2020.09.25 (公開 2019.09.02) 餌・添加剤
海水魚・サンゴの飼育におすすめ「添加剤」ランキングBEST3
添加剤は海水魚やサンゴを飼育している飼育水に添加することにより、魚やサンゴなどの活動やプロテインスキマーにより失われてしまう成分を補充したり、海水の元素同士のバランスを整えたりします。しかし、その添加剤にもさまざまなブランドがあり、初心者用のものから上級者向けのものまでさまざま。ここでは初心者におすすめの添加剤をランキング形式でご紹介します。
添加剤とは
海水魚やサンゴが生息していた海の水はただの塩水ではなく、多種の元素から構成されています。その元素は魚やサンゴなどの活動により吸収・消費されたり、プロテインスキマーにより水槽から取り除かれるなどして、日々減っていきます。
私たちが「趣味」と称して14億㎦の海から水量100リットルそこらの水槽に魚を連れてくるわけですから、せめてその飼育水を、海水魚やサンゴが生息していた「海」に近いものにしてあげたいものです。その飼育水を「海の水」に近づけるもののひとつが添加剤といえます。
なお、添加剤はどのようなものかについては、こちらをご覧ください。
初心者におすすめできる添加剤とは
上記のように、添加剤は魚を飼育している海水を海の水に近づけるために重要なアイテムといえます。しかし観賞魚店では様々なブランドの添加剤が並び、どの添加剤がよいのか迷ってしまうこともあります。
昨今アクアリウムメーカーがさまざまな添加剤を販売していますが、その中には初心者向けの添加剤もあれば、ベテランが使うようなミドリイシなどの色揚げ用の添加剤もあります。今回は色揚げなどではなく、魚やサンゴの健全な飼育や育成に重点を置いた、基礎的な添加剤を中心にご紹介します。また、どれほどよい添加剤であっても、販売店が少ないようでは意味がありません。取扱店舗数が多い、あるいはECモールなどでも気軽に購入できるようなものがよいでしょう。
ひとつの添加剤に複数の成分が含まれているようなものがあります。このような添加剤はひとつ購入すればさまざまな元素を供給できるためよいのですが、ほかの添加剤と併用した場合元素の量が過多になってバランスを崩したりすることもあるため、おすすめはしにくいです。とくに微量元素(トレースエレメントとも)の添加剤は要注意です。例えば鉄分などは微量元素添加剤の中に入っていることも多く過多になりやすいといえるので注意が必要です。またひとつの水槽で使うのはひとつのブランドにとどめておくのが無難です。
おすすめ添加剤ランキング
1位:マーフィード ブライトウェルシリーズ
▲我が家で使用している添加剤(カルシウムのみ他社製です…)
米国のブライトウェル アクアティクス社の製品で、国内では浄水器や「ケント」ブランドでお馴染みのマーフィードが取り扱う添加剤です。なぜ一番おすすめなのかというと、「かゆいところに手が届く」豊富な商品のラインナップと、入手のしやすさが理由です。
一般的な元素であるカルシウム、ストロンチウム、マグネシウム、カリウム(ポタシウム)、鉄、ヨウ素などのほか、微量元素のリプレニッシュというのが、ブライトウェルによる元素添加の基本アイテムです(ただし、初心者は鉄を供給するフェリオンとリプレニッシュの併用は避けた方がいいかもしれません)。さらにカルシウム、ストロンチウム、ポタシウム、マグネシウム、炭酸塩を1本で水槽に供給できる「リキッドリーフ」という製品もあります。
さらにサンゴ用のビタミン・ミネラル補給剤である「コーラルVM」や、サンゴの色揚げに使う「コーラルカラー」、サンゴ用のアミノ酸「コーラルアミノ」、サンゴ白化からの回復を促す「リストア」といったものや、魚へのアミノ酸供給剤「アミノメガ」やpHプラス、アルカリン8.3など、魚水槽用のアイテムも充実しています。大手海水魚店であればたいてい取り扱っており、アマゾンや楽天、チャームといった大手ECサイトでの購入もできるなど、入手もしやすくおすすめで、我が家でもカルシウムを除きこのメーカーの商品を使用しています。
2位:デルフィス ライブシーシリーズ
▲ライブシーシリーズの添加剤
デルフィスが販売する、数少ない国産ブランドの「ライブシー」シリーズ。ラインナップ種数は「ブライトウェル」に比べると少ないものの、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、アイオダイン(ヨウ素)の4つと微量元素を供給する「コンビネーション1」、アミノ酸などを供給する「コンビネーション2」、2種類のpH緩衝剤の計8種類をラインナップ。大型水槽向けに1000mlのものも販売されているところも嬉しいポイントといえるでしょう(緩衝剤とコンビネーション2はのぞく)。また、アイオダインのJr.サイズを除き、計量カップがついているのもうれしいポイントです。ただし、デルフィス製品は2019年8月末現在チャームでは販売されていないようです。アマゾンや楽天で購入しましょう。
また、サンゴ水槽で使用する「BactVill(バクトビル)」という商品もあります。これは水槽内の脱窒菌の働きを活性化させ、硝酸塩を除去するという添加剤です。
3位:エムエムシー企画 レッドシー
▲「リーフファンデーションプログラム」で使用する添加剤
レッドシーは「レッドシーソルト」でお馴染みのイスラエルのメーカーですが、色々な添加剤をリリースしています。「リーフケアプログラム」といい、サンゴが健康な状態を維持したり成長を促進させるためのプログラムで、いくつかのサブプログラムに分かれています。カルシウムやマグネシウムといった主要元素からサンゴの色揚げ用の微量元素添加剤までさまざまなアイテムがそろいます。
元素供給の添加剤のほかに、コケの発生を抑える有機炭素源「NO3:Po4-X」、サンゴの栄養となる餌を供給する「リーフエナジー」などさまざまな商品があり迷ってしまいますが、まずはベースとなるサブプログラム「リーフファンデーションエレメンツ」(カルシウムとアルカリ度、マグネシウムを適切な濃度で維持)からスタートするとよいでしょう。このサブプログラムで使用するのは3種の添加剤で、3種の添加剤がすべて配合されたものも販売されています。
リーフケアプログラムを実行するのであればマニュアルをよく読む必要があります。マニュアルはレッドシーホームページ(外部リンク:https://www.redseafish.com/ja/)から無料ダウンロードできます。