2020.10.12 (公開 2017.10.07) 海水魚図鑑
ハギ(ニザダイ)の仲間の飼育方法~水槽・餌・混泳の注意点
ハギ(ニザダイ)の仲間は、サンゴ礁にすむ魚の仲間でも派手な色彩で人気がある魚です。鮮やかな色彩で格好いいのですが、性格が強めで、やせやすく、尾に強い棘があるなど、注意しなければならないポイントもいくつかあります。
ナンヨウハギは映画「ファインディング・ドリー」で主役をつとめるなどして人気になりましたが、ハギの仲間を飼育するためのポイントをよく理解しておかなければ長生きさせることは難しいのです。ハギの仲間の基本的な飼育方法をまとめました。
ハギの仲間の分類
「ハギ」という名称は「科」や「属」など、生物の分類上の標準和名ではありません。ハギの仲間はスズキ目・ニザダイ亜目のニザダイ科に含まれる魚です。ニザダイ科は世界で6属と約83種が知られ、主に浅海のサンゴ礁域でその姿をみることができます。このニザダイ科のほかに、カワハギなどの仲間も「ハギ」と呼ばれることがありますが、本項ではカワハギの仲間は扱いません。
ニザダイ科は2ないしは3亜科に分けられます。テングハギの仲間は大きくなり遊泳性が強いものが多く、小型水槽での飼育に適していないものが多いです。一方クロハギの仲間はテングハギと比べるとやや小さく、ほとんどの種が家庭でも飼育を楽しむことができます。
ニザダイ亜目の中には、ニザダイの仲間のほかにツバメウオの仲間、汽水域に多く、淡水の熱帯魚としても扱われることがあるクロホシマンジュウダイの仲間、鮮やかな体色のものも多いアイゴの仲間、外洋性の巨大魚であるアマシイラ、そして熱帯性海水魚らしい見た目のツノダシが含まれます。ニザダイ科の魚は磯釣りで釣れることもありますが、釣り人からはあまり好かれていません。しかしながら刺身などにして美味で、熱帯域では重要な食用魚とされています。
ハギ(ニザダイ)飼育の基本的な環境
水槽
ハギの仲間は成長すると全長30cmを超えるものが多いこと、遊泳力が強いものが多いことから、水槽も90cmから120cmくらいの大型水槽で飼育するようにしたいものです。
ただしキイロハギやトミニエンシスタンなどのように比較的成魚サイズが小さいものは60cm水槽で終生飼育することも不可能ではありません。
▲トミニエンシスタンは成魚でも比較的小型。60cm水槽でも飼育可能。
逆にテングハギなど、大型になりかつ遊泳力が強い種は3mほどの巨大な水槽が必要になってきます。外国の家庭では巨大水槽でテングハギの仲間を上手く飼育している例もありますが、我が国の住宅事情ではちょっと難しいかもしれません。
▲テングハギの仲間の成魚を飼うなら水族館レベルの水槽が必要になることも。
ハギといえば「ドリー」ことナンヨウハギですが、ナンヨウハギも小さいうちは60cm水槽で飼育することができます。しかしナンヨウハギは成長が非常に早く、終生飼育するには90cm以上の水槽が必要になるため注意して下さい。
ろ過装置
ハギはよく餌を食べ、きれいな水を好むためろ過装置も強力なものが必要になります。上部ろ過槽と外部ろ過槽を併用したり、あるいは大容量のろ過スペースを確保できるオーバーフロー水槽をおすすめします。
またたくさんの餌を食べるということは同時にたくさん排せつするということであり、それを取り除くためにプロテインスキマーの設置も有効です。さらに病気の予防のために紫外線殺菌灯も設置するとよいでしょう。
水温
ニザダイ科の魚は普通25℃で飼育できます。しかしニザダイ科の魚にはカリブ海や西アフリカ、あるいは東太平洋に生息する種類もおり、それらの種はやや低めの21~23℃前後で飼育した方がよいかもしれません。もちろん水温がすぐ変動するようではよくありません。
照明
サンゴ礁の浅い場所に生息するハギの仲間は、強い光を好みます。もちろん光合成をするわけではないので弱い照明でも飼育可能ですが、強い照明のもとだと鮮やかな体色をアクアリストに見せてくれるでしょう。
水流
ハギの仲間は水深2m以浅の、強い水流のあたる場所に生息していることが多いです。水中ポンプを使用し水槽内でも水流を作って、生息地の環境を再現しましょう。もちろんサンゴと飼育する場合は、そのサンゴにあった水流が必要となります。
フタ
ニザダイの仲間はよく泳ぎ、他のニザダイと争い飛び出してしまうおそれもありますので、フタはしておきましょう。
ライブロックとサンゴ岩
▲ライブロックの隙間で眠るナンヨウハギ
ライブロックやサンゴ岩は、サンゴ水槽でなくても欲しいところです。その岩組を中心に、縄張りを形成します。それだけでなくナンヨウハギなどは夜間サンゴの隙間のなかで眠ることが知られていますので、そのようなことも考えながらうまくレイアウトするとよいでしょう。
