フリーワード検索
海水魚の記事
サンゴの記事

2022.08.09 (公開 2017.10.30) 餌・添加剤

冷凍餌「クリーン ホワイトシュリンプ」の与え方(海水魚用)

キョーリンから販売されている「キョーリン クリーン ホワイトシュリンプ」は、日本国内で最も容易に手に入る海水魚向けの冷凍餌です。

ホワイトシュリンプは小型のハゼから大きめのテンジクダイまで、さまざまな魚やサンゴが好んで食べる、おすすめの餌です。この餌を魚やサンゴに給餌する際に必要なポイントや注意点をご紹介します。

ホワイトシュリンプとは

▲ホワイトシュリンプ(目盛は1mm)

ホワイトシュリンプとは、訳せば「白いエビ」となりますが、人間の食用になるシラエビのことではなく、イサザアミのことです。イサザアミはエビに似ており同じ甲殻類の仲間ですが、エビとはまた違った仲間になります。

このイサザアミの生きているものはヨウジウオやタツノオトシゴなど、人工餌に餌付かない、もしくは餌付きにくい魚に適した活き餌としても販売されています。

ホワイトシュリンプをおすすめする理由

私がホワイトシュリンプをおすすめする理由を以下に挙げます。このほかに私自身が長いことこの餌を魚に与えており、安心して与えられるのもおすすめする理由のひとつといえそうです。

魚が好んで食べる

▲ベラ類はホワイトシュリンプを好んで食べる

イサザアミなどの小型甲殻類は多くの魚が好んで食べます。小型のベラ、ハゼ、バスレットやハナダイ、テンジクダイなど動物食性の小魚だけでなく、雑食性のクマノミやスズメダイ、ヤッコの仲間、あるいは藻類をこのむハギやアイゴなどの魚も食べます。

しかしただ食いがよいだけではいけません。栄養面もしっかりしていないとよい餌とはいえないのです。ビタミンをたっぷりとイサザアミに取り込ませてから急速冷凍したもので、この面もクリアしています。

サンゴも喜んで食べる

▲オオバナサンゴなどのLPSはよく食べる

ホワイトシュリンプは魚だけでなくサンゴに給餌してもよく食べます。ただしどんなサンゴでも捕食するというわけでなく、ハナガタサンゴやオオバナサンゴ、カクオオトゲキクメイシ、コハナガタサンゴ、キッカサンゴ、スコリミアなどの種類はよく食べますがミドリイシ、コモンサンゴといったSPSやハナガササンゴなどのLPSには大きすぎるようです。

このほかソフトコーラルでもイソギンチャクに近い仲間であるマメスナギンチャクやヘアリーディスク、バブルディスクなどの種類は好んで食べます。しかし個体によっては大きすぎるので、コペポーダなど別の種類の冷凍餌や、粉末状の配合飼料の方が向いているかもしれません。

病原菌を持ちこまない

このクリーンホワイトシュリンプは、UV殺菌などを施しているため病原菌を持ちこむ可能性が低いのもうれしいところです。

ホワイトシュリンプのデメリット

その一方で、ホワイトシュリンプのデメリットもあります。もっとも、このホワイトシュリンプ以外の冷凍餌にもあてはまるデメリットといえそうです。

活きたイサザアミより反応が悪い

▲活き餌を好むタツノオトシゴの野生個体は反応がイマイチ

ホワイトシュリンプは栄養面で優れている餌なのですが、あくまでも冷凍された「死に餌」といえます。ある種のカサゴ類やタツノオトシゴなどのように、活きた餌に反応するが、死んだ餌に見向きをしないような魚に与えても反応が悪いのです。

水を汚すおそれがある

このホワイトシュリンプは「クリーン ホワイトシュリンプ」という名前で販売されており、先ほども述べたように病原菌を水槽に持ち込まないようにUV殺菌などの処理を施しているのですが、栄養塩は水槽に持ち込むことになります。ですから与えすぎは水質悪化につながるおそれがありますので、注意しなければなりません。

保管には冷凍庫が必要

これはこの製品だけでなく、アカムシ(カの幼虫)や、ブラインシュリンプ、ワムシといった他のすべての冷凍飼料にあてはまるデメリットといえます。家族に冷凍庫に魚の餌を持ち込むのは嫌といわれることもあるのが現状です。そのようなときは冷凍餌をジッパー袋などに入れておく必要があります。

ホワイトシュリンプの与え方

用意するもの

▲キョーリン クリーン ホワイトシュリンプ

▲スポイト(ロングタイプが望ましい)と小さな容器

ホワイトシュリンプの与え方

ホワイトシュリンプを容器に入れます。容器をひっくり返して押すだけなので簡単で、手で直接餌に触れる必要もなく、清潔です。

スポイトで容器に飼育水を入れて溶かします。5~10分ほど溶けるのを待ちます。

スポイトでホワイトシュリンプを水ごと吸い取って、魚やサンゴに直接与えます。魚に与えるときは水中ポンプの流れに乗せてあたえてもよいですし、直接魚の前にもっていって与えてもよいです。

ホワイトシュリンプをサンゴに給餌するときは、水流を止め、サンゴのポリプの上に直接振りかけるようにして与えます。なお、スポイトでサンゴをつついてはいけません。驚いてポリプを引っ込めてしまいます。

ホワイトシュリンプをそのまま魚に与えてももちろんよいのですが、添加剤でさらに栄養強化をするのもおすすめです。

日本においてはマーフィードが輸入販売するブライトウェルアクアティクス「アミノメガ」は魚に必須のアミノ酸や高度不飽和脂肪酸を供給します。同じくブライトウェルの「ガーリックパワー」を供給すれば、ガーリックエキスにより魚の抵抗力を高めることができるでしょう。

オーバーフロー水槽での給餌

オーバーフロー水槽で給餌するときは、あらかじめ循環させるポンプを止めてから与えるようにします。そうしないと、サンプにホワイトシュリンプが落っこちてしまい、ロスが出てしまいます。

もちろん給餌を終えた後は再度循環ポンプを始動させます。そうでないと水が循環せず魚やサンゴを死なせる恐れがあります。

キョーリン クリーン ホワイトシュリンプまとめ

  • 魚やサンゴが喜んで食べ栄養面もしっかりしている
  • 殺菌されており、病原菌を持ちこみにくい
  • 与えすぎると水を汚すおそれも
  • 冷凍餌なので当然冷凍庫で保存する
  • 解凍してスポイトで与えるとよい
  • スポイトで餌を与えるときにサンゴをつついてはいけない
  • オーバーフロー水槽では給餌のときにだけポンプを止める

なおホワイトシュリンプは冷凍餌です。通販で購入する場合、飛脚クール便などで送料が+1000円ほど高く付きます。そのため1枚だけの購入はコスパが悪く、まとめ買いあるいはお近くの海水魚店で直接購入した方が良いでしょう。

フリーワード検索
海水魚の記事
サンゴの記事
    もっと読む