マメスナギンチャクの飼い方・増やし方~初心者でも飼育しやすいサンゴ | 海水魚ラボ

マメスナギンチャクの飼い方・増やし方~初心者でも飼育しやすいサンゴ

マメスナギンチャクは、ディスクコーラルや、スターポリプとならび海水魚飼育初心者にもおすすめのソフトコーラルです。

飼いやすいものが多いだけでなく、色鮮やかで、メタリックカラーのマメスナギンチャクに青いLEDを当てて光らせたり、さまざまな色彩のマメスナギンチャクを集めたり、さらに給餌をして増やすなど、さまざまな楽しみ方があります。

マメスナギンチャクとはどんなサンゴ?

▲橙色で縁辺が黄色のマメスナギンチャク。ブルーLEDの下でピカピカに光る。

▲オレンジの濃い個体と黄色っぽい個体のミックス。黄色っぽいのはLEDでの下で輝きそう。

▲筆者宅で飼育している、青色、センターが紫、縁辺が黄緑色の変わった個体。

▲緑色で縁辺が褐色の個体。よく見るタイプの個体だ。これも筆者宅のもの。

▲濃いオレンジ色のマメスナギンチャク。

▲タチイワスナギンチャクの仲間。餌を与えるとよく増える。

マメスナギンチャクは通常、ソフトコーラルとして扱われていますが、実際にはイソギンチャクに近い種類の六放サンゴの仲間です。イソギンチャクの仲間、と聞くと「難しい」イメージもありますが、この種は常に固着して移動しないので、その点は安心できる、初心者にもおすすめのサンゴといえます。この仲間はさまざまな色彩をもち、アクアリストを魅了します。

スナギンチャクの仲間にはイエローポリプや、グリーンボタンなどの種類もいますが、ここではひとまとめにして扱います。

マメスナギンチャク飼育に適した水槽

一般的な海水魚が飼育可能な水槽であれば、マメスナギンチャクも飼育可能なことが多いです。ただし、魚を飼育していた水槽にマメスナギンチャクを入れる場合は、栄養塩の過多と水温、そして比重の3つの項目には注意しましょう。

水槽サイズ

丈夫で飼育しやすいという点では、初心者向けのサンゴというだけでなく、水質などが変化しやすい小型水槽でも飼育しやすいサンゴということがいえます。小型水槽でもマメスナギンチャクのお花畑を作っている方もおります。

水槽システム

▲栄養塩の蓄積に弱いミドリイシとは飼育しにくい

60cm以下の水槽では外掛け式フィルターや外部式フィルター、90cmまでの水槽なら上部フィルターを採用するのがよいでしょう。硝酸塩などの栄養塩の蓄積には強いものが多いですが、できるだけきれいな水を保つようにします。プロテインスキマーを併用するのもよいでしょう。ナチュラルシステムのような、栄養塩を低く保つためのシステムでも飼育可能ですが、給餌をしたいサンゴですので、ミドリイシやハナヤサイサンゴなどの、栄養塩の蓄積に弱いサンゴとの飼育は避けた方がよいでしょう。

▲サンゴ飼育可能なLEDライト。メタリックカラーを引き出すには、ブルーのLEDを。

光は強すぎず弱すぎずという感じです。また、光が強いと土台などにコケが生えてくることもあります。メタルハライドランプや、ハイパワーLEDなど強い光を出す照明の直下には置かず、陰になるような場所に置くようにします。メタリックカラーのマメスナギンチャクにはブルーのLEDを照射するのもおすすめです。

水流

水流については基本的にほかのサンゴと同様です。ごみが土台などにたまらないようにするために若干の水流は必要ですが、ポンプからでた強い水の流れがマメスナギンチャクにあたらないように注意する必要があります。

水温

これも他の多くのサンゴ同様、熱帯から亜熱帯の海域に多く生息するので、水温は25℃前後をキープするように心がけます。夏はクーラーを使って冷却し、冬はヒーターで保温し、確実に25℃前後の水温をキープしたいものです。少なくともタチイワスナギンチャクはやや高水温に耐性があります。それでも30℃くらいになると厳しいでしょう。

一般的に、クマノミの仲間などサンゴ礁の魚を飼育するのに適した水温は23~25℃といわれています。 サンゴ礁域の浅場で水温30℃近くにな...

マメスナギンチャクの餌

▲ライブロックを覆うように増えるマメスナギンチャク。餌をあげるとよく増える

光合成をしますが、餌も与えるようにしましょう。餌をあげると、よく増えてくれます。マメスナギンチャクによく似たイエローポリプなどは餌を与えないと弱ってしまうほどで、餌をよく必要としている、といえます。

餌は魚用の配合飼料を水で溶いたものをスポイトで与えるという方法もありますが、冷凍のコペポーダを与えたり、専用の配合飼料を与えるという方法もあります。以前このブログでも2種の乾燥飼料をご紹介しましたが、粒が大きめのカラヌスペレットよりも、粒が細かいポリプラボのリーフロイズの方がマメスナギンチャクに与えるのにはよいでしょう。

今回ご紹介します「リーフロイズ」はポリプラボ社によるカナダ製のプランクトン飼料です。日本においてポリプラボ社の製品はエムエムシー企画...

