ソラスズメダイの飼育方法~色の変化・混泳・餌まとめ

日本はマリンアクアリストにとって、本当に恵まれた国だと言えます。東京から車で1時間ほど走るだけで青いスズメダイがたくさん見られる海にたどり着けるのです。

関東で見られる青いスズメダイはほとんどがこのソラスズメダイという種類です。このソラスズメダイを上手く飼育するのにはどうしたらよいでしょうか。

ソラスズメダイってどんな魚?

ソラスズメダイは青森県下北半島および新潟県以南の各地の海に生息するスズメダイの仲間です。ソラスズメダイ属の中でも温帯に適応している種で、本州から九州までの各地沿岸で見られる「青いスズメダイ」といえば、大体が本種ソラスズメダイです。

ソラスズメダイとルリスズメダイ属との違い・比較

ソラスズメダイはよく、ルリスズメダイや、シリキルリスズメダイと、間違えられることがあります。ソラスズメダイは、ソラスズメダイ属、ルリスズメダイやシリキルリスズメダイは、ルリスズメダイ属で、それぞれ別の属ですが、その3種に共通する鮮やかなブルーの色彩から間違えられることも多いのです。

▲ソラスズメダイ。尾鰭や臀鰭が黄色になっているが、個体や状態により色彩変化が著しい。

▲シリキルリスズメダイ。臀鰭は黄色ではない。

シリキルリスズメダイの背鰭軟条数は10~12、臀鰭軟条数は13~14で、それぞれ13~15、14~15のソラスズメダイとは若干異なります。しかし、これらはしっかり見ないとわかりにくい特徴です。

もっとも見分けやすい特徴は色彩です。尾柄部や尾鰭が黄色で、臀鰭は青と透明で、黄色になりません。ソラスズメダイは尾柄部や尾鰭のほか、臀鰭も黄色っぽくなることがあります。

▲鰭の名称と位置

▲ルリスズメダイ

ルリスズメダイは体が一様に青色で、ソラスズメダイのように、尾や臀鰭が黄色になることがある、ということはありません。ただし、パラオなどで見られるルリスズメダイは尾鰭がオレンジ色になることで知られています。

また青いスズメダイのなかで本州で採集できるのは、ほとんどがソラスズメダイといえそうです。ルリスズメダイは和歌山県や高知県などからの記録もあるのですが、主に屋久島以南に分布します。シリキルリスズメダイは、主に沖縄諸島以南に分布します。

ソラスズメダイに適した飼育環境

水槽

ソラスズメダイは小型水槽でも飼育できないわけではありませんが、できれば60cm以上の水槽で飼育したいものです。

60cm水槽であれば、同種同士はもちろん、そのほかの強めの魚との混泳も楽しむことができるでしょう。また本種の成長は早く、すぐに大きくなるので、いずれ小型水槽は狭くなってしまいます。どちらにしろ60cm水槽が必要になります。

ろ過槽

外部ろ過槽は便利ではありますが、酸欠に陥りやすいという問題がありますので、ソラスズメダイの飼育を考えた場合、上部ろ過槽をおすすめします。

クーラーや殺菌灯と接続するために外部ろ過槽を使用したいときは、上部ろ過槽と併用するとよいでしょう。もちろん、マキシジェットなどの水中ポンプを使ってクーラーや殺菌灯などの器具を接続する方法もあります。

水温

23~26℃と、ほかの熱帯性海水魚と同じくらいの水温で飼育します。磯で採集してきた個体は23℃前後のやや低めの水温で飼育するのもよいでしょう。温帯にも生息していることから低温への耐性もあります。重要なのは温度が安定していることで、ヒーターや水槽用クーラーを使って対応します。

飾りサンゴ・ライブロック

▲岩の隙間をおよぐソラスズメダイ

ソラスズメダイを複数個体飼育するのであれば、それぞれの魚が縄張りを主張できるように多数の飾りサンゴやサンゴ岩、ライブロックなどを入れておくようにします。

ソラスズメダイにおすすめの餌

ソラスズメダイは雑食性の魚です。よほど状態が悪い個体でなければ、到着して翌日には配合飼料をよく食べてくれます。

ソラスズメダイの仲間は藻類なども多少捕食するため、植物質の餌もあげるとよいでしょう。別に植物質の餌といっても、海藻類を与えるというのではなく、メガバイトグリーンなど、植物食魚類用の配合飼料を与えるようにすればよいのです。プランクトンフードもたまにあげるとよいのですが、与えすぎは水を汚すので、ほどほどにします。

