ルリスズメダイ(コバルトスズメ)の飼い方~飼育しやすいが混泳は注意 | 海水魚ラボ

ルリスズメダイ(コバルトスズメ)の飼い方~飼育しやすいが混泳は注意

標準和名:ルリスズメダイ
別名:コバルトスズメ
学名:Chrysiptera cyanea(Quoy and Gaimard, 1825)
分類:スズキ目・スズキ亜目・スズメダイ科・ソラスズメダイ亜科・ルリスズメダイ属
全長:7cm

ルリスズメダイは観賞魚として販売されている海水魚のなかでも、もっともよく知られている種のひとつです。鮮やかな青い色彩、丈夫、そして安価と初心者向けの3つの要素をもっています。しかし性格がきつく、混泳には注意が必要です。

ルリスズメダイってどんな魚?

ルリスズメダイの分類

ルリスズメダイはスズメダイ科のルリスズメダイ属の魚です。ルリスズメダイ属にはほかにセナキルリスズメダイ、シリキルリスズメダイ、スプリンガーズデムワーゼルなどの青いスズメダイが多く含まれますが、本州から九州で見られる青色のスズメダイであるソラスズメダイはこの仲間には含まれません

インド-中央太平洋の熱帯から30種類以上が知られ、日本にはそのうちの10種類が分布します。

ルリスズメダイの雌は尾鰭が透明で従来は「コバルトスズメ」とよばれ別種とされていました。今でも観賞魚店ではこの名前で販売されていることもあります。

▲ルリスズメダイの雄。背鰭・臀鰭・腹鰭・尾鰭が青い

また海域により色彩や模様に若干の変異があり、パラオでは腹部や尾鰭が鮮やかなオレンジ色のものも知られています。ルリスズメダイ属の魚は海域による色彩の変異と思われていたものが別種とされるなどしているので、パラオの個体も将来的には別種とされるかもしれません。

▲ルリスズメダイの雌。背鰭軟条部・臀鰭・腹鰭・尾鰭が青くない

ルリスズメダイとソラスズメダイとの違い

ルリスズメダイとソラスズメダイはどちらも鮮やかな青い体色が特徴でよく間違えられますが、別の仲間です。ソラスズメダイは尾鰭や臀鰭が黄色っぽくなることがありますが、ルリスズメダイはこれらの鰭が青色または透明で、黄色っぽくなることはありません。

本種は通常の飼育をしている限りではソラスズメダイと違って飼育しているうちに真っ黒になってしまうということはありません。また日本の本州沿岸に生息するのはほとんどがソラスズメダイで、ルリスズメダイは本州ではほとんど見られません。

この2種、およびシリキルリスズメダイとの比較については、こちらの記事もご参照ください。

日本はマリンアクアリストにとって、本当に恵まれた国だと言えます。東京から車で1時間ほど走るだけで青いスズメダイがたくさん見られる海にたどり着...

ルリスズメダイの飼育に適した環境

水槽

ルリスズメダイは小型種なので、幅35cmほどの水槽での飼育も可能ですが、初心者の方は45cm以上、できれば60cm以上の大きさの水槽で飼育するのがベターだといえます。また他の魚との混泳を考える場合も、60cm以上の水槽を用いる必要があります。

ろ過装置

外部ろ過槽のみの使用は酸欠に陥りやすいためあまりおすすめしません。ルリスズメダイは丈夫なスズメダイとはいえ、しっかりした設備でなければ上手く飼育することはできません。

ろ材に酸素がいきわたりやすく、大容量のろ過スペースを確保できる上部ろ過槽、または上部ろ過槽と外部ろ過槽の併用がおすすめです。

水温

サンゴ礁の浅瀬に生息するルリスズメダイは30℃近くの高水温にも耐えられます。しかしながら色があせやすくなる可能性もあり、水温25℃前後での飼育が理想といえます。もちろん熱帯性の魚なのでヒーターも必要です。ヒーターとクーラーを組み合わせて年中25℃前後の水温をキープするようにしましょう。

ルリスズメダイに適した餌

ルリスズメダイは雑食性で動物プランクトンや藻類を主に捕食しています。よほど状態が悪いものでなければすぐに配合飼料を食べてくれるはずです。

藻類も捕食するので植物食魚類向けの配合飼料もたまに与えるとよいでしょう。キョーリンの「メガバイト グリーン」や「海藻70」などの餌が手に入りやすくおすすめです。小ぶりの種ですのでサイズはSサイズがよいでしょう。

