テールスポットブレニーの飼育方法~餌・混泳・サンゴとの相性や注意点

テールスポットブレニーは、カエルウオの仲間の小型種です。

ヤエヤマギンポほどコケは食べてくれませんが、かわいらしい顔やきれいな色彩で人気があります。丈夫で飼育しやすいため、海水魚飼育初心者にもおすすめです。

標準和名 なし
学名 Ecsenius stigmatura Fowler, 1952
英名 Tailspot coralblenny, Tail-spot combtooth-blenny
分類 スズキ目・ギンポ亜目・イソギンポ科・カエルウオ族・ニラミギンポ属
全長 7cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 海藻70
温度 24~26度
水槽 45cm以上
混泳 多くの魚と組み合わせられる
サンゴ飼育 ウチウラタコアシサンゴやイソギンチャクなど、捕食性の強い生物は注意

テールスポットブレニーってどんな魚?

テールスポットブレニーは、西太平洋のサンゴ礁域に生息するカエルウオの仲間で、フタイロカエルウオなどと同様、ニラミギンポ属に含まれる小型種です。

カエルウオといえば、岩の上を這っているイメージが強いですが、ニラミギンポ属のものは遊泳性が強いものもおり、本種もよく泳ぐ種類です。普段はサンゴやライブロックに開いている孔の中に潜み、顔だけ出して周囲の様子をうかがっています。

色彩的特徴

テールスポットブレニーの尾部に黒色斑がある

尾部に黒色斑がある

ニラミギンポ属の魚の中には近縁種と非常によく似た色彩や模様のものもおり、同定が難しい種類もいるのですが、このテールスポットブレニーは他の種との同定は容易です。

尾部には英名の由来にもなっている、前方が白く縁どられた黒色斑があり、頭部から鰓蓋にかけて黒色とオレンジ色の細い縦線が入るのが特徴です。個体、または産地によっては頭部が青くなったりと、ニシキヤッコのようなド派手な魚ではありませんが、きれいな魚です。

警戒しているときや夜間の休息時は体に白っぽい模様が浮き出てくることがありますが、これは保護色と思われます。岩やサンゴにうまく溶け込み、捕食者の目を欺くのに役立つでしょう。

なお、カエルウオの仲間についてはこちらでも詳しく解説しております。

テールスポットブレニーに適した環境

水槽

小型種なので小型水槽での飼育も十分可能ですが、初心者は少なくとも45cm以上の水槽で飼育した方が楽に飼えると思います。ほかのカエルウオと組み合わせるのであれば最低でも60cm以上の水槽で飼育したいものです。

水質とろ過システム

小型ヤッコなどと比べると比較的水質の悪化には耐性があるようですが、汚い水で飼育したら病気にもなってしまうおそれがあるため、できるだけ清浄な水で飼育したいものです。砂を掘ったりすることはないため、うまく水質をキープできるというのであればどのようなろ過槽でも飼育可能です。ただし、外部ろ過槽を使う場合は酸欠に注意しましょう。ほかのろ過槽やプロテインスキマーの併用が効果的です。

もちろん、サンゴを飼育するためのベルリンシステムやゼオビットシステムなどでも飼育することができます。ただし、その場合は魚の数を減らさないといけません。

水温

サンゴ礁の浅いところに生息しており、25℃前後での飼育が理想的です。もちろん水温の変動には注意しましょう。夏はクーラー、冬はヒーターを使用して水温を一定にします。

フタ

テールスポットブレニー

遊泳力が強いためフタが必須

カエルウオの仲間としては水槽から飛び跳ねることは少ないようですが、意外とよく泳ぎ、驚いた拍子に飛び出てしまうこともありますので、きちんとフタをしましょう。

ライブロック・サンゴ岩

シコロサンゴの中にひそむテールスポットブレニー

シコロサンゴの中にひそむテールスポットブレニー

ライブロックやサンゴ岩はテールスポットブレニーの隠れ家となります。なるべく大きな、もしくは多数の穴が開いたものを選ぶとよいでしょう。カエルウオ族の魚は同じ仲間では争うことも多く、複数種のカエルウオを一つの水槽で飼育するときは、レイアウトを複雑にして争いを回避させるようにします。

我が家ではライブロックではなく、シコロサンゴの中に隠れていることが多いです。

テールスポットブレニーに適した餌

沈降性のペレットフード「海藻70」Mに飛びつくテールスポットブレニー

沈降性のペレットフード「海藻70」Mに飛びつく

藻類食性の強い魚が多いカエルウオ族魚類の中では雑食性が強いのか、動物質の餌も捕食します。海水魚用の配合飼料はなんでもよく食べてくれます。

テールスポットブレニーにおすすめの配合飼料は沈降性のペレットフードです。その中でも植物質の成分を多く含む「海藻70」などがおすすめです。フレークフードも食べるのですが、軽いので一度に食べられる量が少なく、勢い余って飛び出すおそれもありますので注意が必要です。

自然下では藻類のほか、動物プランクトンもよく捕食しているようで、水槽内でプランクトンフードを与えてもよく食べます。ただし与えすぎは水質悪化につながりやすいので、ほどほどにしなければなりません。