ハギ(ニザダイ)を扱う上での注意
ハギの仲間は、どの種も尾の付け根に鋭い棘をもっています。うっかり触ってしまうと、大けがをする恐れがありますので注意します。この尾の棘やその周辺部はキイロハギなら白、ナンヨウハギなら黄色、アカツキハギならばオレンジ色の斑紋と、目立つ色をしていることが多く、「ここを触るな!」という警告ともいえます。
ニザダイ科の仲間を英語で「サージャンフィッシュ」と呼びますがそれはこれをメスに見立てたものとされています。
また鰭の棘(背鰭・腹鰭および臀鰭)に毒がある種もいるため、素手で触るのは危険です。このあたりの注意点はアイゴの仲間と同様と言えます。
ハギ(ニザダイ)の成魚と幼魚の違い
色が変化するハギ
▲黄色がまぶしいクログチニザの幼魚
ニザダイの仲間は成魚と幼魚で大きな違いがあります。とくに幼魚と成魚では色彩が全く異なる種もいます。例えばこのクログチニザという東インドー太平洋域に生息する種類は、幼魚の体が一様に黄色、または灰色と暗色のツートーンカラーですが、これは小型ヤッコの仲間であるコガネヤッコやナメラヤッコに擬態していると考えられます。
擬態の理由としては頭部に棘があるヤッコの仲間に擬態しているとか、同じような色彩をして仲間に入れてもらい他の魚から身を守るという説などあります。しかしその色彩は幼魚までで、成魚は英名でチョコレートサージャンフィッシュと呼ばれるように、黒っぽい色に変わってしまいます。
他にも幼魚と成魚で色彩が大きく変わる例としては、
- ブルータン
幼魚は黄色→成魚は青色 - モンツキハギ
幼魚黄色→成魚黒、オレンジ色の模様あり - メイキュウサザナミハギ(英名シェブロンタン)
幼魚赤みを帯びた色に黒いシェブロン模様→成魚黒い体に細かい白色線
などが挙げられます。
一方でニジハギ、ナンヨウハギ、キイロハギ、シマハギといった種類は幼魚や成魚で模様の変化はほとんどありませんが、尾鰭が伸長するなどの変化が見られます。ニジハギなどは尾鰭が大変伸びるため見ごたえがあります。小さいころから大型水槽で飼育すると、尾鰭がかなり長く伸び見事な姿を見せてくれるかもしれません。
大人になると角が出るハギ
▲まだ「角」のでていないテングハギの幼魚
▲角が特徴的なテングハギの成魚
テングハギは成長するとおでこに角が伸びてきて見事な姿になりますが、オニテングハギなど雌には角がない種や、テングハギモドキなど雌雄ともに角がないものもいます。もっともこの仲間を大きく育てるには巨大な水槽が必要になりますが…。
ハギ(ニザダイ)の餌
▲海藻は食べられてしまう恐れあり
ハギは植物質の餌を好みます。魚釣りをしているとオキアミの餌でも釣れるので完全な植物食性ではないのですが、必ず植物食魚用の餌を与えるようにしましょう。
テングハギの仲間やナンヨウハギなどは動物プランクトンも捕食しますが、それでも植物質の餌を与えたいものです。大食漢で運動量も多いですので、痩せさせないようにできるだけ毎日餌を与えるようにします。また後述する病気予防としてビタミン剤などを餌に添加しておくのも良い方法と言えます。
また海藻は入れても食べられてしまいますが、ハギの餌として入れておくのもよいです。別の水槽で海藻を育てて、トリミングして与えるのもよいでしょう。水族館ではレタスをあげているところもありますが、実際に与えるのには農薬などに注意が必要です。海苔を餌に与えている人もいますが、味付けのものなどは与えてはいけません。
海藻をベースにした配合飼料である「海藻70」や、天然海藻フードの「アラカルト」などがおすすめです。海藻70は海藻だけでなくオキアミやフィッシュミールも配合しており、完全な海藻フードではないのですが、ハギだけでなくさまざまな藻類食性の魚におすすめです。しかしハギの仲間を水槽に入れた直後は見向きしないこともあります。そのようなときは天然海藻フードのアラカルトを与えるとよいでしょう。
ハギ(ニザダイ)の病気
白点病
ニザダイの仲間はチョウチョウウオやフグ類と並んで白点病になりやすい種類といえます。治療法は基本的に魚病薬で治療しますが、銅イオンで魚を治療したりそれを水槽から除去するために活性炭を使用するなどするとHLLEを発症しやすくなります。
病魚を優しく水槽から掬いとり、魚病薬を溶かしたバケツで薬浴します。冬期にはもちろんヒーターを用いて温度調節を行うようにします。
対策は水をきれいにしておくこと、殺菌灯を備えること、そしてもっとも重要なことはヒーターとクーラーを用いて水槽の温度を一定にしておくことです。
HLLE
Head and lateral line erosionの略で、日本語に訳すと「頭部および側線侵食」という意味になります。文字通り側線や頭部の皮膚に穴があいたり皮膚がはがれたようになる病気で、ハギや大型ヤッコなどがかかりやすいようです。
原因はいくつかあるようですが、銅の治療を行ったり、活性炭を使ったなどのケースで発症することが多いようです。このほかにビタミン不足でも発生することがあるので、予防のためにビタミン剤を添加した餌を与えたりするのもよい方法といえます。
ハギ(ニザダイ)の混泳
ハギ同士の混泳
▲ニザダイ科魚類の混泳例
ハギ全般、とくに同種同士はかなり激しく追いかけまわしますので狭い水槽では同じ種類を1匹しか飼育することはできません。
大きめの水槽ではほかのハギとの混泳を楽しむことができますが、同種・同属は酷い争いをすることがあるのでなるべく避けるようにしたいところです。写真はテングハギ属のミヤコテングハギと、クロハギ属のパウダーブルーサージャンフィッシュとの混泳です。下のヒフキアイゴはハギに近い仲間ですがハギほど激しい争いはせず、まだ混泳しやすい魚です。
ハギ(ニザダイ)と他の魚との混泳
▲あの映画のワンシーンのような混泳
大型水槽ではハギと他の魚との混泳を楽しむことができます。大人しすぎるハナゴイの仲間や遊泳性ハゼとの混泳は避けるようにして、大きくそこそこタフな魚を選ぶようにします。中型サイズのベラ類、チョウチョウウオ、ヤッコの仲間、小型のハタやメギス、フエダイなど、同じくらいの大きさであればさまざまな魚と組み合わせられます。もちろんカクレクマノミやペルクラクラウンフィッシュを入れて、映画のワンシーンを再現することもできます。
ハギと他の魚の混泳を楽しむときは、ハギを後から入れるようにします。性格が強いので後から入れるくらいでちょうどよいのです。
ハギ(ニザダイ)とサンゴ・無脊椎動物との相性
▲オオバナサンゴなどは突く可能性もあり。よく観察したい
普通はライブロックやサンゴ岩をつついているニザダイの仲間ですが、サンゴが弱っているときはサンゴをつついてしまうような種もいます。オオバナサンゴなどのLPSを飼育しているときは注意が必要です。
ハギは浅いサンゴ礁域にすむものが多く、最もよく似合う組み合わせはやはり浅場ミドリイシとのコラボレーションでしょう。大食いで排せつ物も多いハギの仲間と水質の悪化を極端に嫌うニザダイとのコラボレーションですが、巨大なプロテインスキマーなどを用いて、浅い海の水槽を再現してみたいものです。また水質が綺麗であれば甲殻類との混泳は概ね問題ありません。スカンクシュリンプを入れておくと寄生虫対策にはなりますが、白点病の対策にはなりません。
ハギ(ニザダイ)カタログ
テングハギ属
インド-太平洋にすみますが、大西洋には分布しません。頭部に大きなツノ状の突起や、ふくらみがあるものが多く知られています。綺麗な種もいますが非常に遊泳力がつよく、小型水槽での飼育は出来ません。とくに大きくなるトサカハギやヒメテングハギなどは水族館レベルの水槽が必要そうです。この仲間ではやや小ぶりのミヤコテングハギはまだ家庭向けですがそれでも120cm以上の水槽が欲しくなります。
テングハギ Naso unicornis (Forsskal, 1775)
ツマリテングハギ N. brevirostris (Cuvier, 1829)
ヒメテングハギ N. annulatus (Quoy and Gaimard, 1825)
オニテングハギ N. brachycentron (Valenciennes, 1835)
テングハギモドキ N. hexacanthus (Bleeker, 1855)
シノビテングハギ N. tergus Ho, Shen and Chang, 2011
グレーユニコーンフィッシュ N. caesius Randall & Bell, 1992
トサカハギ N. tonganus (Valenciennes, 1835)
ハンプノーズユニコーンフィッシュ N. tuberosus Lacepede 1801
マサカリテングハギ N. mcdadei Johnson, 2002
レティキュレイトユニコーンフィッシュ N. reticulatus Randall 2001
ナガテングハギモドキ N. lopezi Herre 1927
ゴマテングハギモドキ N. maculatus Randall and Struhsaker, 1981
モアイテングハギ N. fageni Morrow, 1954
サザナミトサカハギ N. vlamingii (Valenciennes, 1835)
ミヤコテングハギ N. lituratus (Forster, 1801)
エレガントユニコーンフィッシュ N. elegans (Ruppell, 1829)
