スプリンガーズデムワーゼルの飼育方法~青い体がきれいで比較的温和なスズメダイ

スプリンガーズデムワーゼルはルリスズメダイ同様青色がきれいなスズメダイです。体はルリスズメダイよりも寸詰まりでシルエットはシリキルリスズメダイによく似ていますが、黄色い部分がありません。丈夫で飼育しやすくサンゴにも無害であるのはもちろん、ルリスズメダイよりもだいぶおとなしい性格をしているものが多く、混泳もさせやすいといえます。今回はスプリンガーズデムワーゼルの飼育方法をご紹介します。なお、本種の名前については「スプリンガーズダムゼル」「スプリンガーズダムセル」などの表記の揺れが見られます。今回はスプリンガーズデムワーゼルという名称で統一します。

標準和名 なし
学名 Chrysiptera springeri (Allen and Lubbock, 1976)
流通名 スプリンガーズデムワーゼル、スプリンガーズダムゼル、スプリンガーズダムセルなど
英名 Springer’s demoiselle
分類 スズキ目・スズキ亜目・スズメダイ科・ルリスズメダイ属
全長 6cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイトグリーンシグマグロウBなど
温度 25℃前後
水槽 35cm~
混泳 ルリスズメダイよりもおとなしい性格
サンゴ飼育

スプリンガーズデムワーゼルって、どんな魚?

スプリンガーズデムワーゼルはスズメダイ科・ルリスズメダイ属の魚で、ルリスズメダイと同様に青い色が特徴です。写真はちょっと鮮やかすぎで、実際にはもっと暗く深みのある青色となっています。体はルリスズメダイと比べてやや寸詰まりで、シルエットはむしろシリキルリスズメダイに似ています。しかしながらシリキルリスズメダイは鰭や尾柄部などが黄色になるのに対し、本種ではそうなりません。分布域はモルッカ諸島などのインドネシア、マレーシア、フィリピンであり、日本には生息していません。このグループではシリキルリスズメダイが日本に分布していますが、それ以外の種は日本に分布していません。幼魚も成魚も鮮やかな青色をしており、成長によって色彩が変わってしまうことはありません。

バリエーションと近縁種

スプリンガーズデムワーゼルは色彩に変異があることが知られています。インドネシアのものは青一色なのですが、フィリピンのものは黒っぽい不思議な模様が入ることが多いです(入らないこともあるようです)。この模様を持っているものは別種となる可能性があります。Glyphidodontops springeri (オリジナルコンビネーション)のタイプ産地はインドネシアのモルッカ諸島となるため、フィリピンのもののほうが新種となる可能性が高いようです。なおフィリピンのものはよく販売されており、むしろインドネシア産の個体のほうが珍しいようです。飼育方法についてはどちらも変わりません。

またスプリンガーズデムワーゼルにはよく似た種がいます。とくにニューギニアやビスマルク諸島のChrysiptera cymatilis Allen, 1999などは、スプリンガーズデムワーゼルのインドネシアタイプのものに非常によく似ています。またやはりビスマルク諸島などに生息するシンクレイヤーズデムワーゼルも幼魚のうちはスプリンガーズデムワーゼルに似ていますが、成長すると吻の付近や背中が茶色っぽくなってしまうようです。ただしこれらの種はほとんど輸入が見られません(シンクレイヤーズデムワーゼルは輸入されたことがあったようですが)。

スプリンガーズデムワーゼルに適した飼育環境

水槽

この仲間としては比較的小型のスプリンガーズデムワーゼルは小型水槽での飼育も可能です。ただし小さい水槽では気性が激しくなる傾向もあり、ほかの魚と混泳させるのであれば最低でも45cm、できれば60cm水槽が欲しいところです。また小型水槽は水量が小さく、水質や水温などが安定しにくいため、初心者には難しいところがあります。

