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2018.09.10 (公開 2018.04.12) 水槽・器具

水槽に入れられる魚の数と水槽サイズ別の目安

自分の持っている水槽に魚を何匹入れられるかは、初心者アクアリストであればだれもが知りたいところです。しかし水槽によって好みの魚、ろ過槽の種類が違いますので一概に述べられません。

ここで紹介するのは「ある程度の目安」です。また、生物ろ過が上手く働いていないうちは魚の数を少な目にしておく必要があります。

水槽に魚を何匹入れられるかはお店の人にも分からない

この水槽には何匹の魚を入れられますか?

この質問は海水魚専門店に限らず観賞魚店の方なら何度も聞かれるでしょうが、残念ながらお店の人には答えようがありません。

魚の種類によっては90cm水槽でも1匹でしか飼育できない魚もいますし、逆に60cm水槽でも10匹ほど飼育できる魚がいます。水槽システムという意味で考えても90cm水槽でのベルリン水槽と、60cm水槽で上部ろ過槽+外部ろ過槽の組み合わせであれば後者の方がより多くの魚を飼育することができるでしょう。水槽サイズだけでなく、ろ過槽やろ過の方式もまた考える必要があります。

お店の人に質問するときは、飼いたい魚を明確にし、どのくらいの水槽で飼育できるのか、それを上手く飼育するのにはどんなろ過方式がよいのか、お店の人が答えやすいように説明しましょう。

いずれにせよ、水槽には際限なく魚を詰め込むことはできません。生物ろ過が追い付かず、魚にとっては猛毒のアンモニアが発生して魚が死んでしまうおそれがあるためです。魚にとって窮屈ですし、スズメダイなどは喧嘩をして種類によっては血まみれの戦場と化すこともあります。

小型水槽(~30cm)

30cm位の水槽では、ろ過がしっかり立ち上がってもスズメダイなどの小魚2~3匹が限度です。人気のカクレクマノミをこのくらいのサイズの水槽で飼育している方もいますが、水量が少ないので初心者には簡単ではありません(水槽が小さい≠初心者向け)。

ろ過槽も外掛け式のろ過槽単体は避け、外部ろ過槽などを上手く組み合わせて使用します。同じ30cmでも、30×30×30cmの立方体キューブ水槽であれば20リットルを超える容量を確保できるためおすすめです。

遊泳するスペースも少ないので、泳ぎ回る魚は避け、底生の魚、たとえば小型のハゼや甲殻類を楽しんだり、共生ハゼとテッポウエビの営みをじっくり観察するのもよいでしょう。ただしハゼとエビの共生を楽しむためにはしっかりしたフタを忘れずにしましょう。このほか初心者向きではないのですが、カエルアンコウ、フサカサゴ、オコゼなどのように単独飼育したい魚を飼育するのもよいでしょう。

45cm水槽

45cm水槽になると30リットルほどの水量を確保できるため、小型水槽よりも魚を入れられる数が増えます。小型ヤッコ1匹と、スズメダイ2~3匹ほどを飼育できますが、なるべく小ぶりの個体を入れましょう。これより魚を少し減らせば水質にうるさいハードコーラルの飼育もできます(ミドリイシなどはのぞく)。

ろ過装置は外掛けろ過槽、外部ろ過槽がありますが、これに小型のプロテインスキマーをつけるのもおすすめです。特に外部ろ過槽しかつけていないところにスキマーをつければ、外部ろ過槽の欠点である酸素供給を補うことができる、という大きなメリットがあります。外掛けろ過槽を、プロテインスキマー付きの海道河童に変更するという方法もあります。

45cm水槽には、45×45×45cmのキューブ水槽もあります。この水槽は80リットルを超える水量を確保でき、60cm規格水槽よりも多くの水量を確保できます。初心者にも適していますが、重量がありますので置く場所に注意が必要です。

60cm水槽

56リットルほどの60cm規格水槽に上部ろ過槽、これに外部ろ過槽や外掛けプロテインスキマーなどを組み合わせて飼育すれば5cmほどのサイズの魚であれば、10匹以上飼育することができます。具体的な魚種をいえばろ過が立ち上がりさえすれば小型ヤッコ1匹、クマノミのペア、ほか小型魚を数匹飼育することができます。

同じ60cm水槽でも、幅や高さがある60×45×45cm水槽は100リットル以上と、60cm規格水槽よりもはるかに多くの水量を確保できるためさらに多くの魚を入れることができます。ただし、その分重くなるため水槽台はよりしっかりしたものを選ばなければなりません。

90cm水槽

90cm規格水槽は単体で160リットル以上の豊富な水量を有しており、多くの魚を飼育することができます。90cm×45cm×45cmのオーバーフロー水槽であればサンプなどを含め総水量200リットル以上の大水量になります。これほど大きいと当然45cm水槽や60cm水槽よりも多くの魚を飼育することができます。

ただしタテジマキンチャクダイやサザナミヤッコなどの大型ヤッコはできれば120cm水槽で飼育してあげたいところです。サザナミヤッコ属の魚ではアデヤッコやイナズマヤッコといった種類が成魚サイズが小さ目で90cmでも飼育しやすいといえるでしょう。

水槽を立ち上げてすぐに魚を追加しない

ここまでは、水槽に魚を何匹くらい入れられるか、というお話をしました。

ただし、これらは何れも立ち上げて時間が経ってからのお話です。水槽を立ち上げて時間が経っていないと、生物ろ過のバクテリアが少ないのです。そこで魚を大量に投入してしまうと生物ろ過が追い付かず、アンモニアがでて魚が死ぬなど失敗に陥りやすく、最初のうちは我慢することが大事です。最初は1~2匹の魚を泳がせ、バクテリアが増殖するのを待ちましょう。

早めに多くの魚を入れたいのであれば最初にライブサンドを使用したり、バクテリア剤を導入すれば魚を追加できるようになる期間が短縮できますが、過信は禁物です。

水槽に入れられる魚の数まとめ

  • 水槽に入れられる魚の数は魚種によって違う
  • 入れられる魚の数はろ過槽の種類やシステムの違いにも左右される
  • 水槽に際限なく魚を詰め込むことはできない
  • 45cm未満の水槽なら小魚2、3匹にとどめる
  • キューブ水槽ならば少しは水量が多くなる
  • 45cm水槽では小型ヤッコの飼育も可
  • 60cm水槽では入れられる魚の数が増える
  • 90cm水槽では大型ヤッコの飼育もできる
  • 立ち上げてすぐは魚を追加しない
  • ライブサンドやバクテリア剤の導入は有効だが過信は禁物
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