マメスナギンチャク飼育に必要な添加剤

マメスナギンチャクに限らず、ソフトコーラル全般にいえることですが、ヨウ素や鉄分、微量元素の添加が効果的です。カルシウムやマグネシウム、ストロンチウムなどもあった方がよいのですが、これらはミドリイシほどシビアに考えなくても良いです。定期的な換水、あるいは「ブライトウェルリキッドリーフ」など、複数の元素が入った添加剤を使用するのもよいでしょう。

海水魚やサンゴ、イソギンチャクなどの無脊椎動物。これらの生物の暮らしていた広大な海は、77種の元素からなる海水で構成されています。私たちが「...

マメスナギンチャクの産地

▲フラグに接着されたマメスナギンチャク。イベントで入手したもの。

マメスナギンチャクの仲間はインド-太平洋、大西洋の暖かい海域に広く分布しています。観賞魚店にはほかのサンゴや魚同様、西太平洋のもののほか、フィジーなどからも入ってきます。簡単に増やすことができ、増えたものはフラグに接着されて販売される、あるいはアクアリスト同士での交換をしたりします。

沖縄

マメスナギンチャクなどは造礁サンゴとはみなされないため国内採集も可能です。日本では他のソフトコーラルと同様に沖縄で採集されるものが多く、採集後はトリートメントされ、輸送時間も短いため、状態よく届きやすいといえます。

東南アジア

インドネシアやベトナムからやってくるマメスナギンチャクです。特にインドネシア産は比較的安価ですが、色のバリエーションは豊富で、集めてみても楽しいものです。

中国

マメスナギンチャクの産地として、最近人気がある地域です。輸送に問題があるのか、飼育は他の産地のものと比べてやや難しいという意見も聞きます。緑や黄色など、他の地域とは似たようで違う、独特の色が特徴です。

USブリード・そのほか

USブリードはアメリカでブリードされたマメスナギンチャクで、フラグについたものが販売されています。独特の色彩をしたものが多いのが特徴で人気は高いものの、美しい種類は極めて高価になります。このほか最近は観賞魚店で増えたマメスナギンチャクをカットし、フラグと呼ばれる専用の台座に接着したものが販売されていることもあります。

マメスナギンチャクを選ぶポイント

▲土台についているものは土台も要チェック。

まず他のどんな生き物もそうなのですが、お店に入ってきて数日以内のものは避けるようにします。また土台から腐ったような、いわゆる「温泉の臭い」がするようなものもやめたほうがよいです。

フラグに接着された個体もよく販売されているのですが、その場合もフラグにつけられてすぐの個体は避けたほうが良いです。寄生生物対策には水槽に入れる前にバケツの中で「コーラルRXプロ」などを使って薬浴をおこなうとよいでしょう。

マメスナギンチャクと魚の相性

▲カクレクマノミやアケボノハゼなどのいる水槽で飼育されているマメスナギンチャク。多くの種の魚と組み合わせられる

▲ハコフグの仲間のウミスズメやなどはスナギンチャクに含まれる毒(パリトキシン)をもつことがある

マメスナギンチャクは多くの魚との飼育も楽しめます。クマノミ、スズメダイ、ハゼ、ハナダイ、多くのベラ、カエルウオなどと一緒にすることができます。しかしヤッコの仲間の一部、チョウチョウウオなどはマメスナギンチャクを食べてしまうことがあります。

またカワハギの仲間やフグ、ハコフグの仲間も注意が必要で、これらの種類はある種のスナギンチャク類を捕食し、内臓にスナギンチャクがもつ、パリトキシンという毒を蓄積してしまうことさえあります。この毒はアオブダイという魚の肝臓からも検出され、肝臓を食した人が亡くなってしまうという事例もあります。

エビにご注意

▲カーリーを食べるタイプのエビにはご注意

エビも種類によっては要注意です。ペパーミントシュリンプはサンゴ水槽の厄介者「カーリー」ことセイタカイソギンチャクを捕食する「カーリーキラー」として水槽に入れられていることも多いですが、同じイソギンチャクの仲間であるマメスナギンチャクを食べてしまうこともあるので、注意が必要です。

海水魚をエビと一緒に飼育しているアクアリストはとても多いです。しかし海水魚とエビの関係は、種類によっては捕食するものと捕食さ...

コケにも注意

▲アイゴの仲間はコケを食べてくれる

細い糸が絡まったような、もやもやしたコケがマメスナギンチャクやその土台につくことがあります。このような藻は増殖スピードも早く、マメスナギンチャクの上を覆うように繁殖していくので厄介です。一番よいのはキイロハギやアイゴの仲間、あるいはモエビの仲間などに、このコケを食べてもらうことです。

また水流がないような環境だとデトリタス(排せつ物や微生物の死骸などに由来する有機物)がたまり、コケも生えやすくなります。適度な水流を心がけます。

海水魚飼育、いえ、淡水魚を含む全ての観賞魚の飼育においてコケは悩みのタネと言えます。ほとんどのコケは魚には害はないものの、水槽の中の...

マメスナギンチャク飼育まとめ

  • 飼いやすいものが多く、カラーが豊富
  • 産地によって、または種類によって飼育の難易度が違う
  • 栄養塩の蓄積に強いものが多い
  • 餌をあげるので栄養塩の蓄積に弱いサンゴとの飼育には向かない
  • 強すぎず弱すぎずの水流と照明が必要
  • 水温は25℃
  • 粉末状の配合飼料を水に溶いて与え、ヨウ素・鉄分・微量元素を添加する
  • チョウチョウウオやハコフグなどに食べられることがある
  • カーリー退治のエビには注意

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