水質とろ過システム

スズメダイの仲間で水質の悪化には強い傾向にありますが、できるだけきれいな水で飼育したいものです。小型水槽で飼育するのであれば外掛けろ過槽をメインに、外部ろ過槽を併用して使用するのがよいでしょう。60cm以上の水槽では上部ろ過槽も使用できるので、より飼育しやすくなりますが、いずれにせよオーバーフロー水槽が他を圧倒したろ過能力を有するため、一番おすすめです。

またスプリンガーズデムワーゼルはサンゴ飼育に適したベルリンシステムやゼオビットシステムなどでも飼育することができますが、これらのシステムではあまり多くの魚を入れることはできませんので注意が必要です。

水温

▲水温は一定に保つこと

水温は25℃前後をキープします。22~26℃くらいであればまず問題ないでしょう。混泳する魚やサンゴに合わせて水温を調整しましょう。なお、水温はできるかぎり一定にしておきます。これは水温が急変してしまうと魚の体調に影響をおよぼし、白点病などの病気にかかりやすくなってしまうからです。

隠れ家

青いスズメダイだから性格がきつい、と思いがちですが意外と臆病なところがあります。ライブロックやサンゴ岩、魚混泳水槽でもパイプなどを使用して隠れ家を作ってあげるとよいでしょう。ただし無理な混泳は避けた方が無難です。

スプリンガーズデムワーゼルに適した餌

▲小粒の配合飼料が最適

スプリンガーズデムワーゼルは雑食性で、動物プランクトンや藻類を食いますが、飼育下では配合飼料もよく食べてくれるため餌についての心配は不要でしょう。ただし餌のサイズについては注意が必要で、小粒の配合飼料を中心に与えたいところです。どうしても食わないときは冷凍餌を与えますが、冷凍餌を与えると水質が悪化しやすいので、ほどほどにとどめておきましょう。我が家ではメガバイトのSや、シグマグロウBなどを与えています。藻類も食うのでメガバイトグリーンのSでもよいでしょう。実際に我が家でもメガバイト グリーンを与えています)。

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スプリンガーズデムワーゼルをお迎えする

スプリンガーズデムワーゼルは日本には生息していないので、飼育したいのであれば購入するしかありません。購入する際の注意点としては、まずスプリンガーズデムワーゼルは安価なスズメダイなのであまり大事な扱いをされていないことが多いです。そのため入荷して直後の個体はおすすめできません。また鰭や体表にただれ、傷があったり、白い点がついているもの、泳ぎ方がおかしい、岩などに体表を頻繁にこすりつけているものもいけません。鰭が溶けるようになっているのも購入してはいけません。しっかり見極めるようにしましょう。

スプリンガーズデムワーゼルとほかの生き物の関係

ほかの魚との混泳

背鰭や尾鰭がほかのスズメダイの攻撃により傷ついたスプリンガーズデムワーゼル

ルリスズメダイ属の魚としてはおとなしめの性格をしています。そのため多くの魚と混泳可能ですが、小型水槽では気性が荒くなることもあるため注意が必要です。一方自分よりも大きく性格がきつい種類のスズメダイや大型魚との混泳は避けた方が無難といえます。このほかメギスの仲間や、ハタやカサゴなど肉食性の魚とは一緒に飼育しないほうがよいでしょう。

スズメダイ同士の混泳としては本種のように比較的おとなしい種類のスズメダイ、たとえばローランズデムワーゼルやタルボッツデムワーゼルなどと組み合わせるのが最適です。ヒレナガスズメダイやネズスズメダイはかなり気性が激しいので危険です。幼魚のうちはこれらのスズメダイもおとなしいのですが、水槽内で成長することも考えなければなりません。同種同士の混泳も可能ですが、この場合は最低でも60cm水槽でほかの魚(ヤッコなど)と一緒に飼育してパワーバランスの均衡を保つとよいでしょう。

なお我が家では現在ハナゴンべ、クロオビスズメダイ、カクレクマノミ、イトヒキテンジクダイなどと一緒に飼育しています。遊泳性のハゼなどはスプリンガーズデムワーゼルも水槽内で大きくなることを考えると、あまりおすすめできません、

サンゴ・無脊椎動物との相性

スプリンガーズデムワーゼルはサンゴに全く無害ですので、サンゴ水槽での飼育も楽しめます。SPSやソフトコーラルなどとの混泳が似合いますが熱帯性の浅瀬にすむサンゴであればどんなサンゴと一緒に飼育しても問題ありません。ただしイソギンチャクは捕食性が強く一緒に飼育するのはやめた方が無難ですが、ディスクコーラルやマメスナギンチャクとであれば問題なく飼育できます。

一方甲殻類は注意が必要です。小型のクリーナーシュリンプか、小型のカニ、サンゴヤドカリなどとの組み合わせが無難といえます。イセエビや大型のカニ、大型のヤドカリもやめましょう。クリーナーシュリンプとされるオトヒメエビも大きなハサミで小魚を襲うので避けるようにします。

ほかの青いスズメダイとの飼育方法の違い

ルリスズメダイ

ルリスズメダイは色彩も含めてスプリンガーズデムワーゼルによく似ていますが、体がやや長めで、頭部の模様なども若干異なります。スプリンガーズデムワーゼル同様鮮やかな青色は成長により変わってしまうことはありません。またルリスズメダイの雄は尾鰭が青いですが、雌は透明、スプリンガーズデムワーゼルは雌雄ともに透明なようです。どちらの種も海域によるバリエーションが知られ、ルリスズメダイは尾鰭などがオレンジ色になる変異が知られますが、スプリンガーズデムワーゼルも体側に独特な模様が入るバリエーションが知られています。

しかし性格はこの2種では異なり、スプリンガーズデムワーゼルは比較的おとなしいのですが、ルリスズメダイは同じくらいの大きさの魚をいじめてしまうことがあります。混泳相手はこのルリスズメダイよりも大きな魚が適しています。ただしスプリンガーズデムワーゼルも小型水槽では気が強くなってしまうこともありますので注意が必要です。

ソラスズメダイ

全体的に鮮やかな青色が特徴ですが、スプリンガーズデムワーゼルやルリスズメダイよりもメタリック感が強くてギラギラしています。しかし青色が鮮やかなのは最初のうちだけで、飼育していると黒っぽくなってしまうことが多いです。また大きくなるにつれて性格もきつくなっていき、魚の種類や水槽のサイズによっては混泳も難しくなってしまうことがあります。なお、ソラスズメダイは鰭などがうっすら黄色くなりますが、スプリンガーズデムワーゼルはそのようなことはならないので見分けられます。ルリスズメダイとも間違えられやすいですが、本州から九州の磯で見られるのはほとんどがこのソラスズメダイです。採集も飼育もしやすく、入手はスプリンガーズデムワーゼルよりも簡単ですが、おとなしい魚との混泳を考えるならスプリンガーズデムワーゼルのほうがよいでしょう。

スプリンガーズデムワーゼル飼育まとめ

  • 青色が美しいスズメダイの仲間
  • ルリスズメダイ同様成魚から幼魚までずっと青い色彩のまま
  • 産地などによって黒い模様が入ることがある
  • フィリピン産のものなどは模様に違いがある
  • 小型水槽でも飼えるが混泳には60cm以上の水槽がよい
  • 水質悪化にも比較的強いがろ過はしっかりしたものが必要
  • 水温は25℃を一定に保つ
  • 餌は配合飼料をよく食べてくれる
  • 入荷直後のものや体、泳ぎ方などがおかしいものは避ける
  • この仲間ではおとなしいため混泳は注意
  • サンゴとの相性はよい
  • ルリスズメダイは気性が激しいので注意
  • ソラスズメダイは気性がやや激しく色も落ちやすい
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