【キョーリン海藻70】ハギやアイゴにおすすめの餌~食いつきや成分を検証

アイゴやニザダイ(ハギ)、カエルウオの仲間を「コケ取り」として水槽に入れるアクアリストは多いです。しかし、この魚たちは意外と多量の餌を食べるのでコケがないと飢え死にしてしまうおそれがあるため、必ず植物食性魚類用の餌を与える必要があります。今回紹介する「海藻70」は植物食魚用の餌として最適なもののひとつです。

キョーリン海藻70 製品の概要

▲キョーリンの配合飼料いろいろ。手前が海水魚用、奥は淡水魚用。

海藻70は兵庫県姫路市に本社を置く、観賞魚・両生類・爬虫類等のフードを製造するメーカー、株式会社キョーリンの配合飼料です。キョーリンは観賞魚卸業者、観賞魚用品輸入業者としてもよく知られているカミハタのグループ会社です。その中でキョーリンは主にエサの製造を行うメーカーで、海水魚の配合飼料や、以前ご紹介した冷凍のプランクトンフードなど、さまざまな餌を作ったり、輸入したりしています。

キョーリン製の海水魚用餌としては粒状の配合飼料である「メガバイト」シリーズが有名です。植物食性の海水魚用餌としては「メガバイト グリーン」がありますが、この商品はそのメガバイト グリーンをベースに海藻類を70%も含んでおり、それがこの餌の名称となっています。

粒の大きさ

粒の大きさはSサイズとMサイズの2種類があります。メガバイトと異なり、Lサイズはありません(そもそも販売開始当初はメガバイトにもLサイズはありませんでした)。

Mサイズは直径2.5~3mmくらいの大きさの粒です。粒が沈むのが早く、いつも底の方にいるカエルウオの仲間や、大きめの餌を好む中・大型ヤッコ、ブダイの仲間に最適の餌です。

Sサイズのほうは直径1.5mmほどの大きさの粒です。クマノミや小型ヤッコ、ニザダイなどのほか、カエルウオの小型種や幼魚などにもおすすめです。ただしMサイズよりも浮いている時間が長いため、オーバーフロー水槽ではロスも出やすいので、そのあたりは考慮する必要があります。

メガバイトはLサイズを除き50g入りの容器でしか販売されませんが、海藻70はSサイズ、Mサイズともに80g入りの容器で販売されており、お値段もメガバイトと変わりません。ナンヨウハギなどの大食漢を飼育しているアクアリストにもうれしいところ。

どんな魚に適している?

海藻類を70%も含んでいるため、植物食性の魚に向いていますが、クマノミやヤッコなどの雑食性の魚も好んで食べます。

スズメダイ・クマノミの仲間

▲スズメダイの仲間は雑食性。植物質の餌も与えたい。

スズメダイの仲間はほとんどの種類が雑食性で、とくに浅い潮溜まりに生息するような魚は植物食性が強いものが多いです。鮮やかな青色が美しいルリスズメダイの仲間は雑食性で、動物プランクトンや小動物のほかに、藻類も捕食しています。

このほかにオヤビッチャの仲間、ソラスズメダイの仲間、クマノミの仲間も藻類を捕食し、クロソラスズメダイなど、ある種の藻類が生えるところに縄張りをもち、その藻類を大きくなるまで守る習性があり、英語では「Farmerfish」(農場主の魚)とも呼ばれています。一方でデバスズメダイの仲間は主に動物プランクトンを捕食する種類ですが、植物質の餌も不要というわけではないようです。

ヤッコ(キンチャクダイ)の仲間

▲多くのヤッコは植物質の餌を欲している

大型ヤッコ・小型ヤッコ問わず雑食性のものが多いです。俗に「ゲニカン」と呼ばれるタテジマヤッコ属のものは動物プランクトン食性が強いですが、ホラカンタス、ポマカントゥス、カエトドントプルス、ケントロピーゲ、シテンヤッコ、ニシキヤッコなど、多くの種が藻類や付着生物などを捕食する雑食性です。

適した粒の大きさはヤッコの種類やサイズによって違います。ケントロピーゲや中・大型ヤッコの子はSサイズのほうがよいかもしれません。

フグの仲間

▲キタマクラ属のフグは底生動物のほか、藻類も食う

フグの仲間も藻類をメインで食べるというよりは、海中の生物ならほとんどなんでも食う種といえます。海藻70にはフィッシュミールやオキアミミールなどの動物由来の生物も含むため、このような雑食性の餌にも適しています。

ニザダイの仲間

▲クロハギ属のパウダーブルータン。藻類を主食とする大食漢。

ニザダイの仲間は多くの種が藻類を好んで食べ、底生小動物や動物プランクトンを食うものもいますが、藻類もよく食べています。しかもかなりの大食漢で、幼魚のうちからたくさん食べさせる必要があります。大きく成長するのを嫌がり給餌を渋ると障害がでることがありますので、特に幼魚のうちは餌をたっぷり与えるようにします。餌場では群れで見られますが、狭い水槽ではかなり激しく争うので注意が必要です。