テールスポットブレニーの入手方法

テールスポットブレニーの選び方

テールスポットブレニーの選び方

日本には分布していませんので、観賞魚店で購入するしかありません。分布域はフィリピンやインドネシアですのでそれほど高価ではなく、大体が2000~3000円程度で購入できます。ただし、安価な魚のため雑な扱いを受けていることもあるため、状態についてはよくチェックすることをおすすめします。

鰭が溶けていたり、鰭に白い点がついていたりするものは避けます。鰭が少し切れているものなどは選んでも問題ありませんが、ぼろぼろになっているのは回復に時間がかかるおそれがあり避けます。体に赤いただれがあるものも選んではいけません。

痩せて背中に肉がついておらず、げっそりしているものは絶対に選んではいけません。できれば観賞魚店の店員さんに餌をあげてもらい、食べているものを選ぶとよいでしょう。痩せてしまうと餌を食べていても残念ながら回復させるのは困難なので、太っているものを選ぶようにします。これはほかのカエルウオの仲間も同様です。

テールスポットブレニーと他の生物との関係

カエルウオ同士の混泳

ニラミギンポ属の大型種、ハナダイギンポ

ニラミギンポ属の大型種、ハナダイギンポ

ハナダイギンポフタイロカエルウオ2

フタイロカエルウオも大きくなり気が強い。混泳は要注意

ニラミギンポ属の魚は種類が豊富で、53種が知られています。その中にはフタイロカエルウオやニラミギンポ、ハナダイギンポなどのように10cm以上になる大型種も含まれていますが、その中では小型種であるテールスポットブレニーと飼育するのであれば同じような小型種との混泳が適しているといえます。

ほかのカエルウオ族の魚との関係としては、我が家のサンゴ水槽ではテールスポットブレニーといっしょにロウソクギンポという種類のカエルウオを飼育していますが、同じカエルウオ族でも属が違うためか、あまり争う様子は見られません。

ただしいずれの場合も争う可能性は否定できません。なるべく争わないようにするのであれば、60cm、できれば90cm以上の水槽で飼育し、ライブロックやサンゴ岩などを複雑に組み合わせてレイアウトするようにします。

他の魚との混泳

コガネヤッコ

アクアリストに人気の小型ヤッコとの飼育も可能

ほかの魚との混泳も可能です。ハゼ、小型のイトヒキベラ、ハナダイ、ネズッポ類、テンジクダイ、小型ヤッコなどさまざまな魚と混泳させることができます。スズメダイの仲間でも、デバスズメダイのような温和な小型種であれば問題ないでしょう。カクレクマノミとの混泳も可能です。ただあまりにもサイズ差がある場合は混泳が上手くいかないこともあります。

混泳不可、もしくは混泳が難しいのはハタやカサゴ、大きめのバスレットなど、テールスポットブレニーを食べてしまうおそれのある魚や大型のスズメダイ、メギスの仲間などです。ゴンベなども大きくなる種は気が強くなり、小魚を捕食してしまうおそれがありますので避けた方が賢明です。カエルウオの仲間はほっそりした体つきのものが多く、捕食されてしまいやすいようです。

サンゴ・無脊椎動物との相性

ディスクコーラル

ディスクコーラルの大きなものは要注意

ニラミギンポ属の魚はどの種もサンゴには無害であり、多くの種のサンゴと飼育することができます。ただしウチウラタコアシサンゴやイソギンチャクのような強い刺胞毒をもち、かつ捕食性の強い生物には捕食されてしまうおそれがありますので、一緒に飼育するのは避けたいところです。カエルウオの仲間はイソギンチャクに食べられやすく、エレファントイヤーなどの大型になるディスクコーラル類に食べられてしまうこともあるようです。それ以外のサンゴは概ね問題ありません。ディスクコーラルも小型のものなら大丈夫です。

甲殻類は同じ25℃で飼育でき、テールスポットブレニーを捕食しないものであれば大丈夫です。イセエビ類やリーフロブスター、大型のカニやヤドカリなどは魚食性が強いため混泳しないほうがよいでしょう。サンゴヤドカリやベニワモンヤドカリなどとの混泳は問題ありません。スカンクシュリンプやホワイトソックスなどのクリーナーシュリンプは概ね問題はないものの、オトヒメエビはできるだけ避けます。大きなハサミで動きが遅い魚を襲ってしまうことがあるからです。

テールスポットブレニーの飼育まとめ

  • サンゴ礁に生息する小型のカエルウオの仲間
  • フタイロカエルウオなどと同じニラミギンポ属の種
  • 初心者は45cm以上の水槽で飼育するとよい
  • 比較的水質悪化には強い
  • 水温は25℃でよいが安定していることが重要
  • 場合によっては飛び跳ねる恐れも。フタはしておきたい
  • サンゴ岩やライブロックなどを多数水槽に入れたい
  • 植物質の餌をメインに与えるとよい
  • 背中に肉がついておらず痩せているものは絶対に避ける
  • ただれがあるものや鰭が溶けているものも選んではいけない
  • 大型水槽では他のカエルウオの仲間との混泳も可能
  • 肉食性の強い魚や気の強いスズメダイとの混泳は避ける
  • サンゴには無害なのでサンゴ水槽での飼育もおすすめ
  • 大型ディスクコーラルに捕食されることもある

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