2020.09.26 (公開 2019.07.30) 水槽・器具
水槽用クーラーを屋外に置いてはいけない理由
水槽用のクーラーは水槽の水を冷やす、という重要な役割をする器具ですが、その稼働音はどうしても気になるところ。ということで、水槽用クーラーの本体を屋外に置いているアクアリストもいます。しかしながらそれは故障の原因になることもあるため、おすすめできません。水槽用クーラーの音がでる部分を屋外に出したいというのであれば、屋外にも設置できる水槽用クーラーを購入する必要があります。
一般的な水槽用クーラーを外に置いてはいけない!
▲屋内用クーラーは屋外では使用できない
10年くらい前の海水魚雑誌を見ていると、「クーラーの動作音が気になる」という理由から、外に「ほこら」みたいなものを置き、その中に屋内用の水槽用クーラーをいれているアクアリストを見かけたものですが、これはやってはいけません。理由は簡単で、屋内用の水槽用クーラーは、夏の高い外気温では水槽を冷やせないからです。例えば、ゼンスイのクーラー、ZC-500αは周囲の温度が36℃を超えると冷却しなくなるようです。また、外部に置いておくと雨が降ったりした際などに故障するおそれがありますし、ほこりなどもクーラー故障の原因となります。ですから、一般的な家庭用クーラーは必ず屋内に設置しなければなりません。
昨今、屋内用の機種を屋外用として使用されるケースをあまり見ないのは、おそらく毎年のように最高記録を塗り替える猛暑のせいかもしれません。高知県四万十市など、連日猛暑で40℃台を記録していましたが、このようなことが続けば屋外に設置した屋内用クーラーは故障してしまうでしょう。
外に置いて使用できる水槽用クーラー
▲ゼンスイ「ZRW400」
一方、水槽用クーラーの中には屋外に置いて使用できる機種もあります。例えばゼンスイから販売されている「ZRW」シリーズや、「KDA」シリーズなどは、屋内・屋外どちらでも使用でき、海水魚水槽を冷やすのに役立ちます。デメリットは大きくなること(幅750mm!)、高価(219,000円+税)になること、屋外に設置する場合、壁に穴をあけるなど加工が必要になる、などです。
パフォーマンスは高く、周囲の温度が35℃の場合、設定温度25℃で1400リットルくらいの水量を冷やします。設定温度15℃の場合は455リットルくらいの水量を冷やせますので、深場の生物や冷水性の生物の飼育も安心です。ゼンスイ製のクーラーはアクアリウムだけでなく、食用の魚を生かしておくための「いけす」にも採用されています。もともとゼンスイは活魚水槽のメーカーであったことを考えれば納得というものです。ただしあまり高温だと冷えにくいので、日陰に置くなどの工夫が必要になります。
ただし、いずれの数値も目安であり、循環ポンプや殺菌灯など水槽の周辺機材の種類によって冷却できる水量が変わってきます。くわしくはゼンスイのホームページをご覧ください。
室外クーラーまとめ
- 一般的な家庭用水槽用クーラーは屋外では使用できない
- 外気温36℃以上では冷却できない
- ほこりがあったり、風雨にさらされて故障の原因になる
- 外に置いて使用するならZRWシリーズなどの屋内・屋外どちらでも使用できるものを使う