コーレタンやトミニエンシスタンなど、サザナミハギ属の魚は藻類を捕食することでコケ取り役として水槽に入れられますが、水槽に生えるコケだけでは長生きしませんので、この海藻70を食べさせてあげたいものです。

アイゴの仲間

▲ヒフキアイゴも藻類食を中心とした雑食性

アイゴ科魚類もほぼすべての種類が藻類食を中心とした雑食性で、コケ取りとして水槽に入れられることがありますが、コケを食わせるだけでは長生きしないのでぜひとも海藻70を食べさせてあげたいところです。

カエルウオの仲間

▲自家採集も可能なカエルウオ(カエルウオ族)

▲アクアリストにとくに人気の大型種、ヤエヤマギンポ(カエルウオ族)

▲温帯域にすみ、黄色い体色が美しいナベカ(ナベカ族)

イソギンポ科の魚の中でも藻類を主に捕食するのはカエルウオ族の魚です。カエルウオ族の魚は海では常にコケを食み、おなかがふっくらしていることが多いのです。水槽ではコケとりとして入れられますが、アイゴの仲間と同様にライブロックや水槽壁面に生えたコケを食べさせるだけでは長生きできないので、必ず植物食性魚用の餌を与えるようにします。海藻70はSサイズ、Lサイズとそろっており、カエルウオの口にあったサイズを選択することができます。

カエルウオ族のほか、イソギンポ族の魚やナベカ族の魚も雑食性が強く、残り餌だけでなくコケも少しですが食べてくれます。そのような魚にも海藻70は適しています。

ブダイの仲間

▲ブダイの仲間は藻類食のものが多い

ブダイの仲間も藻類を好んで捕食する魚として有名で、死サンゴについた海藻を削りとるようにして捕食します。ほかにアマモなどの海草を食べたり、生きたサンゴを食べるものもいます。ブダイの仲間は飼育下では動物質の餌も食べ、海釣りではオキアミで釣れることもありますが、一般的にアオブダイ属やハゲブダイ属は藻類が主食ですので、この餌を上手く使って育てたいものです。ただし水槽内でも大きくなりますので、大型水槽などで飼育したいものです。タンクメイトはヤッコやハギなど、それなりに大きい魚が向いています。

そのほか

▲ボラの仲間の幼魚。多少はコケを食べてくれるがそれだけでは長生きしない

上で挙げたほかにもさまざまな魚が藻類を捕食します。イスズミの仲間、メジナの仲間、ティラピアの仲間、タイの仲間(特にクロダイ類)などは雑食性で、釣りでは甲殻類や魚をミンチにしたもの、アサリのむき身などで釣れるのですが、このほか付着藻類や海藻なども捕食しています。チョウチョウウオの仲間のうち雑食性のものは藻類を啄んで食べたりします。

砂地に生息するボラの仲間は、砂や岩についているコケや微小生物などを捕食しており、底砂浄化のために水槽に入れられることがあります。しかし実際には雑食性で、水槽では配合飼料などをよく食べます。他の魚には悪さをすることは少ないですが、すぐに大きくなってしまいます。

キョーリン海藻70を実際に魚にあげる

Sサイズであれば、小型のスズメダイでも容易に食べることができます。付属のスプーンを使用し、水槽の上からばら撒くようにして与えるとよいでしょう。スズメダイやクマノミ、小型ヤッコなどに与えるのに適した与え方ですが、オーバーフロー水槽の場合はロスが出やすいというデメリットもあります。

Mサイズは沈みやすいので、上からばらまくだけでもカエルウオの仲間などにいきわたりやすいというメリットがあります。しかしながら粒が大きいため、スズメダイの仲間の小型個体などは食べにくいかもしれません。アイゴは口の中でもぐもぐしたり、餌を口から入れたり出したりしながら食べます。

小さな容器に飼育水をいれ、それに海藻70を入れておきます。10分ほどすると写真のように餌が溶けてきます。これをスポイトを使用して水底のカエルウオや、藻類食性の魚の前にばら撒きます。よく食べますが、水を汚してしまうおそれもありますので注意が必要です。

海藻70の成分

主要成分は海苔、海藻粉末、小麦粉、フィッシュミール(魚粉)、オキアミミールの順番に多いです。海水魚にはやや消化しにくい、とされている小麦粉が入っているのはちょっと残念なところですが、我が家のクマノミやヒフキアイゴにこの餌を与えても特に問題はなさそうに見えます。そのほかに魚に重要なビタミンも強化されています。

参考:外部リンク

株式会社キョーリン

キョーリンによる「海藻70」紹介ページ

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