2021.01.31 (公開 2019.01.30)
海水魚図鑑
イソギンポの飼育方法~科を代表する魚だがコケは食べない
イソギンポはカエルウオやナベカと同じイソギンポ科の魚です。食性は雑食性でコケはあまり食べてくれませんが、眼上の皮弁がユニークでかわいい顔をした魚です。温帯性の魚ですが、比較的高めの水温でも飼育可能で、飼育は容易といえます。日本の広い範囲に生息しており、採集した幼魚を成魚まで育てることもできます。
標準和名 |
イソギンポ |
学名 |
Parablennius yatabei (Jordan and Snyder, 1900) |
英名 |
Yatabe blennyなど |
分類 |
スズキ目・イソギンポ科・イソギンポ族・イソギンポ属 |
全長 |
10cm |
飼育難易度 |
★☆☆☆☆ |
おすすめの餌 |
配合飼料(海藻70、メガバイトグリーン) |
温度 |
25℃ |
水槽 |
45cm~ |
混泳 |
小型魚やヨウジウオとの混泳は避ける |
サンゴ飼育 |
可。イソギンチャクや大型のディスクコーラルは要注意 |
そのほか |
大きな犬歯状の歯をもつ。咬まれると痛い |
イソギンポってどんな魚?
イソギンポはイソギンポ科・イソギンポ族・イソギンポ属の魚です。科の標準和名にもその名前がついているように、この科の代表的な魚といえます。日本近海、朝鮮半島、台湾、中国などに分布する温帯性の魚で、日本においては本州~九州までの各地沿岸に生息している普通種です。
日本ではイソギンポ属の魚は2種(イソギンポとカワイイソギンポ)と少ないのですが、世界では20種以上が知られています。しかしそのうち半分の種が大西洋や地中海にすみ、近縁属も多く大西洋に見られ、大西洋で繁栄したグループといえるかもしれません。
色彩的には灰色から茶褐色とやや地味ではありますが、眼の上に大きく長い、枝分かれした皮弁があり、よくみるとかわいい顔をしています。
イソギンポの歯
イソギンポはカエルウオの仲間とは異なる歯をもっています。手前には小さな歯がならび、その奥には大きな犬歯を有しているのです。これに咬まれると痛いのですが、毒はなく、大けがをするおそれがあるというものではありません。同じイソギンポ族のタテガミギンポは上顎の犬歯をもたないため、イソギンポ族の特徴というわけではなさそうです。
イソギンポ飼育に適した環境
水槽とフタ
水槽は幅45cmほどのものでも終生飼育は可能ですが、60cm水槽の方が水質が安定しやすく、有利といえます。カエルウオほどではありませんが、飛び出すこともあるため、フタはしっかりした方がよいでしょう。
水質とろ過システム
丈夫な魚ではありますが、ろ過がいまいちではよくありません。おすすめは上部ろ過槽で、小型水槽では外掛けろ過槽と外部ろ過槽の併用がおすすめです。または外部ろ過槽を中心にし、小型のプロテインスキマーという組み合わせでもよいでしょう。このほか魚を少な目にしてベルリン水槽で飼育することもできます。
水温
温帯性の魚ではありますが、キヌバリなどよりは高水温に耐性があるようで25℃でも飼育できます。低い水温への耐性はどの程度あるかは確認できていませんが、温帯性ですのでかなり低い水温でも耐えられると思います。
しかしながら水温が上がったり下がったりではよくありません。病気になりにくく丈夫で飼育しやすいイソギンポですが、水温はなるべく一定に抑えたいものです。
アクセサリ
ほかの魚と組み合わせるときはイソギンポが隠れられるようなアクセサリを入れてあげるとよいでしょう。ライブロックやサンゴ岩、飾りサンゴ、専用の土管などが販売されています。
イソギンポに適した餌