ハマサンゴの飼育方法~アワサンゴに近い仲間のSPS

ハマサンゴはサンゴ礁の浅瀬に見られるSPS(ポリプの小さなイシサンゴ)です。ただし科としてはハマサンゴ科であり、この科にはアワサンゴの仲間やハナガササンゴの仲間も含まれます。しかし飼育方法はアワサンゴなどとやや異なり、よりきれいな水と強い光が求められ、初心者には難しいサンゴといえます。しかし、ミドリイシなどよりはまだ飼育できる条件が広いため、SPSを初めて飼育するのに適しているといえます。

ハマサンゴって、どんなサンゴ?

ハマサンゴは、イシサンゴ目ハマサンゴ科のサンゴで、ハードコーラルの一種です。また、サンゴをポリプの大きさなどで分ける場合はSPSというカテゴリーに含まれることが多いのですが、ハマサンゴ科のサンゴの中には、LPSとされるサンゴも含まれています(後述)。

またハマサンゴはサンゴ礁域の浅場に多く見られ、小さな島をつくり、それはやがてマイクロアトールを形成します。水槽内でもハマサンゴが島をつくることがあるかもしれません。また、ハマサンゴの骨格にはイバラカンザシがついていることもあり、イバラカンザシを購入するとハマサンゴもついてくる、なんていうことも多いです。色彩はベージュや薄いグリーン系などで派手さはありませんが、ゼオビットシステムなどでは色あげも可能です。

分類

▲ハナガササンゴと同科とされる

ハマサンゴの仲間もエダハマサンゴ、ユビエダハマサンゴ、コブハマサンゴなど色々いますが、枝状のハマサンゴは同定が難しいためか、ショップでもとくに分かれておらず「ハマサンゴ」として販売されています。この個体もそうでした。

ハマサンゴ科のサンゴには、ハマサンゴやエダハマサンゴのほか、アワサンゴの類やハナガササンゴの類が含まれています。しかし、アワサンゴやハナガササンゴはよく「LPS」とされるのに対し、ハマサンゴやエダハマサンゴは「SPS」とされます。これらのサンゴの区別はおもにポリプのサイズによるものですが、どちらも科としてはハマサンゴ科になります。LPSもSPSも、「アクアリストから見たサンゴの分類」であり、学術上の分類ではありません。学術的に正しい(とされる)分類は、リンネの分類階級を採用したもので、それによればハマサンゴ科となり、アワサンゴやハナガササンゴと同じ科ということになります。

なお、ハマサンゴと名前が似ている「ハナサンゴ」はハナサンゴ科(チョウジガイ科)のサンゴで、ハマサンゴとはやや異なる系統のサンゴです。

ハマサンゴ飼育に適した環境

水槽

ハマサンゴは飼いやすいとはいってもSPSですので、あまり小さな水槽では飼育しやすい、とはいえないでしょう。たとえば90cmオーバーフロー水槽のような安定した環境下での飼育が適しています。またオーバーフローでないと、サンゴ飼育において重要なアイテムであるプロテインスキマーやカルシウムリアクターを置くことができない、もしくは置きにくいのでおすすめできません。

水質とろ過システム

SPSの仲間としては若干硝酸塩が検出されるような海水でも耐えられますが、できるだけきれいな水で飼育するようにします。飼育システムはベルリンなどのナチュラルシステムや、ゼオビットシステムなどでの飼育が無難でしょう。ゼオビットシステムでは美しい「色揚がり」を楽しむことができますが、ゼオビット専用リアクターなどの設備投資がかかることや添加剤の添加量がシビアなことなどからあまり初心者向きではありません。

水温

基本的に浅場に生息するサンゴです。そのため25~28℃をキープするようにしましょう。もちろん水温が安定していることも重要です。

水流

SPSとしては比較的弱めの水流でも飼育できます。強い水流でもよいのですが、強すぎるのはだめです。またハマサンゴに直接強い水流が当たるのは望ましくありません。複数の水流ポンプを使用し、ランダムな流れの水流をつくります。ウェーブコントローラーや首振り装置などを使用するのがおすすめです。

照明

従来はメタルハライドランプ(150W)での飼育が推奨されましたが、現在はLEDで飼育されることが多いです。ただしLED照明の種類によっては直下に置くと色が飛ぶこともあるようで注意が必要です。なお、参考までに我が家で使用しているのはグラッシーレディオの「リーフ」(×2)、ケシル(旧タイプ)です。置き場所としては旧タイプのケシルの光が直下に当たるようにしています。