ソラスズメダイを入手する

ソラスズメダイは磯遊びで採集されることが多いです。太平洋岸はもちろん、新潟県以南の日本海岸にも見られ、入手は難しくありません。

ただし日本海岸では越冬していない可能性もあり、太平洋岸よりは少ないかもしれません。観賞魚店でも東南アジアやインド洋で採集された本種を販売していることがあります。値段は他のスズメダイ同様に安価ですが、それゆえに入荷状況が悪い個体もみられますので注意します。入荷して日が経っていないもの、尾鰭などの鰭が腐ったような個体、鰭や体表が赤みを帯びているのなどの個体は避けるようにすべきです。

写真は筆者が実際に磯で採集したソラスズメダイです。

ソラスズメダイの色が変わった!なぜ?

ソラスズメダイは飼育していると色が黒ずむことがあります。この黒ずみはフレームエンゼルなどで見られる黒ずみとは異なり、照明とは関係がないようです。

黒い色になってしまう理由は不明ですが、黒くなったものでも突然青色に戻ったりすることがあります。現時点では飼育している個体で黒い色を青く戻す方法は明らかになっていません。もちろん、黒くなったからといって海に逃がす・手放すようなことは絶対にしてはいけません。

なお、夜間は体が黒っぽくなり、個体によってはまだら模様を出すことがあります。

▲体色が黒くなったソラスズメダイ。この状態から青くなることも。

▲夜間のソラスズメダイ。

▲別の個体。黒くなったり青くなったりすることもある。

ソラスズメダイの混泳

ソラスズメダイ同種同士の混泳

ソラスズメダイは海では群れで生活していますが、水槽内で飼育する際は同種同士の混泳に注意しなければなりません。ルリスズメダイよりはおとなしいほうですがそれでも気が強い種になります。

幼魚のうちは複数飼育も容易ですが、成魚を複数入れるのであれば、上でも述べたようにサンゴ岩やライブロックで隠れ家などを作ってあげるようにします。

ソラスズメダイと他魚との混泳

ソラスズメダイはミツボシクロスズメダイなどと比べると協調性はあるようですが、狭い水槽で他の魚と混泳するのは出来れば避けたいところです。

60cm水槽であれば他のスズメダイの仲間や、テンジクダイ、ベラなど色々な魚との混泳が楽しめますが、小型のハゼなどとの混泳には注意した方がよいでしょう。また、ウツボの仲間などのようにソラスズメダイを食べてしまう恐れがあるような魚との混泳は困難です。

ソラスズメダイとサンゴ・無脊椎動物との相性

ソラスズメダイはサンゴには無害です。水量豊富なサンゴ水槽でソラスズメダイを群れで泳がせると非常に美しい水景ができるでしょう。

ただ無脊椎動物は、小型甲殻類を食べてしまう恐れがありますので、注意します。スカンクシュリンプやホワイトソックス、サンゴヤドカリなどとは一緒に飼育できますが、オトヒメエビやイセエビの仲間はサイズによっては本種を襲ってしまうこともあるので、注意が必要です。

ソラスズメダイの飼育まとめ

  • 関東地方の海で見られる青いスズメダイはほとんどがソラスズメダイ
  • ルリスズメダイやシリキルリスズメダイと間違えられやすい
  • 60cm以上の水槽と上部ろ過槽の使用がおすすめ
  • 水温は23~26℃をキープするようにしたい。安定していることが重要
  • 縄張りを作れるように飾りサンゴやライブロックを入れる
  • 餌付きはよく配合飼料をすぐ食べてくれる。植物食用の餌を与えるのもよい
  • 体色が黒くなることも。青色を長く維持する方法はよくわかっていない
  • 同種同士では争うので注意
  • 大きめの水槽では他種との混泳も可能
  • サンゴには無害だが甲殻類を捕食する恐れも

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