可能です。

ゼブラハゼの飼育まとめ

  • 丈夫で飼育しやすく初心者にもおすすめ
  • 45cm以上の水槽で飼育したい
  • 外部ろ過槽を使う場合は酸欠に注意
  • 飛び出し防止にフタが重要
  • 飾りサンゴやライブロックで隠れ家をつくる
  • 餌は配合餌もよく食べる
  • 背肉が落ちているもの、入荷してすぐのものは購入しない
  • 同種同士、他の遊泳性ハゼとの飼育も可能
  • 気が強い魚との混泳は注意
  • サンゴ水槽での飼育も可
  • 甲殻類との飼育も種類によっては可能
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