置き場所

▲ほかのサンゴに触れないように注意

どんな種類のサンゴにも共通していえることですが、底砂の上に直接置いてはいけません。硫化水素などが発生し、サンゴが死んでしまうことがあるからです。かならずライブロックやサンゴ岩に専用の接着剤で接着しなければなりません。また毒性はやや弱いところがあるようで、ほかのサンゴとの接触も避ける必要があります。

餌と添加剤

餌は必ずしも与える必要はないのですが、粉末状、もしくは液体状ののSPS用フードを与えるのもよいでしょう。ただ、給餌は水質を悪化させるおそれがあり、積極的にはしなくてもよいでしょう。基本的にはほかのSPS同様に光による光合成を中心にエネルギーを得ているサンゴです。

添加剤

餌は必ずしも与える必要はないのですが、ハードコーラルですので添加剤は健全な育成にかかせません。カルシウム、ストロンチウム、ポタシウム、マグネシウム、ヨウ素、微量元素などを添加するようにします。ただし、カルシウムはカルシウムリアクターを使用したほうがよいかもしれません。カルシウムリアクターを使用することにより、カルシウムを水槽に安定供給できることはもちろんのこと、KHを安定させることもできるからです。カルシウムリアクターの効果を1本で再現できるブライトウェルのリキッドリーフなどを添加するのもよいでしょう。

このほかレッドシーの「リーフケアプログラム」のリーフファンデーションプログラムの添加剤を使用してもよいのですが、何れの添加剤も過剰添加にならないよう注意します。

ハマサンゴをお迎えする

ハマサンゴはミドリイシやショウガサンゴ、トゲサンゴ、ハナヤサイなどと比べると人気がなく、なかなか入手が難しいといえます。それでも枝状のエダハマサンゴなどの種類はインドネシアなどからたまに入ってきてはいたのですが、インドネシアサンゴの入荷がストップした現在ではなかなか入手が難しくなったといえます。ただしフラグサンゴであれば、現在でも購入できるかもしれません。購入して水槽に入れる前に専用の薬で薬浴させて寄生生物を取り除くとよいでしょう。

ほかの生物との関係

ほかのサンゴ・無脊椎動物との関係

ハマサンゴはミドリイシ水槽に入れられることもありますが、ミドリイシと接触には弱い面があるということで、ミドリイシとは接触させない方がよいようです。同様に飼育しやすいSPSのシコロサンゴも毒性が強いため、接触するようなところには置かないようにします。また強い光を好むため、陰日性ヤギなどとの相性は悪いです。また綺麗な水を好むためハナガタサンゴやヒユサンゴ(オオバナサンゴ)、ミズタマサンゴなど餌を与えたい、もしくは餌を与えなければならないイボヤギやキサンゴとの相性もよくありません。やはりミドリイシやコモンサンゴ、シコロサンゴなどとのSPS水槽での飼育がおすすめです。

カニやヤドカリ、イセエビの仲間はサンゴをひっくり返すこともあります。接着剤で固定すれば大丈夫と思いがちですが、これらの大型個体は岩組ごと崩すこともあるので危険です。

魚との関係

▲スズメダイの仲間との混泳は問題ない

魚との飼育はチョウチョウウオの仲間やポリプ食の強いヤッコの仲間、テングカワハギなどの魚種はポリプを捕食するおそれがあるため一緒に飼育できません。ほかの魚、たとえばスズメダイや遊泳性ハゼ、カエルウオ(セダカギンポなどはのぞく)、ネズッポ、ベラ(チューブリップや大型種はのぞく)との組み合わせであれば問題ないことが多いです。

ただ、これはあくまでハマサンゴとの相性であり、ハマサンゴの中にいるイバラカンザシなどは突いて食べられてしまうこともあります。とくにベラの仲間はゴカイ類を好んで啄むようにして食べてしまいます。

ハマサンゴ飼育まとめ

  • SPSの仲間であるがミドリイシよりは飼育しやすい
  • 人気がイマイチで入手はしにくい
  • イバラカンザシなどがついていることもある
  • ハナガササンゴやアワサンゴに近い仲間
  • SPSなので小型水槽では飼育しにくい
  • 飼育システムはベルリンシステムがベスト
  • 水温は25~28℃をキープ
  • 強すぎる水流が直接当たるとだめ
  • 照明は強いのがよいが強すぎるのもだめ
  • 餌は不要だが添加剤が必要
  • ほかのSPSとの飼育がおすすめ
  • ポリプ食性の魚との飼育は避ける

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