イシガキカエルウオの飼育方法~コケも食べてくれるが混泳は注意

イシガキカエルウオ

イシガキカエルウオはカエルウオの中でも小型の種です。派手な色合いではありませんが、かわいい顔つきで人気があります。かわいいだけではなく、コケも多少は食べてくれます。

しかし大きめの魚に襲われることもあるので、混泳面においては注意しなければなりません。

標準和名 イシガキカエルウオ
学名 Ecsenius yaeyamaensis (Aoyagi, 1954)
英名 Yaeyama blenny
別名 スマイリーブレニー
分類 スズキ目・ギンポ亜目・イソギンポ科・カエルウオ族・ニラミギンポ属
全長 6cm
飼育難易度 ★☆☆☆☆
おすすめの餌 メガバイト グリーン海藻70
温度 23~26度
水槽 45cm未満~
混泳 気が強い魚、ほかのカエルウオの仲間とは注意が必要
サンゴ飼育 大型のディスクコーラルなどとの飼育は避ける

イシガキカエルウオってどんな魚?

イシガキカエルウオ

イシガキカエルウオはニラミギンポ属に含まれる小型のカエルウオです。下顎から鰓蓋付近にまで伸びる黒色線があるのが特徴で、これをほほ笑んだ口に見立てて「スマイリーブレニー」という異名がありますが、これは英語圏では通じないようです。

英語名はYaeyama blennyといい、八重山諸島にちなみます。学名も同様ですが、実際には東インド-西太平洋域のサンゴ礁に生息しています。なお日本では八丈島と屋久島以南のサンゴ礁域に分布しています。

カエルウオの仲間はこちらで解説しています

イシガキカエルウオの近縁種

ニラミギンポ属の大型種、ハナダイギンポ

ハナダイギンポは遊泳力が強い

イシガキカエルウオにはよく似た模様のものが何種類か知られています。例えば東インド洋のラボックスブレニーEcsenius lubbocki Springer, 1988、西インド洋や紅海に生息するナロロブレニーE. nalolo Smith, 1959などがおりますが、輸入されることはあまりありません。飼育方法はイシガキカエルウオとあまり変わらないと思いますが、紅海の魚は低比重に弱いので注意しなければなりません。

同じニラミギンポ属の魚としてはフタイロカエルウオ、ゴイシギンポ、ハナダイギンポ、テールスポットブレニーなどがいますが、本種はハナダイギンポやテールスポットブレニーとは異なりあまり遊泳せず、岩の上や岩孔の中などに潜んでいることが多いといえます。

イシガキカエルウオ飼育に適した飼育環境

水槽

マンジュウイシモチ小型水槽での飼育例。水槽はアクアシステムのニューアール

40cm水槽での飼育例。マンジュウイシモチと混泳している

小型水槽での飼育も可能ですが、初心者であれば45cm以上の水槽での飼育がおすすめです。それより大きい幅60cm以上の水槽であればほかのカエルウオとの混泳もできます。

水質とろ過システム

外掛けろ過槽とスキマーが合体した海道河童

外掛けろ過槽とスキマーが合体した海道河童。「大」の使用がおすすめ

水質は硝酸塩の蓄積にも耐えますが、できるだけ綺麗な水質をキープするように心がけましょう。小型水槽であれば外掛けろ過槽、外部ろ過槽が候補に挙げられますがそれぞれ欠点がありますので単用は避け、ほかのろ過槽やプロテインスキマーとの併用が望ましいです。外掛けろ過槽とスキマーが合体したカミハタ「海道河童」の使用もよいです。

サンゴとの飼育も可能なので、魚の数を絞れるのであればベルリンシステムでの飼育もおすすめです。

水温

一般的なサンゴ礁の魚と同様、25℃前後が適温です。多少高くても低くても問題はありませんが、水温の変動が激しいとよくありません。ヒーターとクーラーを使用して周年25℃を確実にキープします。

ライブロック

ライブロック、もしくはサンゴ岩や飾りサンゴなどを使ってイシガキカエルウオの隠れ家を作ってあげるようにします。

とくに複数のカエルウオを組み合わせるのであれば、それぞれの個体が縄張りを主張できるような配置をしなければいけません。イシガキカエルウオがもぐりこめるような孔が開いているものを選ぶのもよいでしょう。

このほかウニや巻貝の殻も市販されていますが、ウニは壊れやすく、巻貝は水槽に入れっぱなしにしておくと中で水が動かず硫化水素が発生してしまうこともあるので注意が必要です。

フタ

テールスポットブレニーやハナダイギンポほど強い遊泳力があるわけではないのですが、何かに驚いたときに飛び跳ねて水槽の外に出てしまうおそれがありますので、フタはしたほうがよいでしょう。

イシガキカエルウオに適した餌

海藻70

イシガキカエルウオは雑食性ですが、藻類をメインに食べています。そのため水槽壁面やライブロック、サンゴ岩につくコケの対策として水槽に入れられることもあります。しかし、コケだけではどうしてもカエルウオのお腹を満たすことは難しいので、しっかりした給餌が必要です。

おすすめの餌は粒状の配合飼料、「海藻70」です。カエルウオはもちろん、ハギの仲間やアイゴの仲間、ヤッコの仲間など藻類を捕食する魚全般におすすめの餌です。大きさは2種類ありますが小型のイシガキカエルウオにはSサイズが適しているでしょう。このほか、海藻70のベースとなった配合飼料「メガバイトグリーン」などもおすすめです。

イシガキカエルウオの入手方法

奄美・沖縄方面までいかないと採集はできませんので、購入に頼ることになります。若干地味な色彩のためか、観賞魚店ではフタイロカエルウオほど多くは見ることができません。

産地

観賞魚としては東南アジアや沖縄のものが入ってくることが多いです。カエルウオの仲間はどの種もつねに藻類を食しておりますので、その前段階での絶食期間が長かったり、輸送時間も長かったりすると餌が食べられず弱ってしまうこともあります。そのため輸送時間が短い沖縄産の個体がおすすめです。また海外産であっても観賞魚店で長期ストックされており、餌を食べている個体であれば購入してもよいでしょう。

個体のチェック

イシガキカエルウオは上記のとおり輸送中のストレス、あるいは絶食により痩せていることもあるのでもちろん入荷して間もない個体は避けるのがベストです。ほか、背肉がついていない個体は回復が難しいので避けましょう。もちろん鰭や体表に白い点がついていたり赤いただれがあるもの、鰭がぼろぼろだったり溶けているものなどは購入をやめましょう。

イシガキカエルウオと他の生き物との相性

他のカエルウオとの混泳

塩ビパイプでカエルウオの隠れ家を作っている例

塩ビパイプで隠れ家を作っている例

カエルウオの仲間は原則ひとつの水槽では1匹にとどめておきたいところですが、大きめの水槽(100リットル以上を推奨)であればほかのカエルウオの仲間との飼育も可能です。

ただし、小型の水槽でも工夫をすれば複数飼育やほかのカエルウオと飼育ができる場合もあります。サンゴ岩を複雑に組んだり、塩ビ管などを入れるなどして工夫しましょう。海水魚の隠れ家に適した「ハゼ土管」という製品もあります。カエルウオや小型のハゼにはいい隠れ家になります。

もちろん争いがひどくなるようであれば別水槽に退避させるなどの配慮も必要です。

他の魚との混泳

クモハゼ属

▲クモハゼ属は小型だが動物食性が強い

ほかの魚との混泳は同じくらいの体サイズであれば問題ない場合が多いですが、小型で細身のカエルウオは肉食性の魚に食べられてしまうこともあります。私も飼育していたイシガキカエルウオをクモハゼに捕食されてしまったことがあります。もちろん明らかな肉食魚であるバスレットやハタ、ゴンベ、カサゴ、オコゼ、カエルアンコウなどとの混泳はNGです。

小型ヤッコやハナダイ、小型のハゼ、遊泳性ハゼ、おとなしめのクマノミなど本種を捕食しない魚であれば混泳も可能です。一方スズメダイやハマクマノミ、メギス(ドティバック)系は小さめの魚ですがその割にはかなり気が強いのであまりおすすめできません。

サンゴ・無脊椎動物との相性

ディスクコーラル

▲ディスクコーラルの大型のものはカエルウオを捕食することも

ニラミギンポ属の魚はサンゴを食してしまうことはなくサンゴ水槽で飼育するのがおすすめです。ただしディスクコーラルの仲間の大きいものやウチウラタコアシサンゴなど、捕食性の強いサンゴとの飼育はやめたほうがよいでしょう。これらは動きが遅い魚を捕食してしまうおそれがあるからです。もちろんクマノミと共生するような大型のイソギンチャクも避けた方が無難です。マメスナギンチャクやグリーンボタン、ディスクコーラルでも小型のものとは問題ありません。

甲殻類は大型のカニや大型のヤドカリ、あるいはイセエビやオトヒメエビなど肉食性が強いものは襲われてしまうこともあるので避けた方が無難です。スカンクシュリンプやサロンシュリンプ、小型のサンゴヤドカリなどがよいでしょう。死ぬと毒を出してしまうナマコなども避けた方が無難です。

イシガキカエルウオの飼育まとめ

  • 小型のカエルウオで全長6cmほど
  • 模様からスマイリーブレニーとも呼ばれる
  • フタイロカエルウオやテールスポットブレニーと同属
  • 水温は25℃前後
  • ライブロックで隠れ家をつくるようにする
  • きちんとフタをして事故を防ぐ
  • 餌は植物質のものをメインに
  • 入荷直後のもの、背肉がついていないものは絶対に避ける
  • 鰭や体表に白い点や赤いただれがあるものも選んではいけない
  • 大きめの水槽であれば他のカエルウオとの飼育も可能
  • 肉食魚や気が強い魚との混泳はだめ
  • サンゴとの飼育も可能だが捕食性が強いものとの飼育は避ける

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