2020.09.15 (公開 2020.09.14) メンテナンス
水槽ガラス面のコケ取り用クリーナー・掃除用品のおすすめ3選
アクアリウムというのは基本的に「見て楽しむ」ものです。観賞のため、そしてサンゴやマリンプランツなどの育成には「照明」というものが欠かせません。これらの生物は光合成によって、もしくは光合成をおこなう褐虫藻を共生させ、それによりエネルギーを得ているからです。
しかしながら、それは同時にコケもエネルギーを得るということになり、美観を損ねることになりかねません。そのため定期的にガラス面や壁面についたコケをそぎ落とす必要があるのです。今回は水槽のガラス面のコケとりに最適なアイテムを3種類ご紹介します。
コケの種類にあわせて道具を選ぶ
▲水槽のガラス面に生えた緑色の点のようなコケ。硬く水槽から取り除きにくい
海水水槽で海水魚を観賞したり、サンゴを育成するのには「光」が欠かせません。海藻、海草といったマリンプランツはもちろん、サンゴやイソギンチャク、シャコガイのといった生物の飼育にも光が欠かせません。これらの生物は褐虫藻という藻類を共生させ、その光合成で生きていくためのエネルギーを得ていると考えられるからです。しかしながら、これらの生き物だけでなく水槽内をおおうコケも光をエネルギーとしており、そのコケが大量発生したらせっかくの魚も見えにくくなり、美観を損ねてしまいます。そのため適度に水槽のコケを取り除いてあげる必要があるのです。
海水水槽で発生するコケはいくつもの種類があり、ガラス面や壁面に発生するコケだけでも、薄い茶ゴケや、写真のようなしっかりとはえる緑色のコケ、さらに紫色のシアノバクテリア、高KHやカルシウムを維持すると出てくる石灰藻など、分類も特性も硬さもさまざまです。そのためコケを取り除く道具もそれぞれのコケにあったものを選ばなければなりません。今回はコケを除去するための道具をご紹介します。
ケント「プロスクレイパー2」
▲先端部だけでも掃除はできる
アメリカのケントマリンが販売しているスクレイパーです。基本的には持ち手とその先端部(3種類)からなりますが、先端部だけで使うこともできます。3種の先端部の中で筆者がよく使用するのは黄色のステンレスブレードで、薄い茶ゴケだけでなく、頑固な緑色でやや硬いコケや、石灰藻などもよく落としてくれます。
ステンレスブレードはがしがし削ることができてコケもきれいにそぎ落とすことができますが、アクリル水槽では使用してはいけません。アクリル水槽は乱暴に掃除すると傷だらけになってしまうからです。筆者がガラス水槽をおすすめする理由のひとつは、水槽のガラス面につくコケを多少乱暴にそぎ落としても傷つくことが少ないことにあります(とくに初心者アクアリストでは乱暴にしがち)。なお、このプロスクレイパーの先端部は単品で市販されており、購入することもできます。日本でのケントブランド代理店は株式会社マーフィードであり、同社の「エコペーハー」や浄水器、ブライトウェル社の添加剤を扱っているところで購入できます。そのため、入手できる店舗が多いのも特徴です。
長さは3種類
「プロスクレイパー2」シリーズは長さ別に3種類あります。長さ13.5cmの「ショート」、30.0cmの「ミドル」、そして61cmの「ディープ」の3タイプです。一般的な60cm水槽であれば30cmの「ミドル」で十分でしょう。
TLF「マグネットクリーナー ナノマグ」
▲黒い円形のものが「ナノマグ」
フロリダ州マイアミにあるトゥーリトルフィッシィーズ社(TLF)の商品です。ナノマグは水槽のガラス面に二つのマグネットを挟んで使うアイテムで、外面には円形の磁石、水槽の内面には平らでざらざらした磁石がついており、このざらざらした部分がブラシのようにコケを落とします。なお、このナノマグには姉妹品として「マグフォックス」という商品があります。マグフォックスはブラシが入らないような細いホースの中についたコケなどを除去できるすぐれものです。ただし茶ゴケはよくとれるのですが、緑色の頑固なコケはうまく落とせませんでした。茶ゴケメインとして考えれば最もおすすめできる商品です。アクリル水槽にも使用できるようです(自己責任で)。また磁石が弱くなったと感じたら、補修用品も購入することができます。
TLF社の日本での代理店は有限会社ブルーハーバーです。扱っていないお店もあるのですが、アクアリウム専門店の通販で購入できます。またブルーハーバーは小売りもしていますので、直接問い合わせても購入することができます。なお、TLF社はほかにも各種添加剤や餌、フィーダー、接着剤、リアクター、リバイブなどの製品から、書籍まで幅広くラインナップしています。
フレックス スクレイパー
フレックススクレイパーはガラス水槽だけでなく、アクリル水槽でも使うことができる掃除用のアイテムです。例えば「プロスクレイパー」は先述したようにアクリル水槽では水槽を傷つけてしまうおそれがあるので使えませんが、このフレックス スクレイパーはアクリル水槽でも使用しやすいので、アクリル水槽で海水魚を飼育するのであれば必需品となるアイテムといえるでしょう。欠点としては、掃除のときに手を水槽内に突っ込まなければならないところがあげられます。メーカーは淡水のアクアリストにとっては麦飯石溶液などでお馴染みの株式会社フレックスです。
これらの製品は日本国内の海水魚店で多く取り扱いがなされているものであり、ここに掲載されていないものが悪いというわけではありません。ただし商品によってはスクレイパーの部分がさびやすいので、使用後は真水で洗浄するなど、しっかりと手入れをしておきたいものです。
海水水槽おすすめクリーナーまとめ
- 海水魚・サンゴ水槽では照明によりコケがはえやすいのでこまめなコケ掃除をしたい
- ケントの「プロスクレイパー2」は先端を変更することで様々な水槽に対応できる
- TLFの「ナノマグ」はフタさえ開けずに水槽掃除が可能
- フレックスの「フレックススクレイパー」はアクリル水槽のコケ取りに最適