サラサゴンベの飼育方法~エビとの混泳は不可 | 海水魚ラボ

サラサゴンベの飼育方法~エビとの混泳は不可

標準和名:サラサゴンベ
学名:Cirrhitichthys falco Randall, 1963
分類:スズキ目・スズキ亜目・ゴンベ科・オキゴンベ属
全長:7cm

サラサゴンベってどんな魚?

サラサゴンベはゴンベ科の魚で、その中でも派手で美しい体色をしており、観賞魚として人気があります。

体長7cmほどと、ゴンベ科としては比較的小型であるため小型水槽での飼育も可能です。サンゴの上にちょこんと乗っている様子や、他の魚と異なる独特な泳ぎ方などもユニークで、丈夫で飼いやすいため初心者にもおすすめの魚です。

ゴンベ科の魚

ゴンベ科の魚は、チョウチョウウオやヤッコ、ハナダイの仲間ほどはメジャーな仲間ではありませんが、古くから観賞魚として飼育されてきたグループです。背鰭棘の先端に小さな糸状突起をもつのが特徴です。

この他、胸鰭の軟条は下方が分厚くなるのも特徴で、この特徴から海釣りでお馴染みのタカノハダイ科の魚に近い仲間とされますが、タカノハダイ科は背鰭棘に糸状の突起はないことや、ゴンベ科よりも背鰭棘数が多いことなどの特徴で区別できます。

内臓にも特徴があり、鰾(うきぶくろ)をもっていません。これにより特徴的な泳ぎ方になります。

ゴンベ科はインド-汎太平洋の熱帯域、大西洋の熱帯域から12属、約30種が知られています。そのうち観賞魚店でよく見られるものはクダゴンベ属やホシゴンベ属、ベニゴンベ属や、オキゴンベ属の魚たちで、ほかの属の魚はあまり輸入されることがありません。このサラサゴンベは、ヒメゴンベやミナミゴンベとともに、オキゴンベ属に含まれます。

▲ハナゴンベ

なお、ハナゴンベは名前に「ゴンベ」とあり、実際従来はゴンベ科のなかに入れられたこともありますが、現在はハナダイの仲間とされています。単独で岩などに隠れていることが多く、温和な性格をしています。

サラサゴンベに適した飼育環境

水槽

サラサゴンベはゴンベ科魚類の仲間では比較的小型種ですので、35cmほどの小型水槽でも飼育可能です。しかし、初心者アクアリストには45~60cmほどの水槽が水質が安定しやすくおすすめといえます。また小型水槽ではすぐにほかの魚との争いが起こりがちですので、やはりおすすめは45~60cm水槽ということになります。

ろ過装置と水質

サラサゴンベは丈夫で、多少硝酸塩が検出されるような環境でも飼育可能ですが、色が褪せてくることもありますのでなるべく綺麗な水で飼育することを心がけます。外部ろ過槽だけでも飼育はできますが、これに上部ろ過槽や外掛けろ過槽を組み合わせることを推奨します。

もちろんろ過槽をもたないベルリンシステムなどのナチュラルシステムやゼオビットなどでの飼育も可能です。生息場所などを考えるとこちらの方が向いているかもしれません。

水温

同じオキゴンベ属のミナミゴンベやヒメゴンベよりも深場を好むのか、水深10m以深のサンゴ礁域に多く生息していますが、水温は25℃で問題ありません。もちろん極端な高水温や低水温を避け、水温を一定に保つようにします。

フタ

ゴンベの仲間はたまに水槽から飛び出し、干物になって死んでしまうこともあります。フタをしておきましょう。

サラサゴンベに適した餌

サラサゴンベは動物食性が強く、自然下では小動物を捕食しています。水槽でもすぐ配合飼料を食べてくれるので助かります。また場合によっては冷凍のホワイトシュリンプや魚の切り身などを与えてもよいのですが、このような餌を与えすぎると水を汚しやすいので注意が必要です。

サラサゴンベの入手方法

サラサゴンベは、日本では静岡県以南の太平洋岸、伊豆-小笠原諸島、琉球列島に分布し、海外ではモルディブ~フィジーにかけてのインド-中央太平洋のサンゴ礁域に分布しています。

同じオキゴンベ属の魚であるミナミゴンベやヒメゴンベはサンゴ礁域の浅瀬に生息し、オキゴンベも釣りでの採集が可能ですが、本種は水深10m前後の場所に多く、また数も多くないため採集は難しいです。そのため観賞魚店で販売されているものを購入することになるでしょう。

観賞魚店で販売されているものは他の多くの海水魚同様、フィリピン産、あるいはバリ島などのインドネシア産のものがほとんどです。入手の際は鰭がぼろぼろになっていないか、鰭が赤くただれていないか、体表や口にスレ傷がないか、などをチェックするようにします。もちろん入荷して間もない個体も避けた方がよいでしょう。一旦水槽の水になじめば丈夫で病気にもあまりかからず、とても飼いやすい魚です。

サラサゴンベの混泳

サラサゴンベと他の魚との混泳

やや強めの魚との混泳が適している

ゴンベ科はどの種類も肉食性が強く、また大きくなる種は性格もかなり強くなりますので混泳の相手は慎重に選ぶべきです。小型で温和なハゼやハナゴイなどの種類と混泳はやめたほうがよいでしょう。同じサイズ、またゴンベよりも大きめの小型ヤッコやスズメダイ、クマノミ、ハギの仲間などは大丈夫なことが多いです。また小さい水槽だと争うことが多いため、ほかの魚との混泳を考えるのであれば大きめの水槽での飼育が必須条件といえます。

ゴンベの仲間は他にも何種か輸入されていますが、水槽内にゴンベの仲間を複数入れると、特に大きなものほど激しく争うおそれもありますので、ひとつの水槽にゴンベの仲間は1匹のみにしておきましょう。

サンゴ・無脊椎動物との相性

スカンクシュリンプを襲うことも

サンゴにあたえる影響は多くありませんが、ある種のハードコーラルは長いこと上にのられているとストレスになることもあるようです。ハードコーラルとの飼育を楽しむのであれば、たくさんのサンゴがある環境で飼育するのが望ましいと言えます。なお、ソフトコーラルとの飼育は概ね問題ありません。

イソギンチャクの仲間は本種を食べてしまうおそれがありイソギンチャクとの飼育にはあまり向いていません。また小型の甲殻類を入れると捕食されてしまうので避けます。スカンクシュリンプなどのクリーナーシュリンプも脱皮直後などはゴンベに襲われることがありますので注意しましょう。

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サラサゴンベの飼育まとめ

  • 美しい色彩が特徴のゴンベ科の小型種
  • 丈夫で飼いやすいが、気が強く小魚や甲殻類を食べる
  • 小型水槽でも飼えるが、他の魚と飼うなら45cm水槽以上で
  • 硝酸塩の濃度が高いと色があせることも
  • 水温は25℃。飛び出すこともあるのでフタが必須
  • 配合飼料もよく食べる
  • 鰭や体表に傷があったり、入荷間もないものは避ける
  • 水槽になれれば丈夫で病気にもなりにくい
  • 温和な魚との混泳は避ける。クマノミなどとは問題ない
  • サンゴとの飼育は可能。できるだけ広い水槽で
  • イソギンチャクには食べられるおそれもある
  • 甲殻類との飼育は不可。クリーナーシュリンプも注意