ルリスズメダイを入手する

▲ルリスズメダイのふるさと、鹿児島県奄美諸島のサンゴ礁にある潮溜まり

ルリスズメダイは日本ではおもに琉球列島に分布しています。生息地はごく浅いサンゴ礁域で、干潮時にできる潮溜まりにもよく見られます。そのような場所で採集することもできますが、実際は観賞魚店で購入するのが一般的でしょう。

観賞魚としては東南アジアからの輸入もあるのですが、沖縄産の個体が数多く流通されています。沖縄産は輸送時間が短く、よい状態で届くことも多いです。

見るべき場所は他の魚と同じです。鰭に白い点がついていないか、眼が濁っておらず動くものに反応しているか、口がただれていないかなどです。

観賞魚店ではひとつの水槽に多数の個体が入れられています。そのため小競り合いをして鰭が切れていることもあります。少し切れているくらいならば問題ありませんが、大きく鰭や体表が傷ついているものは避けます。また鰭が切れているような感じではなく、鰭が溶けているような個体は絶対に避けます。

また観賞魚店で購入する時、水槽に「3匹○○○円!」なんて書いてある場合もありますが、狭い家庭用の水槽では同種では1匹またはペアしか飼育できませんので注意が必要です。お店の水槽では多数入っていることも多いのですが、一般にお店の水槽は連結式のオーバーフロー水槽であることが多くろ過槽が大きくろ材を多数入れられること、あえて多数入れることでなわばりをつくらせないようにしていること、また何か問題があったときにはすぐにほかの水槽に退避させられることなどから、家庭でマネをするのは難しいというものです。

ルリスズメダイの混泳

ルリスズメダイは同種同士で飼育すると、最後の1匹になるまで争います。同種同士の混泳を避け、別の種類の魚と飼育するようにします。

ルリスズメダイと他の魚との相性

▲ルリスズメダイよりも大きな魚と混泳したい

ルリスズメダイはかなり気が強く、小さな水槽ではほかの魚をいじめてしまう恐れがあります。60cm以上の水槽では他の魚との混泳も可能なのですが、小さなハゼなどとの混泳はルリスズメダイがハゼなどを攻撃をして、ぼろぼろにしてしまうこともありますので避けたいところです。

基本的にルリスズメダイよりも大きめの魚との混泳になりますが、ハタやウツボの仲間はルリスズメダイを捕食してしまうことがあるのでやめましょう。混泳相手には中~大型ヤッコの仲間、ハギの仲間、ツバメウオの仲間など大きくても他の魚を捕食しない魚が適しています。

ルリスズメダイとサンゴ・無脊椎動物との相性

▲水族館のサンゴ水槽でおよぐルリスズメダイ

ルリスズメダイは基本的にサンゴに無害ですが、砂をほることがありますので砂がサンゴにかかっていないか、岩組が崩れてしまっていないか注意しましょう。浅瀬に多い本種の生息環境を考えますと深場に多いLPSよりはソフトコーラルやミドリイシの水槽が似合います。

無脊椎動物のうち、甲殻類はスズメダイに襲われる可能性もありますので、小型のものは避けます。クリーナーシュリンプや大きめのペパーミントシュリンプ、サンゴヤドカリなどの種類が適しています。

ルリスズメダイの飼育まとめ

  • 雌雄で色彩が異なり、雌はかつてコバルトスズメとも呼ばれていた
  • 45cm以上の水槽で飼育する
  • ろ過装置は上部ろ過槽。または上部ろ過槽と外部ろ過槽の併用
  • 水温は年中25℃前後をキープする
  • 餌はよく食べる。植物質の餌も与えたい
  • 鰭に白い点がついていたり、鰭が溶けているのは避ける
  • 眼がにごらず動くものに反応しているものを
  • 狭い水槽では1匹かペアでしか買えない
  • ルリスズメダイより大きめの魚との混泳は可能
  • サンゴには概ね無害。エビも種類によって混泳可能
強烈な日光が照りつける亜熱帯の海。潮溜まりを覗くとたくさんの青い宝石のような小魚がタイドプールで泳いでいる様子を見ることができます。...

シェアしてね

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSやってます