ローランズデムワーゼルの飼育方法~丈夫で飼育しやすく比較的おとなしめ

ローランズデムワーゼルはサンゴ礁にすむスズメダイの仲間です。ルリスズメダイほど派手なものではないのですが、暗色と白色のグラデーションが美しく、地域によっては頭部が黄色になるなど、非常に美しい魚です。今回はこのローランズデムワーゼルの飼育方法をご紹介します。

標準和名 なし
学名 Chrysiptera rollandi (Whitley, 1961)
流通名 ローランズダムゼル、ローランドダムセルなど
英名 Rolland’s demoiselle
分類 スズキ目・スズキ亜目・スズメダイ科・ルリスズメダイ属
全長 6cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトレッドメガバイトグリーンなど
温度 25℃前後
水槽 45cm~
混泳 ルリスズメダイ属のなかでは比較的おとなしい
サンゴ飼育

ローランズデムワーゼルって、どんな魚?

ローランズダムゼルはスズメダイ科ルリスズメダイ属の魚です。名前の表記には「ローランドダムゼル」「ローランドダムセル」など、揺らぎがあります。種の標準和名はなく、属名・英語名とも人名に由来しています。英名の「デムワーゼル」「ダムゼル」はフランス語に由来します。貴婦人とか、お嬢さんという意味で、かわいらしい様子や美しい色彩からついたのでしょうか。スズメダイの仲間は多くの種が結構タカビーな性格をしていますが・・・。体色はインドネシアなどから来るものは、灰色っぽい頭部と、黄色い体が特徴ですが、海域によるバリエーションが知られています。とても丈夫で飼育しやすいため、入荷直後の個体をのぞけばビギナーにもおすすめです。

美しいニューカレドニアタイプ

ローランズデムワーゼルは西太平洋に広くいますが、色彩や模様については生息海域によりバリエーションが知られています。その中でもよく知られているのが加藤昌一氏の「ネイチャーウォッチングガイドブック スズメダイ」(誠文堂新光社)では「ニューカレドニアタイプ」とされているもので、体は前(頭部)から黄色、暗色、白色という3色で極めてカラフルな個体です。ニューカレドニアタイプとされていますが、バヌアツから来るものも同様で、バヌアツのシマヤッコが入ってきた際には本種も来ていないか、チェックしてみたいものです。ただしお値段はスズメダイの類の中では結構高めです。ニューカレドニアタイプはたしかに美しいですが、一般に販売されるインドネシアなどのものでも頭部が薄くグリーンになり美しい魚です。

ルリスズメダイ属の魚は海域によるカラーバリエーションが豊富で、ほかにルリスズメダイや、タルボッツデムワーゼルも同様に海域によるバリエーションが知られていますが、そのなかのいくつかは別種とされるかもしれません。インドネシア近海に生息するシリキルリスズメダイなどはいくつかの種に細分化されました。

またローランズデムワーゼルは幼魚のうちは青いアイラインや背鰭の目玉模様がめだちますが、これらは成長につれ目立たなくなっていくようです。

ローランズデムワーゼルに適した飼育環境

水槽

ローランズデムワーゼルは小型種で成魚でも6cmほどです。45cm水槽での終生飼育が可能ですが、初心者や、ほかの魚と混泳するのであれば60cm以上の水槽での飼育をおすすめします。

水質とろ過システム

水質にはうるさくないのですが、色褪せを防ぐためにもきれいな海水で飼育したいものです。できれば上部ろ過槽を使用して飼育するのがよいでしょう。オーバーフロー水槽での飼育もよいです。小型水槽では外掛けろ過槽と外部ろ過槽を両方使用するのがベストといえます。

ローランズデムワーゼルはサンゴに無害なので、サンゴ水槽での飼育もできます。ベルリンシステムのミドリイシ水槽やソフトコーラル水槽ではよく似合います。しかしベルリン水槽は魚を多く飼うためのシステムではないことに注意しなければなりません。

水温

水温は25℃前後を確実にキープするようにします。22~27℃くらいであれば問題なく、丈夫な魚で28℃を超えても死ぬことは少ないのですが、クーラーとヒーターを使用し、できるだけ一定の水温をキープするように心がけましょう。水温の急変は魚が体調を崩して病気の発生につながりやすいからです。

ローランズデムワーゼルに適した餌

ローランズダムゼルは雑食性が強く、小動物やプランクトン、藻類も食べます。しかし水槽ではすぐに配合飼料を食べるので餌付けに関しては苦労しなくてすむことが多いです。おすすめの餌は粒状の「メガバイトシリーズ」。ローランズデムワーゼルであればSサイズで問題ありません。若干藻類も食うようですので、メガバイトはレッドでもグリーンでもよいでしょう。プランクトンフードとしてはコペポーダやホワイトシュリンプなどもよく食べますが、大量に与えると水を汚しますのでほどほどにしなければなりません。

ローランズデムワーゼルをお迎えする

西太平洋―東インド洋の熱帯域に広く分布していますが、日本にはいませんので購入に頼ることになります。本種はスズメダイの中でも安価なもののひとつで、ニューカレドニアやバヌアツのものでなければ1000円以内で購入することもできます。しかし、安価ということはいいことだけではありません。安価なものは扱いが雑になりやすく、それゆえ購入前の状態が重要になっています。やせていて薄っぺらくなっていたり、体表に傷がある、体表や鰭が赤くなっている、などの個体は購入してはいけません。できれば入荷してからある程度時間がたったものが望ましいです。

ローランズデムワーゼルとほかの生物との関係

ほかの魚との混泳

スズメダイ同士の混泳例

ローランズデムワーゼルはルリスズメダイ属の魚であり、そのため性格が若干きつめなところがあります。ただしローランズデムワーゼルはルリスズメダイよりはかなりおとなしめであり、大きな魚やほかのスズメダイとの混泳では若干ビビることもあります。観察は怠らないようにしましょう。90cm水槽では大きなクマノミなどと飼育していましたが、拒食となってしまい死んでしまいました。

我が家では45cm水槽でスプリンガーズデムワーゼルや、ビオラリボンスズメダイなどと混泳しています。これらは比較的おとなしめのスズメダイで組んでいるところがポイントです。後方に移っている青いスズメダイはスプリンガーズデムワーゼルですがこの種は同じく青いルリスズメダイなどと比べるとずっと温和です。

サンゴ・無脊椎動物との相性

ローランズデムワーゼルはサンゴ水槽での飼育もできます。水深35m以浅のサンゴ礁に多く見られ、どのようなサンゴにも似合います。ただしイソギンチャクの仲間には捕食されてしまうこともありますので、クマノミ類&イソギンチャクを飼育している水槽では飼育しないほうがよいでしょう(ディスクコーラルなどや、マメスナギンチャクなどのスナギンチャク類は問題なし)。

甲殻類はローランズデムワーゼルを食べてしまうものは避けます。大型のエビ、大型のカニ、大型のヤドカリなどはその傾向が強いです。一般的に魚と飼育されるクリーナーシュリンプは問題ないことが多いのですが、オトヒメエビの類は小型魚を襲って食べてしまうため、一緒に飼育するのは避けたほうが無難です。

ローランズデムワーゼル飼育まとめ

  • 丈夫で飼育しやすいスズメダイ
  • インドネシアなどから来るものとニューカレドニアやバヌアツから来るものでは色彩が異なる
  • 45cm水槽でも飼育できるが初心者には60cm以上の水槽が飼いやすい
  • 60cmなら上部ろ過槽。小型水槽なら外掛けろ過槽と外部ろ過槽を
  • 水温は25℃で安定していることが重要
  • 配合飼料をよく食べてくれる
  • 入荷直後のものは購入しない
  • 鰭や体表に傷があるものやただれがあるもの、やせているものもだめ
  • 大人しめのスズメダイで混泳も楽しめる
  • サンゴには無害

この記事にコメントをする

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

海水魚を探す
サンゴを探す
フリーワード検索
    もっと読む