2020.07.01 (公開 2020.03.04) 餌・添加剤
【海水魚用餌】粒餌とフレークの違い~どちらの餌が適している?
海水魚の配合飼料では粒餌かフレークフードのどちらかがほとんどです。粒餌は生き餌や冷凍餌しか食わない魚をのぞき、ほとんどの魚に適しているという特徴があり、一方のフレークは長いこと水面に浮かんでいるため魚にとって見えやすいという特徴があります。今回は粒餌とフレークフードの違いと、どちらの餌が魚に適しているかをご紹介します。
粒餌とは
▲ひかりメガバイトの粒(Sサイズ)
その名の通り粒状の餌です。フレークよりも沈みやすいものが多く、カクレクマノミやハタタテハゼといった遊泳性の魚から底のほうにいるハゼやネズッポの類まで多くの海水魚に適していることから、近年はこのタイプが海水魚の餌の主流となっています。なお、粒餌には正確には成形方法などにより顆粒、クランブル、ペレットフードなどに分けられますが、ここではひとまとめに「粒餌」として扱います。
主なブランド
▲おすすめの配合飼料「メガバイトレッド」
ヒカリ(キョーリン)の「メガバイト」、マリンテック(日本海水)の「シュアー」、ライブシー(デルフィス)の「デルマリンフードEX」「デルベビー海水用」、どじょう養殖研究所の「シグマ・グロウ」、バイタリス(エムエムシー企画)の「マリンペレット」などがあげられ、このほかにもショップオリジナルのものなどいろいろな種類の粒餌があります。私がこの中でおすすめするのはキョーリンのメガバイト レッド。食いがよいほか、国内の工場で製造されており、安定して供給ができること、多くのお店で扱いがあること、つまり購入しやすいのもメリットです。
メガバイトシリーズはレッドのほかに藻類を好む魚に適した「メガバイト グリーン」、さらにメガバイトグリーンをベースにした「海藻70」もあり、これらはヤッコやスズメダイ、藻類食の強いカエルウオの仲間やハギ(ニザダイ)の仲間に最適です。個人的には粒状を買うか、フレークを買うかで悩んだら粒状の餌をおすすめしています。
与え方
▲メガバイト レッドのMサイズを海水魚に与える
プラスチック製のスプーンが付属していることが多いです。魚の数にもよりますが、60~90cm水槽でカクレクマノミとほか何種かの魚を飼育している水槽にメガバイトレッドのSサイズを与えるのであれば1日に1~2回与えるとよいでしょう。また、小さな容器の中に粒餌を入れ、それに水を加えて沈ませてからスポイトなどで魚に与えるのもよい方法で、特にハゼなど水槽の底のほうにいる魚用の餌としてもよいのですが、このような餌の与え方は水を汚しやすいので量は少なめにしておきましょう。
対象魚種
▲多くの海水魚に最適
配合飼料を食べるような魚であればどんな種類にも与えることができます。ヤッコの仲間、チョウチョウウオの仲間、テンジクダイ、バスレットなどはこれでもフレークフードでもよいのですが、カエルウオの仲間、底生ハゼの仲間、ネズッポの仲間、といった魚はフレークフードよりもこちらの餌のほうが適していると思われます。結論として生き餌しか食わないような魚や、ヨウジウオやニシキテグリなど餌が特殊な魚以外は、この粒餌で間に合ってしまうことも多い万能フードといえます。私も底生のハゼなどを多く飼育しているため、フレークフードではなく粒餌を多く与えています。
フレークフードとは
▲キョーリンのマリンプロスグリーン
フレークフードはフレーク(薄片)の名の通り薄っぺらい餌です。水面に浮かびなかなか沈まず、魚に見えやすく、食べるときに魚自身が口でちぎって食べることができるというメリットがあります。その一方デメリットとして、沈むスピードが遅いので、いつも底のほうにいる魚や口の細い魚などは食べにくかったり、餌がフロー管などに詰まりやすいということもあります。また薄っぺらな分量的にも少ない餌ですので、魚の種類によっては餌が足りなくなってしまう可能性もあります。
主なブランド
ヒカリの「マリンプロス」シリーズ、テトラ(スペクトラムブランズ)の「テトラ マリンフレーク」、BCUKアクアティクス(LSS研究所) 「マリンフレーク」「ベジフレーク」など、こちらもさまざまな商品があります。おすすめはマリンプロスで、一般的な海水魚向けの「レッド」と、ナンヨウハギなど藻類を食う魚向けの「グリーン」の2種類があります。またキョーリンやテトラはほとんどどのアクアリウムショップでも取扱いがあり、入手しやすいです。ただし私は従来はよく使用していたものの、最近は粒餌をメインにしており、ほとんどフレークは使っていません。
与え方
オーバーフロー水槽ではフレークフードはフローパイプに吸われてしまうことも多く、なるべく循環ポンプを止めてから給餌するようにします。薄っぺらで量が少ないフレークフードだからといって、一度に与える量が多すぎるのはだめです。できれば1日2回くらいに分けて与えるとよいでしょう。また勢い余って魚が水槽の外へと飛び出して死んでしまう、という事故を防ぐためにも、フタはしっかりしておきたいものです。
対象魚種
▲ネズッポの仲間などには向いていない
フレークフードはなかなか沈まず、底のほうにいるハゼなどには食べにくいです。またそれに加えてネズッポなど口が小さな魚の餌としてもあまり向いていないといえます。そのため、私は最近はフレークフードはあまり与えていません。そのため表層から中層を泳ぎまわるスズメダイやクマノミ、ハナダイ、ベラなどの餌として与えるとよいでしょう。
まとめ
- 粒餌はほとんどの海水魚に最適な餌
- 粒餌は泳ぎ回るものから底生魚まで与えられる
- フレークは浮かんでいる時間が長く魚が見つけやすい
- フレークは薄い分量的に少ない
- フレークはネズッポなど口が小さい魚には向かない
- 迷ったら粒状の餌がおすすめ