ボウズハギ N. thynnoides (Cuvier, 1829)
キビレボウズハギ N. minor (Smith, 1966)
ブルーユニコーン N. caeruleacauda Randall 1994
ニザダイ属
北西太平洋に2種(うち日本に1種)、オーストラリア近海に2種、東太平洋に2種、東大西洋のアフリカ沿岸に1種が知られています。テングハギの仲間同様尾の付け根に骨質板をもち、その数は3以上。東太平洋にすむイエローテールサージャンフィッシュや、レザーサージャンフィッシュはまれに輸入されていますが、全般的にメジャーな海水魚とはいえません。ニザダイは磯釣りで釣れることもありますが、釣り人にはあまり好かれません。
▲ニザダイ
ニザダイ Prionurus scalprum Valenciennes 1835
インドネシアンソーテール P. chrysurus Randall 2001
イエロースポッテッドソーテール P. maculatus Ogilby 1887
シックスプレートソーテール P. microlepidotus Lacepede 1804
イエローテールサージャンフィッシュ P. punctatus Gill 1862
レザーサージャンフィッシュ P. laticlavius (Valenciennes, 1846)
ビアフラドクターフィッシュ P. biafraensis (Blache and Rossignol, 1962)
ナンヨウハギ属
ナンヨウハギのみの1属1種です。詳細はナンヨウハギのページをご参照ください。
ナンヨウハギ Paracanthurus hepatus (Linnaeus, 1766)
サザナミハギ属
クロハギ属に似ていますが歯の形状が異なります。主にコーレタンがよく輸入されていましたが、生息地のハワイ便の減少により見る機会が減っています。一方トミニサージャンフィッシュはこの仲間ではカラフルなのでよく輸入されます。
幼魚と成魚で色彩が変わるものもいます。メイキュウサザナミハギは「シェブロンタン」と呼ばれ、その名の通りシェブロン(V字形の紋章)模様が入りますが、成魚では細かい線に代わります。あまり大きくはならないものの、性格はキツいものが多いので注意が必要です。
サザナミハギ Ctenochaetus striatus (Quoy and Gaimard, 1825)
コクテンサザナミハギ C. binotatus Randall, 1955
キンリンサザナミハギ C. cyanocheilus Randall and Clements, 2001
インディアンゴールドリングブリストルトゥース C. truncatus Randall and Clements, 2001
コーレタン C. strigosus (Bennett, 1828)
ホワイトテールコーレタン C. flavicauda Fowler, 1938
メイキュウサザナミハギ C. hawaiiensis Randall, 1955
トミニサージャンフィッシュ C. tominiensis Randall, 1955
ストライプフィンサージャンフィッシュ C. marginatus (Valenciennes, 1835)
クロハギ属
日本をはじめ、インド-汎太平洋、東太平洋の熱帯域はもちろん、アメリカの東海岸(西大西洋)に生息する唯一のグループです。ニザダイ科の仲間でも最も種類が多い属で、40種以上が知られています。尾の付け根には大きな棘があり、刺されると大けがをすることもあるため注意が必要です。また種によっては背鰭に毒をもつものもいるようです。
シマハギ Acanthurus triostegus (Linnaeus, 1758)
ブラックバードサージャンフィッシュ A. polyzona (Bleeker, 1868)
クログチニザ A. pyroferus Kittlitz, 1834
インディアンオーシャンミミックサージャンフィッシュ A. tristis Randall, 1993
クロニクシスサージャンフィッシュ A. chronixis Randall, 1960
アカツキハギ A. achilles Shaw, 1803
メガネクロハギ A. nigricans (Linnaeus, 1758)
ナミダクロハギ A. japonicus (Schmidt, 1931)
パウダーブルーサージャンフィッシュ A. leucosternon Bennett, 1833
ゴマニザ A. guttatus Forster, 1801
スジクロハギ A. leucopareius (Jenkins, 1903)
ホワイトラインサージャンフィッシュ A. albipectoralis Allen and Ayling, 1987
ブルーラインドサージャンフィッシュ A. nigroris Valenciennes, 1835
ヒラニザ A. mata (Cuvier, 1829)
オハグロハギ A. thompsoni (Fowler, 1923)
ナガニザ A. nigrofuscus (Forsskål, 1775)
ニジハギ A. lineatus (Linnaeus, 1758)
ソハールサージャンフィッシュ A. sohal (Forsskål, 1775)
モンツキハギ A.olivaceus Bloch and Schneider, 1801
クロモンツキ A. nigricauda Duncker and Mohr, 1929
ダブルバーサージャンフィッシュ A. tennentii Günther, 1861
マルケサスサージャンフィッシュ A. reversus Randall and Earle, 1999
オレンジソケットサージャンフィッシュ A. auranticavus Randall, 1956
クロハギ A. xanthopterus Valenciennes, 1835
ブラックサージャンフィッシュ A. gahhm (Forsskål, 1775)
オスジクロハギ A. blochii Valenciennes, 1835
ニセカンランハギ A. dussumieri Valenciennes, 1835
カンランハギ A. bariene Lesson, 1831
ファインラインドサージャンフィッシュ A. grammoptilus Richardson, 1843
ホワイトラインドサージャンフィッシュ A. albimento Carpenter, Williams and Santos, 2017
ファウラーズサージャンフィッシュ A. fowleri de Beaufort, 1951
ペールリップサージャンフィッシュ A. leucocheilus Herre, 1927
イレズミニザ A. maculiceps (Ahl, 1923)
ピンストライプサージャンフィッシュ A. nubilus (Fowler and Bean, 1929)
オーシャンサージャンフィッシュ A. tractus Poey, 1860
バーバーサージャンフィッシュ A. bahianus Castelnau, 1855
ヨコシマハギ A. chirurgus (Bloch, 1787)
モンロビアドクターフィッシュ A. monroviae Steindachner, 1876
ガルフサージャンフィッシュ A. randalli Briggs and Caldwell, 1957
ブルータンサージャンフィッシュ A. coeruleus Bloch and Schneider, 1801
ヒレナガハギ属
クロハギ属に似ていますが体高がやや高いのが特徴です。インド-太平洋域に分布し、すべての種が観賞魚として輸入されており、全身が黄色い体が美しいキイロハギもこの仲間に含まれます。西インド洋にすむジェムタンは黒い体に白色斑が美しく人気が高いのですが、かなり高価です。
キイロハギ Zebrasoma flavescens (Bennett, 1828)
ゴマハギ Z. scopas (Cuvier, 1829)
ロングノーズサージャンフィッシュ Z. rostratum (Gunther, 1875)
ジェムタン Z. gemmatum (Valenciennes, 1835)
パープルタン Z. xanthurum (Blyth, 1852)
ヒレナガハギ Z. velifer (Bloch, 1795)
インディアンセイルフィンタン Z. desjardinii (Bennett, 1836)
ハギ(ニザダイ)飼育まとめ
- 「ハギ」はニザダイ科の仲間の総称。ツノダシやアイゴも近い仲間
- 遊泳性が強いので大型水槽が必要
- 大食いで排せつ物も多いため強力なろ過装置が必要
- オーバーフロー、プロテインスキマー、殺菌灯の使用がおすすめ
- 水温は25℃前後、カリブ海産は21~23℃がよい。安定していることが重要
- やや強めの水流と光があるとよい
- 鰭棘が強く有毒種もいる。尾の付け根の棘にも注意。素手でさわらないこと
- 幼魚と成魚で色彩や形が大きく変わる種もいる
- 海藻は食べてしまう。餌にはビタミン剤を添加しておくとよい
- 病気予防のために水をきれいにし、殺菌灯をつけ、温度を一定に
- 同種・同属ハギ同士の混泳はかなり大型水槽でない限り難しい
- まれに弱ったサンゴをつつくことがある