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2020.12.07 (公開 2017.07.10) サンゴ図鑑

ディスクコーラルがサンゴ初心者におすすめの理由

いま、大きな水槽で大量にサンゴを飼育している人がいます。ミドリイシの仲間にこだわる人、飼いやすいソフトコーラルを中心に魚とサンゴを楽しむ人、特定のサンゴの仲間を愛するマニアの人。しかしそんな人たちにも必ず「はじめてのサンゴ」というのがあります。それはスターポリプの仲間であったり、マメスナギンチャクであったり、ディスクコーラルであったり…。

そのなかでも初めてサンゴを飼育するのにおすすめのサンゴ、といえば私は必ずこのディスクコーラルをおすすめします。私にとってもはじめて購入したサンゴというのは、このディスクコーラルでした。緑色で黒い線が入る個体です。

ディスクコーラルとは、どんなサンゴ?

名前に「コーラル」、つまりサンゴとありますが、イソギンチャクに近い仲間とされています。トサカやウミキノコの仲間などのソフトコーラルはほとんど移動をしませんが、このディスクコーラルは僅かではありますが移動をすることがあります。もちろん移動、といってもイソギンチャクのように頻繁に動くわけではありませんので、フロー管に詰まって水があふれるとか、そのような心配は無用です。

この仲間にはバブルディスク、ヘアリーディスクとも呼ばれるように触手をもつものと、あまり触手をもたないものがいます。特にカリブ海産のバブルディスクは他の地域のバブルディスクと比べると触手の形が変わっており、「カリバブ」の愛称で親しまれていますが、他のディスクコーラルと比べると値段は高価です。

エレファントイヤーと呼ばれる、ゾウの耳のような形のものもいますが、大きさ30cm以上と巨大になるので小型水槽に向いていないのが残念です。

カラーバリエーション

▲緑色のものと、黒い線が入ったディスクコーラル。筆者が初めて飼育した個体

▲オレンジというか、赤みが強いディスクコーラル

ディスクコーラルは色のバリエーションが豊富なのも特徴です。地味な茶色のものから、緑色のもの、濃い緑色のもの、赤いもの、紫色のものなどさまざまです。色も豊富ですが放射状の線が入っているなんてものも見られ、それらをコレクションするのも楽しいものです。基本的に色の違いによる飼育難易度の違いはありません。

ディスクコーラル飼育に適した環境

水槽サイズ

一般的なディスクコーラルは小型水槽でも飼育できます。ただしディスクコーラルの仲間のうち、エレファントイヤーなどの大きくなる種は、あまり小型水槽には向いていません。一般的な種でも35cm以上の水槽はほしいところで、理想は45cmです。キューブ水槽であれば、小型水槽でもかなりの水量を確保できるのでおすすめです。

ディスクコーラルに適した水質

ミドリイシの仲間を飼育するような、硝酸塩、リン酸・ケイ酸塩などが殆ど検出されない水でも、それらの成分がある程度検出されるような水槽でも飼育することができます。ろ材を使ったろ過でも、ベルリンシステムのようなナチュラルシステムでも飼育できます。初心者にもおすすめできる理由のひとつは、飼育可能な水質の幅が広いということです。

ディスクコーラルに適した水流

水流についてもあまり必要としません。逆に常にディスクコーラルがめくれていたりするようなのは望ましくはありません。水流が弱めの場所に置くのにも適しています。水流を必要としないところは、言い換えれば水流についてあまり悩まなくてもよいということで、これも初心者向けの理由のひとつといえます。

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ディスクコーラルに適した光

あまり強い光でなくても飼育可能です。海水魚用として販売されている安価なLEDライトで十分です。

もちろんほかの種類のサンゴと組み合わせるときは、そのサンゴが好む光にあわせます。ただしミドリイシを飼うようなメタルハライドランプの多灯はディスクコーラルには強すぎるので避けます。メタルハライドランプを使いミドリイシを飼育しているような水槽ではライブロックや他のサンゴの陰になるような場所に置くようにします。

ディスクコーラルの置き場所

弱い光でも十分飼育可能ですので、あまり置き場所は選びません。比較的強い毒がありますが、他のサンゴと接触しなければ問題はありません。ライブロックの隙間、他のサンゴの陰になる場所など、他のサンゴを置きにくい場所に置くとよいでしょう。

ディスクコーラルに適した水温

一般的に「ディスクコーラル」として販売されているものは主にインドネシアや沖縄からやってきます。28℃くらいでも水質が良ければ問題ないのですが、25℃前後が適しています。

ヘアリーディスクも同様ですが、バブルディスクについては東南アジアからだけでなく、俗に「カリバブ」と呼ばれるカリブ海からやってくるものもいますので、そのような種はとくに高水温に注意する必要があります。

ディスクコーラルの餌

ディスクコーラルは好日性のサンゴで、太陽の光からエネルギーを得ています。触手がほとんど目立たないディスクコーラルは基本的に餌を与える必要はありません。もし餌を与えたいのでしたら、液状の餌か、冷凍したプランクトンフードなどでよいでしょう。

一方ヘアリーディスクやバブルディスクなどは餌も好んで食べます。餌は与えなくてもいいのですが与えれば成長が促進されます。餌は上で述べたようなもののほか、欧米のメーカーから出ているサンゴ用のドライフードなども食べます。もちろん餌の与えすぎはよくありません。

ディスクコーラルと魚や甲殻類との相性

▲巨大になる種と小魚の組み合わせは要注意。

多くの魚や甲殻類などと組み合わせることができますが、チョウチョウウオの仲間やフグ、カワハギの仲間などはディスクコーラルをつついて食べてしまうこともありますので、そのような魚とは一緒にするべきではありません。

逆にエレファントイヤーなどの極めて大型になるものは動きが遅い魚を食べてしまうことがあるので注意します。とくにヨウジウオやハゼ、カエルウオなどは危険です。ただし、それ以外の魚、例えばハナダイの仲間、ベラの仲間、バスレットの仲間、小型ヤッコの仲間などとであれば、概ね問題はありません。

ディスクコーラルと他のサンゴとの相性

▲ディスクコーラルの仲間はまとめて置くことができる

毒性はやや強めのサンゴですので、他のサンゴとはあまり触れないようにしたいものです。あまり強い光の場所でないところにも置くことができ、他のサンゴを置くことができないような場所、例えばサンゴの下とか、隙間などに配置したくなりますが、ほかのサンゴと触れることがないよう注意します。

ディスクコーラル、またはほかのサンゴが膨らんだときに接触しないように注意します。なおディスクコーラルの仲間同士は並べて配置しても問題ないことが多いです。

ディスクコーラル飼育まとめ

  • 水質・光の適応範囲が広く初心者にもおすすめ
  • 水温は基本的に25℃前後
  • 餌をあげるとよく成長する
  • 多くの魚と組み合わせやすい
  • 大型になる種は魚を食べてしまうことも
  • 他のサンゴと接触しないように
  • ディスクコーラルはまとめて置くことができる
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